この記事は約 10 分で読めます
本ページにはプロモーションが含まれます。保育士あるある「特技は早食い」ー。保育士ならピンとくる話ですよね。
多くの保育園では昼食時間、お昼寝時間に保育士が休憩をとりますが、子供は突発的な行動を取るので注意が必要です。そのため、休憩時間が本当の意味の休憩ではないことが多いです。
ただ、わたしたち保育士は「実質休憩なし状態」を当たり前と思ってはいけません。
休憩時間は張り詰めた労働時間の合間に一息ついて、集中力を切らさないための大切な時間です。短い時間でもリフレッシュ方法を見つけて、仕事の活力に変えないといけません。
- 保育士の休憩時間ってどういう風に決まってるの?
- うちの保育園休憩取れない……これって違法じゃない?
- どうすれば今の保育園で十分な休憩時間を取れるの?
休憩時間で十分な休憩を取れないなら、労働基準法に照らして休憩時間が適正か確認してください。
この記事を読むことで、当たり前だと思っていた保育園の休憩時間に疑問を持つことができます。休憩時間が取りやすい保育園の特徴もお伝えするので、最後まで読んでください。
保育士、幼稚園教諭、保育教諭歴20年以上。幼稚園、保育園、認定こども園など転職して述べ500人以上の園児を保育し、保護者の相談に答えてきました。両親・祖母が教師・保育士なので、保育士は多分天職です。
詳しいプロフィール
労働基準法による保育士の労働時間と休憩時間
労働基準法では、勤務時間が6時間以上8時間未満の場合は最低45分、8時間を超える場合は1時間以上の休憩を与えなければいけないと定められています。
昭和二十二年法律第四十九号
労働基準法
第四章 労働時間、休憩、休日及び年次有給休暇
(休憩)
第三十四条 使用者は、労働時間が六時間を超える場合においては少くとも四十五分、八時間を超える場合においては少くとも一時間の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない。
② 前項の休憩時間は、一斉に与えなければならない。ただし、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定があるときは、この限りでない。
③ 使用者は、第一項の休憩時間を自由に利用させなければならない。
保育士が通常のシフト勤務や固定時間勤務をするなら、1日45分から1時間は休憩時間に設定されているはず。さすがに、休憩時間なしの保育園はないと思います。
休憩60分のなのに30分しかとれない。
保育業界では休憩取れないのが当たり前で30分取れるだけでもいい方だけど、タイムシートには毎日"60分"と記入。
休憩できない日もあるのにそれでも"60分"。
休憩が無いのを当たり前って思う保育業界をどうにかしてほしい。#変えよう福祉職場あるある— 派遣保育士 (@fdtVU1PhmCTu2nN) November 23, 2021
ただ名目だけ休憩時間でも、この口コミのように休憩時間のごまかしがないか、保育士が本当に仕事を忘れて休めているかが問題なんです。
労働基準法の「使用者は、第一項の休憩時間を自由に利用させなければならない。」この部分が法律的に引っかかる気がします。
保育園の休憩時間って労働基準法違反…?
多くの保育園では、休憩時間の取り方で労働基準法違反をしているかもしれません。保育士の休憩時間の取り方・使わせ方を解説します。
- 給食を子供といっしょに食べるのは休憩時間?
- 残業を避けるために休憩時間に仕事をすると?
- お昼寝時間は休憩時間としてゆっくり休める?
- よく考えたら行事の日は1日中休憩なしかも?
給食を子供といっしょに食べるのは休憩時間?
クラス担任は、給食やお弁当を子供たちといっしょに食べますね。では、子供たちといっしょの給食の時間は、保育士が心休まる休憩時間でしょうか。
保育士は食事中も子供の安全に目を配っています。箸やフォークを持ってふざけていないか、突然嘔吐する子はいないか、給食をひっくり返す子はいないか……。
そんな心配があるから保育士は早食いが特技になります。これは心休まる休憩時間とは言えません。
私が行ってたところも給食=休憩みたいな感じだったな~でも歳によってだよね🥺0~1歳とかなら食べさせなきゃいけないから食べさしてあげてそのあと寝かせたら自分の給食だったりで保育士大変だった。。。でもそのわりに給料が💩ブラックなところいけば給料も高いのか..?
— れいちゃんぷ 🐍 (@reiufw) November 9, 2021
残業を避けるために休憩時間に仕事をすると?
「うちは持ち帰り仕事は禁止です!」という保育園は増えましたが、持ち帰りしない分はどこで補うのか……そう、休憩時間中に連絡帳や日案を書いたり、制作物に手を付けるんです。
「持ち帰りが嫌なら、休憩時間にやればいいじゃん!」と先輩保育士に言われて、そんなもんか……と納得して休憩時間を潰す保育士は多いです。
でも残業を避けるために休憩時間に仕事をすると、休憩時間に休憩ができなくなります。
保育士が休憩中に業務に当たっている時間は労働時間とカウントされます。
労働時間が6時間超、8時間以下の場合は、少なくとも45分、8時間超の場合は少なくとも1時間、休憩時間を与えなければならない。⁰そして、その休憩時間は「労働から離れること」が保障されている。#保育士#休憩時間
— “たーけー“@ ITオンチ会社役員 (@okinesiacoco) November 27, 2021
ちなみに持ち帰り仕事は残業認定ですが、現状ほぼサービス残業になっている保育士が多いです。こちらも保育業界の問題の一つですね。
お昼寝時間は休憩時間としてゆっくり休める?
子供のお昼寝時間に、交代で休憩を取る保育園も多いですね。でも、子供のお昼寝時間では十分な休憩が取れない保育士の方が多いと思います。
とくに乳児保育では、お昼寝中の見守りは必須です。5分に1回はうつぶせ寝をしてないかなど呼吸の確認をして、チェック表をつける保育園も多いです。
乳児クラスの保育士の中には、給食と子供のお昼寝と呼吸チェックを同時に行っている人もいます。
分かります。5分おきに呼吸チェックしながらの給食の時間のどこが休憩なんでしょうね。
— 保育士3年目 (@hoikusi_yametai) November 28, 2021
1歳児以降でも寝付けない子や泣き出す子、起きて暴れる子には寄り添って相手をします。そのため「保育士には十分な休憩時間がある」と胸を張って言える保育園は少ないはずです。
よく考えたら行事の日は1日中休憩なしかも?
遠足、運動会、発表会、入園式・卒園式など大型行事の日は、職員みんな忙しくピリピリしています。
こういう日は1日中休憩なしということも多いです。まぁ1日程度なら休憩なしでも問題ないんですが、これが当たり前のように積み重なると疲労も溜まっていきますよね。
保育士が満足な休憩時間を取るにはどうする?
今の保育園の休憩時間は文化になっています。初めての保育業界でゼロから始めた新設保育園、革新的な園長が就任した保育園以外は、程度の差はあれ休憩時間の概念は変わりません。
もちろん何もしなければ何も変わらないので、「休憩が欲しい!」と声を挙げることは大切です。今よりも心が休まる休憩時間を望むなら、以下の対策をしてください。
- 保育園に休憩時間のルールの見直しを要望する
- 余裕を持って仕事ができる人員の増員を要望する
- 地方労働局に相談して休憩時間の改善を求める
- 今より休憩時間が確保できる保育園に転職する
保育園に休憩時間のルールの見直しを要望する
もしかしたら、保育園に休憩時間を見直して欲しいとお願いしたことがある人もいるかもしれません。
ただ、「休憩時間を増やして欲しい。」という要望だとなかなか通りませんし、休憩時間が増えたとしても心が休まらない休憩だと意味がありません。
そのため、「労働基準法に則った休憩時間のルールづくりをして欲しい。」と要望しましょう。これは、保育士が園内の心配をせずに休憩が取れる体制作りが必要だという意味です。
余裕を持って仕事ができる人員の増員を要望する
休憩時間に十分に休めないのは、保育士が仕事に追われているからです。勤務時間内で仕事が終われば持ち帰りもありませんし、書き物を休憩時間にする必要もなくなります。
ただ単純に保育士を増やしただけだと、サボる人が出て何も変わりません。職員には保育士を増やす目的を明確に伝えて、保育園全体で休憩時間の確保を目指さないといけません。
こちらもかなり難しそうです。そもそも保育園は、仕事が回っている(ように見えている)のに保育士を増やそうなんて思いません。
保育士の配置基準は子供の安全を守る大切なルールです。詳細は以下を参考にしてください。
地方労働局に相談して休憩時間の改善を求める
自分たちの力でどうにもならない場合は、地方労働局に保育園の休憩時間の現状を説明して、保育園に休憩時間の改善指導をしてもらうよう働きかける方法もあります。
ただ残念ながら労働局も保育園に保育士が足りない現状、休憩時間に自由な休憩ができない現状を理解しています。そのため、動いてくれないと考えた方が良いです。
仮に保育園に休憩時間の改善指導があったとしても、保育園には現状を変える気力・体力がありません。
今より休憩時間が確保できる保育園に転職する
今の保育園にいても職員の休憩時間に対する考え方、休憩時間の使い方は変わりません。そのため休憩時間を取れない保育園から、休憩時間を取れる保育園に移った方が現実的です。
一番わかりやすいのは、休憩を取る保育士の穴を埋める「休憩対応保育士」がいる保育園かどうかです。フリー保育士が休憩対応保育士の役割を担う保育園もあります。
もう一つはその保育園に仕事が効率化されている、行事が少ない、残業や持ち帰りが少ないなどの特徴があるかどうか。このような保育園は休憩時間も確保しやすいと予想できます。
- 配置基準を十分に上回る保育士がいる
- 1年を通して大型行事の数が少ない
- ICT導入が進んでいてITに詳しい人がいる
- 保育士の働き方が体系化されている
- 保育士が話し合って有給を消化している
- 保育士同士の協力体制ができている
- 園長がワンマン経営をしていない
休憩時間が取りやすい保育園の探し方は?
しっかり休憩時間がある保育園を探したくても、調べるのは難しいです。そのため、先ほど挙げたチェック項目を多く満たす保育園を転職エージェントに探してもらいましょう。
転職エージェントを使えば気になる保育園を調べてくれるので、あなたの理想の保育園を見つけやすくなります。先ほどの項目を担当者に伝えてください。
- 配置基準を十分に上回る保育士がいる
- 1年を通して大型行事の数が少ない
- ICT導入が進んでいてITに詳しい人がいる
- 保育士の働き方が体系化されている
- 保育士が話し合って有給を消化している
- 保育士同士の協力体制ができている
- 園長がワンマン経営をしていない
もっとも大切な情報収集は転職エージェントに任せましょう。また転職エージェントを利用すれば求人探し、転職先との連絡、条件交渉などの手間も削減できます。
選び方がわからない人は、わたしが使っていたマイナビ保育士と保育士バンクを使ってみてください。公開求人数、拠点数、評価は以下の通りです。
サイト名 | 公開求人 | 拠点数※ | 転職フェア | 担当者 | サポート | 口コミ |
---|---|---|---|---|---|---|
マイナビ保育士 | 20,060件 | 12拠点 | ○ | 4.8 | 4.7 | 4.8 |
保育士バンク | 17,677件 | 8拠点 | ◎ | 4.7 | 4.8 | 4.8 |
拠点数はサービス全体、またはグループ全体のものです。
上記は2022年3月時点のサイト内調査による数値、または予測数です。
マイナビ保育士は求人数が多く、保育園情報を網羅していることが特徴です。マイナビグループなので実績も豊富で、履歴書・面接対策、面接同行などサポートも手厚いですね。
保育士バンクは担当者に元保育士が多く相談しやすいことが特徴です。またWEB面接や転職フェアなどサポートの質が高く、非公開求人も多くて使いやすいです。
-
マイナビ保育士[公式]
全国的に求人が多く、とくに関東の転職に必須!保育園情報を網羅していてサポートも◎
» マイナビ保育士の口コミを見る -
保育士バンク[公式]
担当者は元保育士が多く相談しやすい。転職フェアなどサポートも充実。地方求人も◎
» 保育士バンクの口コミを見る
転職活動には基本的に転職エージェントを使いますが、転職サイトにも登録してください。ジョブメドレー保育士は以下の理由で登録しておくと便利です。
- 転職エージェントより求人数が多いため求人比較に便利
- 担当者からの電話連絡がないのでマイペースで活動できる
- スカウトメール機能で保育園からのスカウトが期待できる
それぞれのサービスの特徴は以下でまとめたので、転職を考えている人は参考にしてください。
残業時間を含めて労働時間が6時間を超える場合は、保育士に45分以上の休憩時間を与えることが労働基準法で決まっています。さらに休憩時間は、仕事を忘れて自由に使える時間でなければいけません。
今の保育園でしっかり休憩時間が取れないなら、働きやすい保育園に転職することをおすすめします。休憩なしの違法な保育園は、働く価値がありません。