保育士の残業は月平均4時間

保育士のお悩み

保育士の平均残業時間が月4時間の理由…サービス残業を減らすには

投稿日:2019年10月23日 更新日:

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まーさ
今月も残業60時間超えそうだなぁ。わたしの残業時間って保育士の平均超えてるのかなぁ。

厚生労働省の発表だと、保育士の平均残業時間は月4時間なんです……。
みやこさん

まーさ
え!嘘でしょ!みんなそんなに残業してないの?こんなに残業多いのわたしだけ?

いいえ、実はこの月4時間という平均残業時間にはからくりがあるんです。
みやこさん

保育士は残業が多いイメージがありますよね。持ち帰り仕事も残業の1つだと考えると、月に何十時間も残業する人がほとんどだと思います。ところが厚生労働省の調査では、保育士の平均残業時間は月たった4時間……。

おかしいですよね?こんなに保育士の残業時間が少ないのは、理由があります。

保育士の月平均残業時間は4時間

保育士の月平均残業時間は4時間

2017年の厚生労働省の調査によると、保育士の平均残業時間(時間外労働時間)は1か月で約4時間です。

賃金構造基本統計調査職種DB第1表用 統計表・グラフ表示 政府統計の総合窓口

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まーさ
嘘だ!ぜったいありえない!

まぁ、保育士はみんなそう思ってますよね。残業が1か月たった4時間なら1日平均10分ちょいです。もしこれがほんとなら、退職の理由で「労働時間が長い」が17%もあるわけがない……。

わたしは出産前までは1日1-2時間ほど残業して、プラスアルファでほぼ毎日仕事を持ち帰ってました。私立の大規模保育園の保育士が、1日8時間の勤務時間で仕事を終わらせることは難しいです。

まーさ
なんで国の発表なのに残業時間が実態と違うの?

はい、そこには残業時間のおかしな算出の仕方と保育業界の悪い慣習が残っているからです。
みやこさん

保育士の平均残業時間が実態と違う理由

保育士の平均残業時間が実態と大きく違う理由

保育士の仕事は子供を保育するだけじゃありません。ざっと例を挙げると以下の通り。ざっくり全体の3割は保育以外の仕事です(人による)。

  • 日案、週案、月案の作成
  • 食育や設定保育の計画書類
  • 子供1人ひとりの個人記録
  • 毎日の連絡帳
  • 園だよりやクラスだよりの作成
  • 子供の制作物の仕上げ
  • 行事の準備や練習
  • その他事務作業

ところが経営者の中には、保育士の仕事は「シフト時間=保育の時間」と考える人がまだまだ多いんです。つまり、シフト時間の中に書き物や雑務をする時間がほとんどありません。

もちろん保育士はそれぞれ工夫していて、昼食を5分で終わらせたり、休憩時間やお昼寝時間の合間で書き仕事などをしますが、とても間に合いません。

そのため、行事の準備で仕事が増える時期は、余計に残業や持ち帰り仕事を増やさないといけません。とても、月平均4時間の残業で収まるはずがないんです。じゃあ、なぜ保育士の残業時間が実態とこんなにも違うのか……。

厚生労働省調べで平均残業時間が月4時間しかないのは、残業代が支払われている分しか残業時間にならないからです!つまり、それ以外はすべてサービス残業なんです。

保育士のサービス残業・持ち帰り仕事が増える理由

保育士のサービス残業・持ち帰り仕事が増える理由

保育士のサービス残業が増える理由、保育業界はサービス残業が当たり前だと考えられてしまう理由は以下の通りです。

  • 1年中何らかの行事の準備があるから
  • とにかく保育士が不足しているから
  • みなし残業で時間の感覚が麻痺するから
  • 持ち帰りは残業じゃない風潮があるから
  • サービス残業が当たり前の環境だから

1年中何らかの行事の準備があるから

保育園にはいろんな行事があります。「入園式」「運動会」「発表会」「卒園式」などは保護者も参加する行事なので準備に時間がかかります。早いときは、3か月前から準備を始めます。

他にも保育園によって「お誕生日会」「こどもの日」「七夕」「ハロウィン」「クリスマス会」「豆まき」「ひな祭り」「遠足」など中小規模の行事があります。資料作成や制作の仕事もあるので、ほぼ1年中行事の準備をしてる感じです。

とにかく保育士が不足しているから

保育業界は保育士不足が続いてます。都内の有効求人倍率は6倍を超えています。保育士の配置基準を超えていても、仕事量に対して十分な人数は揃っていません。

もちろん保育士の数が十分じゃなければ、今いる保育士で何とか保育園を回さなければいけません。

みなし残業で時間の感覚が麻痺するから

月給にあらかじめ一定時間(10-20時間ほど?)の残業代(固定残業手当)を含んだ「みなし残業(固定残業制度)」の保育園も多いですね。みなし残業自体は問題ないんですが、毎日残業をしていると残業が当たり前になってしまいます。

そのため、本来はみなし残業時間を超えた分は残業代を請求しないといけませんが、感覚が麻痺して残業がどうでも良くなっちゃうんです。何となくわかりますよね?

持ち帰りは残業じゃない風潮があるから

持ち帰り仕事は残業です。ただし残業と認められるには業務命令があったり、保育園が認識しなければいけません。以下で説明してますが、保育士が勝手に持ち帰って仕事をしても残業にならないんです。

ただ保育士の持ち帰り仕事が当たり前の保育園だと、見て見ぬ振りされる可能性が高いですね。「仕事を持ち帰るならちゃんと言ってね。」なんて園長から言われないでしょ。

サービス残業が当たり前の環境だから

保育士が足りずギリギリで運営している保育園はたくさんあります。このような人手不足の保育園は、ブラック保育園になる可能性があります。

ブラック保育園は、「子供のために続けよう」「保育は他の仕事と違う」などの精神論が増えます。しかも園長だけじゃなく、ベテラン保育士が「自分の時間使って経験積まないと一人前になれないわよ。」なんて、悪びれずに言います。

そろそろ、サービス残業じゃなく「違法残業」と呼んだ方が良いと思います。

保育士の残業が増えやすい時期はいつごろ?

保育士は残業(持ち帰り仕事含む)が多いですが、1年中みっちり残業してるわけじゃありません。保育士の残業が増えやすい時期を考えてみましょう。

  • 2月下旬から4月中旬ごろの卒園・入園時期
  • 5月下旬から6月の運動会時期
  • 10月下旬から11月の発表会時期

まず「2月下旬から4月中旬ごろの卒園・入園時期」は3月の卒園式、4月の入園式があり、どちらも保育園にとってビッグイベントです。

また2月下旬ごろから4月中旬ごろまでは卒園式・入園式の準備だけでなく、子供の書類を用意したり、その他多くの事務作業があります。もちろん、進級児の書類を作成するのも時間がかかります。

次に「5月下旬から6月の運動会時期」は、運動会のプログラム作成、備品の準備、クラスの出し物やそれに伴う製作物、全体の練習などがたくさんあります。9-10月ごろに運動会を行う保育園もありますね。

保育園によってバラバラですが、「10月下旬から11月の発表会時期」も忙しいです。発表会を売りにした保育園も多いです。もちろん、売りにしてるということは、準備にも時間がかかるということです。

劇やオペレッタの出し物をするクラスは、担任が衣装や小道具を作らないといけません。どこの保育園も、忙しいのはだいたいこの時期だと思います。後は行事の開催月によって変わります。

保育士が自分で残業時間を減らす工夫やポイント

保育士の残業が多い理由と残業が多い時期を踏まえて、保育士の残業や持ち帰り仕事を減らすために以下の工夫をしましょう!

  • 保育園内で仕事を分担する
  • 行事前に準備を進めておく
  • 効率化や再利用を重視する

保育園内で仕事を分担する

保育士1人ひとりがいくつも仕事をかかえてますが、それが片寄ると渋滞が起こって保育園全体の残業が増える原因になります。たとえば行事担当は仕事量が増えるので、仕事を周りの保育士に分担して手伝ってもらうようにお願いしましょう。

とくに新人保育士は慣れてないため、仕事に時間がかかります。「担当が誰」という話じゃなく、先輩保育士が手助けして1人にかかる負担を軽くすれば、保育園自体の仕事がスムーズになります。

行事前に準備を進めておく

保育園の年間行事は、小さなものも含めて先にすべてわかっています。そのため行事の合間の時期に、次の行事の準備を少しずつ進めましょう。これは誰か1人が先行しても意味がなく、保育園全体がまとまらないとできないことです。

効率化や再利用を重視する

行事に必要な制作物は、うまく再利用して仕事の効率化を図りましょう。凝った衣装や小道具は作らず、工作レベルで済ませるなど仕事を効率化すれば残業時間は減らせます。

これまで作ったものをリメイクして再利用しても制作時間を削減できます。そのため、製作物のメモや余分に作った見本を残しておきましょう。また先輩保育士からアイデアをもらったり、保育園全体で製作物のノウハウを共有することも効率化のポイントです。

まーさ
何しても残業が減らない……。残業を減らすには一体何が必要なの?

大切なことはなんとか仕事をこなすことじゃなく、残業を減らす根本的な意識改革です。保育園が意識を変えないと残業は減らないんです。
みやこさん

工夫しても保育士の残業が減らないときはどうする?

工夫しても保育士の残業が減らないときはどうする?

保育業界には、残業を減らすことができない根深い問題がいくつもあります。残業を減らすには保育園が中心となった根本の改革が必要なんでが、それは相当難しい……。

  • ベテラン保育士の考え方を変える
  • 保育園主導で仕事を効率化する
  • 保育園が保育士を守る意識が必要
  • 保育園に働き方の改善交渉をする
  • 残業がない環境に転職する

ベテラン保育士の考え方を変える

保育士の残業を減らすには一人ひとりの意識改革が必要です。とくに「残業をすれば保育スキルが上がる」「子供に時間をかけない保育士は愛がない」というベテラン保育士の偏った考え方を変えないと、保育業界は良くなりません。

ただベテラン保育士の考え方を変えるのは難しいです。これが否定されると自分が今までやってきたことがすべて無駄になるからです。

保育園主導で仕事を効率化する

新しい保育園はICTを導入して書き物を減らすなど、保育園主導で保育士の仕事を効率化しています。また壁面制作が減ったように、大小様々ある行事の見直しや簡略化によって「保育園はこうでなければいけない」という考え方をあらためていますね。

ただ、歴史がある保育園は昔ながらの非効率なやり方をなかなか変えてくれません。

保育園に働き方の改善交渉をする

残業や持ち帰りが当たり前の感覚になって、「まぁ仕方ない。」と受け入れる保育士は多いです。ただ保育士の働き方が改善されない限りずっとこのまま。保育士になる人も増えません。

そのため、サービス残業や持ち帰り仕事が多く、残業代が出ない保育園には改善交渉をしましょう。多数の保育園を運営する企業主導型だと上司が現場の状況を知らないことも多いので、保育士のプロとして交渉すれば改善の見込みがあります。

保育園が保育士を守る意識が必要

保育士の残業を減らすには、保育園に保育士を守る意識が必要不可欠です。園長が「保育士がフルで保育してないのはおかしい。」という考え方だと残業はなくなりません。

もちろん大きな改革をするには保護者にも説明が必要です。普段から、保護者対応もすべて現場任せの保育園だと、保護者説明が必要な改革は怖がってできないでしょう。

あなたが勤めている保育園が、保育士を守れないどころか働き方を悪化させている保育園だとしたら、労働基準監督署への連絡も考えた方が良いですね。詳しくは以下を参考にしてください。

残業がない保育園に転職した方が早い

残業がない保育園に転職した方が早い

残業体質の保育園から残業をなくすのは、99%無理です。だってそれが当たり前ですからね。残業が悪いことだと思っていないので、わかり合うことは不可能です。

なので、あなたも自分の正義を押し通そうとしないで、悪質な保育園からは逃げた方が良いと思います。

保育士はやりがいがある仕事です。子供が成長して卒園する姿を見ると、毎年本当に涙が出ます。この感覚に同意する保育士は多いと思います。ただ、その感覚と残業をごっちゃにしてはいけません。

「子供の成長のために」「子供を喜ばせるために」など子供を盾にすると誰も反論できませんし、「子供のためなら残業するのは当たり前」と保育士も思い込んでしまいます。

でもその考えだと、まったく残業がない保育園は子供のことを考えていない保育園になってしまいます。以下のように残業なし・残業が少ない保育園は割と多いんです。

残業が増えると保育士の仕事が楽しくなくなります。保育士の仕事が楽しめなければ、子供の成長を見守る余裕は持てません。残業が当たり前の保育園は考え方が間違っています。

子供を盾に残業させる保育園が子供の保育を語る資格はありません。もっと良い保育園はいっぱいありますよ。

保育士転職サイトランキング10選も参考にしてください☺️
まーさ

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