この記事は約 10 分で読めます
本ページにはプロモーションが含まれます。転職先の保育園で思っていた労働条件と違う、求人票と内容が違うことってありますよね。
- 完全週休2日制と聞いたのに月1土曜出勤がある
- 残業は無いけど毎日持ち帰り仕事がある
- 初年度は担任なしって聞いたのに担任……
など労働条件が違うと感じたら、まず労働条件を精査して内容に応じて対処します。なぜなら労働条件が嘘だと感じても、本当は何が悪いか、誰が悪いかわからないからです。
この記事を読めば、求人の「聞いてた話と違う!」を防ぐために何をすれば良いか、転職後に労働条件が違うと知ったときの対処法がわかります。
嘘求人を防ぐには事前準備も必要なので、なるべく転職前に押さえておくことが大切ですよ。
保育士、幼稚園教諭、保育教諭歴20年以上。幼稚園、保育園、認定こども園など転職して述べ500人以上の園児を保育し、保護者の相談に答えてきました。両親・祖母が教師・保育士なので、保育士は多分天職です。
詳しいプロフィール
転職後に話が違う!と感じた保育士の対処法
転職後に話が違うと感じても、保育園が嘘をついているのか、解釈の違いなのか、保育園の働く環境が変わったのかで対応は変わります。まず以下の順番に行動しましょう。
- サポートを受けた転職エージェントに相談する
- 転職エージェントから保育園に改善交渉してもらう
- 法律違反があれば労働基準監督署に相談する
- どうしても許せないときは弁護士に相談する
- 我慢をするか、違う保育園に転職をする
サポートを受けた転職エージェントに相談する
まずは、転職サポートを受けた転職エージェントに相談します。あなたが保育園に感じた「話が違う!」が正しいのか、勘違いなのかは第三者に聞かないとわかりません。
転職エージェントから保育園に改善交渉してもらう
転職エージェントに相談した結果、「保育園がおかしい」と判断できれば転職エージェントから保育園に改善交渉してもらいましょう。
転職後のアフターフォローの評価が高いのはマイナビ保育士、保育士バンクです。
-
マイナビ保育士[公式]
全国的に求人が多く、とくに関東の転職に必須!保育園情報を網羅していてサポートも◎
» マイナビ保育士の口コミを見る -
保育士バンク[公式]
担当者は元保育士が多く相談しやすい。転職フェアなどサポートも充実。地方求人も◎
» 保育士バンクの口コミを見る
法律違反があれば労働基準監督署に相談する
保育園に「給料金額が求人票・雇用契約書と違う」「サービス残業が多い」「有給休暇が取れない」などの法律違反がある場合は、労働基準監督署に相談してください。
求人情報の虚偽は労働安定法65条違反、労働契約書の虚偽は労働基準法15条違反です。ただし求人情報と労働契約書の内容が違っても、契約書締結前に説明があれば違反にはならないので注意してください。
職業安定法第65条
次の各号のいずれかに該当する者は、これを六月以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
第8号 虚偽の広告をなし、又は虚偽の条件を呈示して、職業紹介、労働者の募集若しくは労働者の供給を行った者又はこれらに従事した者
労働基準法第15条
使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。この場合において、賃金及び労働時間に関する事項その他の厚生労働省令で定める事項については、厚生労働省令で定める方法により明示しなければならない。
どうしても許せないときは弁護士に相談する
嘘求人の内容がひどい場合は弁護士に相談する方法もあります。ただし弁護士には費用がかかりますし、以下の通り嘘求人の損害賠償も大した金額にならないので現実的ではありません。
労政事務所や労働基準監督署は、入社後に明確な労基法の違反や雇用契約書の範囲からよほど逸脱していない限り、動きにくい。私は弁護士会の知人も多いので何かトラブルがあったら相談できますが、普通に民事で弁護士を雇うと着手金何十万円とか掛かるので、みんな泣き寝入りしています
我慢をするか、違う保育園に転職をする
嘘求人だとわかっても、転職したばかりだと我慢して働く保育士は多いと思います。ただ、保育園とのわだかまりがあるなら、前向きに再転職がもっとも良い対処法です。
労基署や転職エージェントに相談して待遇が改善しても関係がギクシャクしますし、気持ちもスッキリしませんよね。気持ちを切り替えて他の保育園に転職するなら、以下を実行してください。
- 転職エージェントに急遽求人を探してもらう
- なるべく今の保育園在職中に転職活動を始める
- 転職候補に退職理由をうまく説明してもらう
- 法律違反は労働基準監督署に調査を依頼する
また、転職エージェントが紹介した保育園でトラブルが起きたら、転職エージェントに責任をとってもらうことが大切です。
すぐ求人を紹介してもらうだけじゃなく、今後の転職活動で「今回早期退職した理由」を転職エージェントから転職先候補に説明してもらうなど、不利な転職にならない対応をしてもらいましょう。
保育士が転職後に労働条件の違い・ズレがある理由
と感じる原因は以下の通りです。本当に保育園が騙そうとしているのか、何が原因で嘘求人だと思ったのかを精査しないと、次の行動は取れませんよ。
- 保育園が明らかに嘘をついている
- 労働条件を微妙にごまかしている
- 労働条件で解釈の違いがあった
- 保育園の働く環境が変わった
保育園が明らかに嘘をついている
- 求人票に完全週休2日制と書いてあったのに週1休みがある
- 求人票に残業がないと書いてあったのに頻繁に残業がある
- 雇用契約書に記載された固定残業の超過残業代が払われない
保育園が嘘をついているのは、求人票や雇用契約書に記載された内容と違う労働条件だった場合です。これは労働基準法違反です。
たとえば求人票に完全週休2日制と書かれていて、転職後に週6日勤務をしたら休日出勤したことになります(完全週休2日制=土日休みではない)。
また、みなし残業20時間の保育園で21時間勤務したら、1時間残業したことになります。残業代を払わずに、「みなし残業だから」「うちでは当たり前」などと言われたら労働基準法違反です。
労働条件を微妙にごまかしている
- 月収30万円以上可能
- 年収例:420万円/35歳
- 基本給25万円以上※能力による
- 年間休日125日以上※有給含む
- 8時-17時勤務、残業が少ない仕事です
上記の求人内容は一瞬「おっ、良いかも。」と思いますが、よく見るとどれも条件が曖昧です。この手の曖昧求人に惹かれて転職をして、後悔する保育士も多いです。
後から保育園に文句を言ったとしても、「それはあなたの勘違いでしょ。ちゃんと説明したし、雇用契約書にも書いてあるわよ。」と言われる可能性が高いです。
労働条件で解釈の違いがあった
労働条件の解釈の違いは、保育園側・保育士側どちらにもあり得ます。以下は一例です。
- 保育園が試用期間中も正社員同様の扱いだと知らなかった
- 保育士が完全週休2日制と週休2日制を勘違いしていた
- 保育以外の雑務も保育士の仕事だと知らなかった
1番目は保育園側の勘違いです。試用期間が2か月でも、正規保育士採用なら有給・退職金などの規定は採用時に始まります。
2番目の週休2日制は、週休2日がベースですが必ず2日の休みがあるとは限らない制度です。これを完全週休2日制と勘違いする保育士は多いです。
3番目は、「保育以外に掃除、片付けなど雑用もある……。話と違う!」というのも保育士の勘違いです。保育士の仕事は、子供の保育以外にも保育に関係する雑用が含まれます。
保育園の働く環境が変わった
- 0歳児担任と聞いていたのに3歳児担任になった
- 担任と聞いたけどフリー保育士になった
- 残業が少ないと聞いたけど持ち帰り仕事が多かった
- 賞与4か月だったのに次年度に2か月に減った
保育園の働く環境が変わると、求人票の内容と実際の労働条件が変わる場合があります。
そもそも労働契約書に担任うんぬんは書かれないので、状況によって担任クラスの年齢が変わったり、フリー保育士になる可能性はあります。
持ち帰り仕事は本来残業ですが、多くの保育園で残業とみなされません。サービス残業の強要は労働基準法違反ですが、そうではないケースが多いので厄介です。詳しくは以下を参考にしてください。
「賞与4か月だったのに次年度に2か月に減った」は、年度が変わると仕方ない話ですね。雇用契約書に「賞与4か月分」と記載があっても、ずっと保証されるわけじゃありません。
嘘求人で後悔しない保育士の転職活動のやり方
たとえ勘違いでも、転職後に「聞いてた話と違う!」と感じるとストレスです。これから転職したい人、転職を考えている人は転職活動中に以下の対策をしましょう。
- 求人を精査して働きやすい保育園かどうかを見分ける
- 園見学や面接で待遇に関する曖昧な部分を質問する
- 内定後に待遇などの詳細条件を書面でもらう
- 転職エージェントから保育園に労働条件を確認してもらう
求人を精査して働きやすい保育園かどうかを見分ける
転職したい求人を見つけたら、その求人が本当に働きやすい保育園か見分ける必要があります。
働きやすさを判断するには基準が必要です。以下の記事では働きやすい理想の保育園を見つけるためにチェックする項目をまとめてあります。
基準の優劣は人によって変わりますが、転職で後悔しないために抜け漏れなくチェックしましょう。
園見学や面接で待遇する曖昧な部分を質問する
求人票を見て待遇で曖昧な部分があると感じたら、園見学や面接で積極的に質問してください。
転職面接は必ず受けるものですが、園見学には行かない人もいます。ただ、園見学は保育園の雰囲気を知る大切な目的があります。園見学の重要性は以下で解説しています。
また待遇に関する質問のコツは、ストレートに質問しないことです。働き方や環境と絡めて話すと、うまく聞き出せます。質問の仕方は以下の逆質問を参考にしてください。
- キャリアアップ制度に興味があるのですが、御園では役職登用にどのような基準がありますか
- 御園にすぐなじむために、準備をした方が良いこと(勉強した方が良いこと)はありますか
- 前職ではパソコンで書類の管理を任されていましたが、御園ではパソコンを使った効率化は取り組まれていますか
- できるだけ長く働きたいと思っていますが、出産後も育児と仕事を両立されている先生はどれくらいいらっしゃいますか
- 子供が小さいため遅くまでは働けないのですが、お子さんをお持ちの先生はどのように連携されていますか
内定後に待遇などの詳細条件を書面でもらう
一般的には、内定をもらってから入職説明や労働契約書を交わします。そのとき初めて細かい待遇を知ることが多いですね。ただ、そこで労働条件が当初と違うと感じたらどうしますか。
などがあっても、もう前の保育園は辞めて他の内定を辞退した後だと引き返せません。
そのため、内定をもらったら先に労働条件を書面で提示してもらいましょう。内定取り消しリスクはありますが、労働条件の提示を躊躇する保育園に行く方がリスクです。
転職エージェントから保育園に労働条件を確認してもらう
「待遇の質問も労働条件の提示も言いにくいよ……。」という人は、転職エージェントに待遇の質問を依頼したり、労働条件の詳細を確認してもらいましょう。
転職エージェントにとって保育士は商品です。そのため保育士の待遇を確認することも、年収などを聞くこともできます。内定後なら保育士の待遇を書面でもらうことも可能です。
嘘求人で失敗しないために転職エージェントを使おう
転職エージェントは求人斡旋だけじゃなく、転職全体をフォローしてくれます。とくに表面上はわからない保育園内部の情報収集のために転職エージェントを利用しましょう。
転職エージェントを利用すれば求人探し、転職先との連絡、条件交渉などの手間や時間を削減できます。
転職エージェントの選び方がわからない人は、わたしが使っていたマイナビ保育士と保育士バンクを使ってみてください。公開求人数、拠点数、評価は以下の通りです。
サイト名 | 公開求人 | 拠点数※ | 転職フェア | 担当者 | サポート | 口コミ |
---|---|---|---|---|---|---|
マイナビ保育士 | 20,060件 | 12拠点 | ○ | 4.8 | 4.7 | 4.8 |
保育士バンク | 17,677件 | 8拠点 | ◎ | 4.7 | 4.8 | 4.8 |
拠点数はサービス全体、またはグループ全体のものです。
上記は2022年3月時点のサイト内調査による数値、または予測数です。
マイナビ保育士は求人数が多く、保育園情報を網羅していることが特徴です。マイナビグループなので実績も豊富で、履歴書・面接対策、面接同行などサポートも手厚いですね。
保育士バンクは担当者に元保育士が多く相談しやすいことが特徴です。またWEB面接や転職フェアなどサポートの質が高く、非公開求人も多くて使いやすいです。
-
マイナビ保育士[公式]
全国的に求人が多く、とくに関東の転職に必須!保育園情報を網羅していてサポートも◎
» マイナビ保育士の口コミを見る -
保育士バンク[公式]
担当者は元保育士が多く相談しやすい。転職フェアなどサポートも充実。地方求人も◎
» 保育士バンクの口コミを見る
転職活動には基本的に転職エージェントを使いますが、転職サイトにも登録してください。ジョブメドレー保育士は以下の理由で登録しておくと便利です。
- 転職エージェントより求人数が多いため求人比較に便利
- 担当者からの電話連絡がないのでマイペースで活動できる
- スカウトメール機能で保育園からのスカウトが期待できる
それぞれのサービスの特徴は以下でまとめたので、転職を考えている人は参考にしてください。
以前より保育士の待遇は良くなりましたが、まだ待遇が悪いブラック保育園も潜んでいます。せっかく転職したのに満足できない職場だと転職活動が報われません。
そのため、事前の情報収集はとても大切です。頼れるものは頼って、後悔しない転職をしましょう。