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保育士は残業が多いイメージがありますよね。持ち帰り仕事も残業にカウントすると、月に軽く60時間以上残業する人も多いはず。
保育後の事務仕事、書き仕事、行事準備に追われ、帰っても持ち帰り仕事があります。朝は早くて夜も遅い……これだけ残業が重なると、疲れが取れません。
そんな忙しい日が続いていつの間にか1年が過ぎ、もう1度同じ1年の繰り返し……。ところが厚生労働省の調査では、保育士の平均残業時間は月たった4時間なんです。おかしいですよね?

保育士の平均残業時間は月たった4時間なのは、理由があります。今回は保育士の残業を減らす方法、そして転職をしたい人のために、残業なし・残業少なめの保育園の具体的な特徴を解説します。
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保育士歴20年以上。幼稚園、保育園、こども園など転職して、述べ500人以上の園児を保育し、ママ・パパの相談に答えてきました。両親・祖母が教師・保育士なので、保育士は多分天職です。
詳しいプロフィール
保育士の月平均残業時間が4時間の理由
2017年の厚生労働省の調査によると、保育士の平均残業時間(時間外労働時間)は1か月で約4時間です。
賃金構造基本統計調査職種DB第1表用 | 統計表・グラフ表示 | 政府統計の総合窓口

まぁ、保育士はみんなそう思いますよね。残業が1か月4時間だと、1日平均10分ちょいです。もしこれがほんとなら、退職の理由で「労働時間が長い」が17%もあるわけがない……。
わたしは出産前までは1日1-2時間残業して、ほぼ毎日仕事を持ち帰ってました。私立の大規模保育園の保育士が、1日8時間の勤務時間で仕事を終わらせるのは難しいです。


保育士の平均残業時間が実態と違う理由
保育士の仕事は子供の保育だけじゃありません。例を挙げると以下の通り。ざっくり全体の3割は保育以外の仕事です(人による)。
- 日案、週案、月案の作成
- 食育や設定保育の計画書類
- 子供1人ひとりの個人記録
- 毎日の連絡帳
- 園だよりやクラスだよりの作成
- 子供の制作物の仕上げ
- 行事の準備や練習
- その他事務作業
ところが園長など経営者の中には、保育士の仕事は「シフト時間=保育の時間」と考える人もいます。極端な言い方だと、「書き物や雑務はシフト時間以外でやってくれ」ということです。
昼食を5分で終わらせたり、休憩時間やお昼寝時間の合間で書き仕事をするなど、仕事の仕方も工夫しますが間に合いません。行事の準備で仕事が増える時期は、残業や持ち帰り仕事が増えます。
どう考えても、残業時間が月平均4時間のわけがないんです。じゃあ、なぜ実態と違うのか……。
保育士の平均残業時間が月4時間しかないのは、残業代が支払われた分しか残業時間にならないからです!つまり、それ以外はすべてサービス残業になります。
保育士のサービス残業・持ち帰り仕事が増える理由


保育士のサービス残業が、一部で当たり前になっている理由は以下の通りです。
- 1年中何らかの行事の準備があるから
- 保育後の会議や休日研修が多いから
- とにかく保育士が不足しているから
- みなし残業で時間の感覚が麻痺するから
- 持ち帰りは残業じゃない風潮があるから
- サービス残業が当たり前の環境だから
1年中何らかの行事の準備があるから
保育園にはいろんな行事があります。「入園式」「運動会」「発表会」「卒園式」などは保護者も参加する行事なので、準備に時間がかかります。早いときは、3か月前から準備を始めます。
他にも「お誕生日会」「こどもの日」「七夕」「ハロウィン」「クリスマス」「豆まき」「ひな祭り」「遠足」など中小の行事があります。資料作成や制作もあるので、ほぼ1年中行事準備をする感じです。
保育後の会議や休日研修が多いから
子供が帰った後に会議をする保育園は多いです。30分程度ならまだいいんですが、みっちり2時間(意味のない)会議をする園長もいます。
また発達心理学、栄養学、衛生管理学など外部の研修は土曜日に行われることが多く、強制参加させる保育園も多いですね。学ぶのは良いことですが、無償で土曜日なのはきついです。
とにかく保育士が不足しているから
保育業界は保育士不足が続いてます。都内の有効求人倍率は6倍を超えています。保育士の配置基準を守っても、仕事量に対して十分な人数は揃っていません。
保育士の数が十分じゃなければ、今いる保育士で何とか保育園を回さないといけません。
みなし残業で時間の感覚が麻痺するから
月給に一定時間(10-20時間ほど)の残業代を含んだ「みなし残業(固定残業制度)」の保育園も多いですね。みなし残業自体は問題ないですが、毎日残業すると残業が当たり前になってしまいます。
本来はみなし残業を超えた分は残業代を請求しますが、感覚が麻痺して残業がどうでも良くなるんです。
持ち帰りは残業じゃない風潮があるから
持ち帰り仕事は残業です。ただし残業が認められるには業務命令があったり、保育園の認識が必要です。以下で説明してますが、保育士が勝手に持ち帰り仕事をしても残業にならないんです。
サービス残業が当たり前の環境だから
保育士不足の保育園はたくさんあります。このような人手不足の保育園は、サービス残業が文化になったブラック保育園です。
ブラック保育園は、「子供のため」「保育は他の仕事と違う」など精神論が多いです。しかも園長やベテラン保育士が、「時間使って経験積まないと一人前になれないわよ。」と悪びれずに言います。
そろそろサービス残業じゃなく「違法残業」と呼んだ方が良いと思います。

保育士が残業時間を減らす工夫や改善ポイント

- 保育士が相互協力して仕事を分担する
- 行事前・合間に準備を進めておく
- 制作は効率化や再利用を重視する
- ベテラン保育士の考え方を変える
- 保育園主導で仕事を効率化する
- 保育園に働き方の改善交渉をする
- 保育園が保育士を守る意識が必要
保育士が相互協力して仕事を分担する
1人の保育士が仕事をかかえると、渋滞して保育園全体の残業が増える原因になります。たとえば行事担当は仕事量が多いので、周りの保育士に分担して手伝いをお願いしましょう。
とくに新人保育士は慣れてないので、仕事に時間がかかります。「担当が誰」という話じゃなく、先輩保育士が手助けして1人の負担を軽くすれば、保育園全体の仕事がスムーズになります。
行事前・合間に準備を進めておく
保育園の年間行事はすべて先にわかっています。そのため行事の合間の時期に、次の行事の準備を進めましょう。これは誰か1人が先行しても意味がなく、保育園全体がまとまらないとできません。
制作は効率化や再利用を重視する
行事に必要な制作物は、再利用して仕事の効率化を図りましょう。凝った衣装や小道具は作らず、工作レベルで済ませるなど仕事を効率化すれば残業時間は減らせます。
過去製作物を再利用しても時間を減らせるので、製作物のメモや余分に作った見本を残しましょう。また先輩からアイデアをもらったり、保育園全体で製作ノウハウを共有することも効率化のポイントです。
ベテラン保育士の考え方を変える
保育士の残業を減らすには意識改革が必要です。とくに「残業すれば保育スキルが上がる」「子供に時間をかけない保育士は愛がない」という偏った考え方を変えないと、保育業界は良くなりません。
ただベテラン保育士の考え方を変えるのは難しいです。これが否定されると自分がやってきたことがすべて無駄に感じるからです。
保育園主導で仕事を効率化する
新しい保育園はICTを導入して書き物を減らすなど、園主導で仕事を効率化しています。
壁面制作が減ったように、行事の見直しや簡略化で過去の保育園の常識をあらためてますね。ただ、昔ながらの非効率なやり方を変えられない保育園は多いです。
保育園に働き方の改善交渉をする
残業や持ち帰りが当たり前の感覚になって、「仕方ない」と受け入れる保育士は多いです。ただその考え方だと残業はなくならないですし、保育士になる人も増えません。
そのためサービス残業や持ち帰り仕事が多く、残業代が出ない保育園には改善交渉をしましょう。企業主導型だと上司が現場を知らないことも多いので、プロとして交渉すれば改善見込みがあります。
保育園が保育士を守る意識が必要
保育士の残業を減らすには、保育園に保育士を守る意識が必要です。「保育士がフルで保育してないのはおかしい。」という考え方の園長だと、残業はなくなりません。
もちろん大きな改革は、保護者にも説明が必要です。普段から保護者対応もすべて現場任せの保育園だと、保護者説明が必要な改革は怖くてできません。
あなたが働く保育園が保育士を守れないどころか働き方を悪化させる保育園なら、労働基準監督署への報告も考えた方が良いですね。詳しくは以下を参考にしてください。


残業なし・残業少なめの保育園には特徴がある


残業なし・残業少なめの保育園は、保育士転職サイトを使えば検索できます。こちらは後で紹介します。まずは、残業なし・残業少なめの保育園の特徴を知っておきましょう。
- 行事の少ない保育園
- 保育士の人数が多い保育園
- 開園時間が短い保育園
行事の少ない保育園
残業が増える原因の1つは行事の準備です。行事が少ないと準備時間もいらないので残業も減ります。ホームページに年間行事を掲載している保育園もあるので確認してください。
一般的に小規模保育園、院内保育所、企業内保育所は行事が少ないので、転職候補に含めましょう。
わたしが勤めている保育園は大規模なので、行事も気合が入ってますね。行事好きな人はいいんですが、それだけ保育士に負担もかかります。
保育士の人数が多い保育園
保育士の人数が多いと仕事を分担・相談できて、1人当たりの仕事が減ります。またその日に登園する子供の数が少なければ、必要な保育士以外は書類作成や行事の準備ができて残業が減ります。
求人票などで保育士の人数と園児の受け入れ人数を確認して、配置基準を十分に上回っている保育園を探しましょう。正しい配置基準の考え方は以下を参考にしてください。
開園時間が短い保育園
保育士の勤務は基本的にシフト制で早番や遅番がありますが、開園時間が短いと、早番なら子供を登園する前の時間、遅番なら子供が降園した後にも時間を作れます。
保育園によっては、7:30-18:00など開園時間が比較的短い園もあります。たった30分でも、集中して仕事すれば作業がはかどります。

残業なし・残業少なめの保育園の探し方

まず、残業少なめの保育士求人を保育士転職サイトで探します。検索項目はサービス毎に違うので、複数登録した方が便利です。検索のポイントは3つです。
- 残業なし・残業少なめの求人を検索する
- 小規模保育園、院内保育所、企業内保育所の求人を検索する
- 派遣保育士で働ける求人を検索する
残業なし・残業少なめの求人を検索する
残業少なめ・残業なしという条件で検索したところ、ジョブメドレーは6898件の求人、保育士バンクは5280件の求人が見つかりました(2020年3月)。
どちらも全国の求人数ですが、かなりの数なので一度求人を確認してください。
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小規模保育園、院内保育所、企業内保育所の求人を検索する
院内保育所、企業内保育所は時間がきっちり決まっていて行事も少ないので、残業や持ち帰りが少ない可能性が高いです。また小規模保育園は0-2歳児保育なので行事が少ないですね。
小規模保育園、院内保育所、企業内保育所の求人は関東に多いので、関東に強く実績が豊富なマイナビ保育士で調べてください。他の地域も調べたい場合は保育のお仕事が最適です(2020年3月)。
- 小規模保育園を検索|マイナビ保育士:3444件、保育のお仕事:1703件
- 企業内保育所を検索|マイナビ保育士:685件、保育士バンク:298件
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会社名 | 転職サイト名 | 求人地域 | 派遣・紹介予定派遣 |
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残業なし・残業少なめの保育園に転職した方が早い

1日2時間以上サービス残業をすると月42時間、年504時間も時間を使います。この時間で何ができるか考えてください。資格を取ろうと思ったら、1年ですごい資格が取れます。
- 中小企業診断士:合格までに800時間必要
- 行政書士:合格までに600時間必要
- マンション管理士:合格までに500時間必要
- 宅地建物取引主任者:合格までに400時間必要
- 日商簿記2級:合格までに250時間必要
残業体質の保育園から残業をなくすのは、99%不可能です。だってそれが当たり前ですからね。残業が悪いことだと思ってないので、わかり合えません。
ブラック保育園からは逃げた方が早いです。保育士需要は高くなり、保育士の待遇は変わり始めています。1年後も同じ保育園で、「忙しい……残業辛い……。」って言い続けるのは嫌ですよね。
「転職活動する時間がない!」という人は、保育士転職サイトに転職活動する時間がないことを伝えて、条件に合う最適な求人を探してもらいましょう。
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おすすめの理由は以下でまとめているので、参考にしてください。
初めて転職活動をする人、保育士転職サイトの登録が初めてで不安な人は以下を参考にしてください。保育士転職サイトの登録から内定をもらうまでの使い方を徹底解説しています。
人生で1番大切なものは時間です。失った時間は取り戻せません。人生をより有意義にするために、できるだけ早くサービス残業が多い保育園から抜け出すことをおすすめします。