保育士の休職制度で不安なお金のこと、傷病手当金&自立支援医療制度

保育士のお悩み

保育士の休職で生活費が不安…傷病手当金、自立支援医療制度とは

投稿日:2019年12月28日 更新日:

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まーさ
心も体も辛いけど、休職したら生活できないから仕事しないと……。

休職中の生活費が不安なら、傷病手当金を申請すれば補助金がもらえます。また、精神疾患がある人は医療費を安くできますよ。
みやこさん

精神的に辛くて休みたいとき、気になるのは休職中の生活です。保育園に休職制度があっても、生活費が不安で休職制度を使えない人もいます。

でも安心してください。休職中に傷病手当金を申請すれば、健康保険から日給の3分の2が支援されます。また、うつなどで病院に通う場合は自立支援医療制度で通院自己負担額が1割になります。

まーさ
傷病手当金のもらい方とか自立支援医療制度の適用方法について教えて!

という人のために詳しい解説をしたいと思います。今必要がない人でも、もしものときのために傷病手当金と自立支援医療制度を知っておくことはとても大切ですよ。

傷病手当金とは健康保険から支給される補助金

傷病手当金とは

傷病手当金とは、病気やケガで仕事を休む期間の生活を保障するために、健康保険から支給される補助金のことです。

  • 傷病手当金の支給条件
  • 傷病手当金の支給金額
  • 傷病手当金に必要な書類
  • 傷病手当金の申請方法
  • 傷病手当金申請の注意点

傷病手当金の支給条件

傷病手当金の支給は、社会保険(健康保険)の加入が必要です。健康保険加入者なら、パートや契約社員でも利用できます。それ以外に、以下の条件が必要です。

業務外の病気やケガで休んでいる

傷病手当金は、業務外の事故や病気で休んでいることが前提の補助金です。業務中・通勤中の事故や病気は、傷病手当金ではなく労災保険対象になります。

また、"うつ"などの精神性疾患は、休職して傷病手当金をもらいながら、労災申請をするのが一般的です(労災が通るまでに半年以上かかる)。

基本的に働くことができない

働くことができないかどうかは、普段の業務内容に対して健康保険の審査がありますが、審査には医師の診断書が必要です。

連続する3日間を含む4日以上休職している

業務外の事故や病気で仕事を連続3日休むと、4日目以降が傷病手当金の支給対象になります。なお、連続する休職には、土日祝日も含まれます。

休職期間に給与の支払いがない

休職期間中は無休です。給与保障される大企業もあるそうですが、保育園はほぼ関係ないと思います。もし給与保障があるとしても、「傷病手当金額>給与保障額」の場合は差額をもらえます。

傷病手当金の支給金額

傷病手当金の金額計算方法はわざわざ覚える必要はないです。だいたい月給の3分の2ほどが支給されます。詳しくは、以下のサイトのシミュレーターを使って計算してください。

参考傷病手当金の支給額の計算 - 高精度計算サイト

なお、標準報酬月額は以下協会けんぽのサイトを参考にしてください。たとえば東京都で働く保育士で月給が194000円の場合、標準報酬月額は190,000円です(支給開始前月までの12か月平均額)。

参考平成31年度保険料額表(平成31年4月分から) | 健康保険ガイド | 全国健康保険協会

例:東京都、月給19.4万円、180日休職:800460円
例:神奈川県、月給21万円、60日休職:293220円
例:大阪府、月給26.9万円、250日休職:1445000円

傷病手当金に必要な書類

傷病手当金を受け取るためには、傷病の状態や原因に合わせて以下の書類が必要です。書類は以下からダウンロード・印刷できます。

傷病手当金 | 健康保険ガイド | 全国健康保険協会(https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat320/sb3170/sbb31710/1950-271)

傷病手当金の申請方法

短期の場合は休職明け、長期の場合は1か月毎などに傷病手当金の申請をします。必要な書類を上記の協会けんぽのサイトから印刷して、必要事項を記入します。

次に、医師に傷病手当金支給申請書の「療養担当者記入用」の記入を依頼します。書類作成に時間がかかることもあります。

必要な書類が揃ったら、保育園に傷病手当金支給申請書の「事業主記入用」の記入と健康保険(協会けんぽなど)への提出を依頼してください(自分で出しても良いが通常は保育園に依頼する)。

健康保険の審査が通ると、支給される傷病手当金の金額や振込予定日が記載された「支給決定通知書」が送られてきます。

傷病手当金申請の注意点

短期の傷病手当金申請は休職後に行う

医師に記載してもらう「療養担当者記入用」、保育園に記載してもらう「事業主記入用」は、休職期間がはっきりしなければ記載できません。そのため、傷病手当金の申請は休職明けに行います。

長期の傷病手当金申請は定期的に行う

休職が長期の場合は、休職中の生活費が不安になりますね。そのため、1か月など決まった期間で傷病手当金を申請してください。

傷病手当金の振込は申請後2週間~ほど

保育園が傷病手当金を申請すると、協会けんぽの場合は振込までおよそ2週間ほどかかります。時期によってそれ以上かかることもあるので気をつけてください。

自立支援医療制度とは治療費の軽減制度

自立支援医療制度とは

自立支援医療制度は、すべての心身の障害の治療にかかる医療費の自己負担分を3割から1割に軽減するための制度のことです。

  • 自立支援医療制度の適用条件
  • 自立支援医療制度の自己負担額
  • 自立支援医療に必要な書類など
  • 自立支援医療の申請方法
  • 自立支援医療制度の注意点

自立支援医療制度の適用条件

自立支援医療制度は、世帯所得や治療の内容に応じ自己負担の上限が決まっています。制度対象の医療は、通院・デイケア・訪問看護のみで、入院治療は対象外です。

自立支援医療の自己負担額

自立支援医療は、世帯所得で区分があり、所得が一定未満の人は月間の自己負担額に上限があります。そのため、通院回数が多い人は安心して病院に通えます。

また統合失調症など、長期間の高額な治療が必要な人は「重度かつ継続」という区分が適用されます。

世帯所得状況 1月あたりの負担額 「重度かつ継続」の上限
生活保護受給世帯 0円 0円
市町村民税非課税世帯かつ受給者収入が80万円以下 2500円 2500円
市町村民税非課税世帯かつ受給者収入が80万円以上 5000円 5000円
市町村民税235000円未満 高額療養費制度の限度額 10000円
市町村民税235000円以上 医療保険の通常負担 20000円

自立支援医療(精神通院医療)について|厚生労働省(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/jiritsu/dl/03.pdf)

自立支援医療に必要な書類など

自立支援医療を受けるためには、以下のものが必要です。課税証明書・非課税証明書は世帯収入を証明する書類で、自治体窓口で取得できます。

  • 支給認定申請書
  • 医師の診断書
  • 健康保険証
  • マイナンバー
  • 課税証明書・非課税証明書など
  • 印鑑

自立支援医療の申請方法

医師に自立支援医療を受けたい旨を話して、診断書をもらいましょう。

申請は自治体で行いますが、「支給認定申請書」「課税証明書・非課税証明書など」も自治体で取得できます。窓口で申請すると「自己負担上限額管理票」をもらえます。

「受給者証」が届くまでは1-2か月ほどかかりますが、その間の医療費は3割負担です。受給者証が届いたら、医療機関に「受給者証」と「自己負担上限額管理票」を提示することで負担が1割になります。

自立支援医療制度の注意点

医療費の払い戻しを受けられる

受給者証が届いたら、申請から受給者証が届く期間の医療費は1割負担になるため、払った医療費の払い戻しが受けられます。払い戻しは以下の必要なものを持って、自治体の窓口で手続きできます。

  • 受給者証
  • 自己負担上限額管理票
  • 3割負担で医療費を支払ったときの領収書の原本

自立支援医療の受給者証は1年更新

自立支援医療は、通院期間が長くなる可能性が考えられます。そのため、何年も通院が必要な人もいます。受給者証は1年更新なので、忘れずに更新してください。

更新の際も診断書などが必要なので、医師に尋ねてください。

自立支援医療は入院には使えない

自立支援医療の1割負担は、あくまでも通院・デイケア・訪問看護の医療費に適用されるものです。

指定医療機関しか利用できない

自立支援医療制度は都道府県が定めた「指定医療機関」のみで、通う医療機関を決めて申請しなければいけません。そのため、指定医療機関以外では制度が適用されません。

傷病手当金、自立支援医療制度でお金の心配を減らそう

傷病手当金、自立支援医療制度でお金の心配を減らそう

保育士の待遇は少しずつ良くなっていますが、まだニュースになるくらいパワハラを受けて精神的につらい思いをする保育士も多いです。

もし保育園に休職制度があるなら活用すれば良いんですが、休職させるかは保育園の判断によります。保育士の休職を拒否しても、保育園は違法にはなりません。

休職制度があっても使えない、そもそも休職制度がない保育園はいざというときに自分を守れないので、早めに退職した方が良いと思います。休職制度を使えないときの対応は以下を参考にしてください。

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