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本ページにはプロモーションが含まれます。フリー保育士とはクラス担任ではない保育士のことで、担任外保育士とも呼ばれます。
保育補助と混同されがちですが、フリー保育士は保育士資格持ち、保育補助は資格なしで保育をサポートする役割です(明確な線引は難しい)。
長年保育士をしていると年次でクラス担任になったりフリー保育士になったりなど変わるので慣れますが、初めてフリー保育士になる人は役割や仕事内容に疑問や不安があるはず。
- フリー保育士の役割や仕事内容がわからない……。
- クラス担任したかったのに……フリー保育士って雑用だよね?
- フリー保育士ってベテランがするって聞いたんだけど……。
- フリー保育士の給料や勤務時間って保育士と違うのかな……。
フリー保育士になって不安な人、フリー保育士として目標を持って働けるか心配な人は、この記事を読んでフリー保育士の役割と仕事内容を押さえてください。
フリー保育士がいなければ、運営がまわらない保育園も多いです。あなたの働き方次第でフリー保育士の重要性は増します。そんなフリー保育士に必要なことをお話します。
保育士、幼稚園教諭、保育教諭歴20年以上。幼稚園、保育園、認定こども園など転職して述べ500人以上の園児を保育し、保護者の相談に答えてきました。両親・祖母が教師・保育士なので、保育士は多分天職です。
詳しいプロフィール
フリー保育士の主な仕事内容や役割は?
フリー保育士の役割はクラス担任や副担任のフォロー、電話対応や備品発注など事務作業、行事の手伝いなど様々あります。
- クラス担任の保育のサポート
- お休みのクラス担任の代役
- 事務作業・行事準備・その他作業
クラス担任の保育のサポート
フリー保育士のもっとも大切な仕事は、クラス担任のサポートです。保育園には配置基準がありますが、配置基準を守れば余裕を持って保育ができるわけじゃありません。
子供のケンカ、おもらし、急に泣くなどトラブルがあると、クラス担任は1人の子に寄り添うため他の子から目が離れます。そんなとき、フリー保育士のサポートがあるとスムーズに保育ができます。
クラス担任のサポート内容は、保育に必要な道具の準備、散歩や外遊びに必要な子供の服装や遊び道具などの準備、給食の準備、おむつ替えや着替えの補助、お昼寝の手伝いなどです。
お休みのクラス担任の代役
フリー保育士は、クラス担任が休んだときにクラス担任の代役もこなします。理由はいろいろありますが、1年で20-30回クラス担任の代役をすることも珍しくないです。
保育士は現役ママも多く、子供が熱を出すと学校や保育園から連絡が来て迎えに行くのは他のママと同じ。フリー保育士は、そんなクラス担任の穴を埋める必要があります。
そのため、フリー保育士もクラス担任の1日の流れや子供の名前・性格などを把握すると、子供に寄り添った良い保育ができます。
事務作業・行事準備・その他作業
事務員がいない・少ない小規模保育園では、事務作業や行事準備などをすべてフリー保育士が主導することもあります。
保育園は、大きな会社のように何百人も社員がいるわけじゃありません。そのため事務作業や行事準備を把握することは、保育園全体の運営の流れの把握につながります。
保育園によって任される事務作業は変わりますが、電話対応や来客対応、備品のチェックや発送業務などいろいろあります。
フリー保育士のメリットや魅力
- 幅広い年齢の保育が経験できる
- いろんな子供や保護者と関われる
- 指導計画など書き物の仕事が少ない
- 保育園の運営の流れを理解できる
- 比較的時間の融通が効きやすい
幅広い年齢の保育が経験できる
フリー保育士は、乳児・幼児関係なくクラスに入って担任をサポートします(園による)。そのため、年齢による発達や保育の違いだけじゃなく、他の保育士の保育を学べます。
とくに経験が浅い保育士は、他の保育士の保育を客観的に見て取り入れたり、「子供の惹きつけ方がうまいな。」「子供をよく見てるな。」など改善することがとても大切です。
いろんな子供や保護者と関われる
クラス担任はクラスの子供と深く関われますが、他のクラスの子供と関わる機会は少なくなります。
フリー保育士はいろんなクラスで保育を補助するので、多くの子供と関われます。子供は2-3歳になると顔や名前を覚えてくれるので、クラス担任以外で身近な存在になります。
またフリー保育士は保護者と関わる機会も多、、保護者に顔や名前を覚えてもらったり、良い印象を残すことでクラス担任になったときに保護者と良い関係を築きやすくなります。
指導計画など書き物の仕事が少ない
クラス担任は年計画を立て、月案、週案、日案を作成するなど毎日たくさん書類業務があります。
フリー保育士は、クラス担任の代役になったときは保育日誌や連絡帳などを書く必要がありますが、それ以外の書類業務はそれほど多くありません。
もちろん、大きな行事前はどうしても制作物や日誌類が業務時間内に終わらないことはありますが、書類業務がどっさり……ということは少ないですね。
保育園の運営の流れを理解できる
フリー保育士は保育園全体を見て、自分ができる仕事に取り組む必要があります。
メインの仕事はクラス担任の補助ですが、幼児クラス全体(乳児クラス全体)も見る必要がありますし、手が空いたら必要な事務作業や行事準備などの仕事をしなければ保育園が回りません。
フリー保育士で活躍できれば保育園の運営の流れが理解できるようになり、仕事で右往左往することがなくなります。
比較的時間の融通が効きやすい
正直に言うと、園長から「今年は年長クラスの担任です。」と言われると気が重いです。やっぱりクラス担任は責任重大ですし、時間も取られがち。
保育園もわかっているので、フリー保育士は子育て中の保育士や新人保育士が担うことが多いですね。
フリー保育士のデメリットや悩み
- クラス担任によって保育方法が違う
- 性格が合わないクラス担任もいる
- 慣れるまでの動き方がわからない
- クラス担任が経験不足でも口出しできない
- 保育士としてのやりがいが感じられない
- 雑務や補助が多いので楽な仕事と思われがち
クラス担任によって保育方法が違う
フリー保育士は、新人保育士や転職したての保育士が仕事に慣れるために経験することも多い役割です。そのため、保育園全体の保育方針や先輩保育士の保育を学べるのは良い点です。
ただいろんなクラス担任のフォローをすると、保育士毎に保育に違いがあり違和感を感じます。自分の保育ができないため、モヤモヤしながら仕事をするフリー保育士もいますね。
性格が合わないクラス担任もいる
職場に人間関係の良し悪しはつきもの。すべての人と良い人間関係を築き、まったくストレスを感じない職場はほぼありません。
普段は良い人なのに忙しいと露骨にイライラするクラス担任、フリー保育士をアゴで使うクラス担任もいます。また、フリー保育士を信用しないで自分ですべてやるクラス担任もいます。
それぞれ対処方法はありますが、このようなクラス担任に当たると「やっぱりフリー保育士より、自分の保育ができるクラス担任になりたい……。」と思ってしまいます。
慣れるまでの動き方がわからない
フリー保育士の仕事はいろいろあります。クラス担任のフォローだけなら良いのですが、自分の判断で事務作業をしたり、行事準備をしたり、積極的に他のクラスを見て回ることもあります。
そのためフリー保育士は、クラス担任のようにクラスの子供に集中して無事進級(卒園)させるなど目標が持ちにくく、常に頭の切り替えが必要なので慣れるまでは苦労します。
クラス担任が経験不足でも口出しできない
ベテラン保育士が復職した場合も、フリー保育士として働くことがあります。もちろんベテラン保育士も、フリー保育士ならクラス担任のフォローに回ります。
その際、クラス担任の保育が自分と違うと口出ししたくなりますが、それはダメです。クラス担任は計画を立てて、自分の保育をしている最中なので、保育方針が変わると子供が困惑します。
口出しできなくてイライラするかもしれませんが、それがクラス担任とフリー保育士の役割の違いです。
保育士としてのやりがいが感じられない
フリー保育士は多くの子供や保護者と関われますが、クラス担任ほど関係性が濃くありません。
仕事は保育補助だけじゃなく行事の準備や事務的な裏方も多いので、保育をしたい人にとってはやりがいを感じにくく、モチベーションが下がる原因になります。
雑務や補助が多いので楽な仕事と思われがち
フリー保育士は事務作業などを指示されることもあれば、保育補助としてクラスを見たり、手が足りないクラスの手伝いをするなど自分で考えて動く必要があるので大変です。
ところが「フリー保育士って楽な仕事でしょ?」と誤解する保育士もいます。フリー保育士が軽く見られているというより、そんな見方をする人の性格が悪いだけだと思いますが……。
フリー保育士が感じるやりがい、目標の持ち方
フリー保育士の中には「責任感があるクラス担任が良かった。」と思う人もいるかもしれません。ただ、フリー保育士の経験はクラス担任になったときに必ず役立ちます。
メリットでも話しましたが、いろんなクラスの保育補助をすることで保育の流れを何通りも知ることができますし、クラス担任の保育の良いところを自分の保育として取り入れることもできます。
また保護者は意外とフリー保育士を見ていて、感じが良い保育士だと顔と名前はばっちり覚えます。子供もクラス担任より、フリーの保育士の方が好きということもあったりします。
そのため、フリー保育士が脇役ということはありません。フリー保育士にやりがいを感じない、目標を持てないという人は、以下を意識して仕事に取り組んでみてください。
- 事務作業や行事など保育園運営の流れを把握する
- 次のクラス担任を想定して保育補助をする
- 保育に対する幅広い知識を学んでご意見番になる
フリー保育士は行事の準備や事務作業も多いですが、保育園の裏方の仕事を覚えることで、クラス担任になったときもクラス単体じゃなく保育園全体を考えて動けるようになります。
保育園全体を考えて動けるフリー保育士は、園長や主任保育士から絶大な信頼を得られます。
そうなると発言の重みも変わるので、仕事の希望を出しても通りやすくなったり、保育園の方向性を決定する会議に出席するなどして存在感も大きくなっていきます。
フリー保育士の給料など待遇
- フリー保育士の給料など
- フリー保育士の勤務時間など
フリー保育士の給料など
フリー保育士は特別な仕事じゃないので、待遇は普通の保育士と同じです。ただしパート保育士や派遣保育士など非常勤が役割を担うことも多いので、待遇は雇用形態と勤務時間で変わります。
たとえば令和2年度(2020年度)の賃金構造基本統計調査によると、保育士の平均月給は24.98万円、ボーナスを含んだ平均年収は374.5万円となっています。
年齢 | 勤続年数 | 実労働 | 超過実労働 | 月次給与額 | 年間賞与等 |
---|---|---|---|---|---|
37.6歳 | 7.7年 | 168時間 | 2時間 | 24.98万円 | 74.74万円 |
保育士の給料について詳しく知りたい人は以下を参考にしてください。保育士全体の平均年収を知っても意味はありません。年齢、地域、施設などの平均を踏まえて理解しましょう。
フリー保育士の勤務時間など
フリー保育士の勤務時間も雇用形態で変わります。通常は他の保育士と同じようにシフトで働きますが、行事前や入園・卒園シーズンは忙しいので、違う働き方を頼まれるかもしれません。
パート保育士や派遣保育士でフリー保育士を任されると、朝の預かり時間や夕方のお迎え時間が仕事に組み込まれることも多いと思います。
また、フリー保育士が休憩対応保育士の役割を担うこともあります。その場合は、休憩時間のとり方も変わります。
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拠点数はサービス全体、またはグループ全体のものです。
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それぞれのサービスの特徴は以下でまとめたので、転職を考えている人は参考にしてください。
大規模保育園であれば、フリー保育士はほとんどの保育士が経験する役割です。そのため変にフリー保育士を拒否する必要はありません。
もしフリー保育士に任命されて不安な人は安心してください。はじめは戸惑うかもしれませんが、慣れればフリー保育士の方がかなり気楽に仕事ができますよ。