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本ページにはプロモーションが含まれます。ブラック企業、ブラック保育園など「ブラック○○」という言い方があります。ブラックの定義は人によって違いますが、厚生労働省のブラック企業の定義は以下の通りです。
- 労働者に対し極端な長時間労働やノルマを課す
- 賃金不払残業やパワーハラスメントが横行するなど企業全体のコンプライアンス意識が低い
- このような状況下で労働者に対し過度の選別を行う
厚生労働省のブラック企業の定義をもとに、ブラック企業をざっくりまとめると以下の感じ。
- 過酷なノルマがある
- 長時間労働、サービス残業が当たり前
- 上司や会社単位でパワハラ気質
ブラック保育園も概ね同じです。もしあなたが転職するなら、ブラック保育園を避けるためにブラック保育園・質が悪い保育園の特徴や見分け方を知りたいですよね。
ブラック保育園になる保育園の要素はいくつかありますが、まずは「慢性的な人手不足の保育園」を避けましょう。それだけでブラック保育園に転職する確率が低くなります。
という人のために慢性的な人手不足がブラック保育園につながる理由を解説します。
また慢性的な人手不足・保育士不足が引き起こす悪い特徴、ブラック保育園を見分ける具体的な方法についてもお話しますね。
保育士、幼稚園教諭、保育教諭歴20年以上。幼稚園、保育園、認定こども園など転職して述べ500人以上の園児を保育し、保護者の相談に答えてきました。両親・祖母が教師・保育士なので、保育士は多分天職です。
詳しいプロフィール
ブラック保育園のリアルな口コミ
正直内容がブラックすぎて、引く口コミがいっぱいあります。こんなダメダメな保育園は訴えられたら即業務停止だと思いますけどね。
施設長にタイムカードをおいてくださいと頼んだら、「証拠が残ってしまうからダメだよー」と軽く返された。事務長に至っては「嘘の残業されたら困るから。」とピシャリ。保育園という職場はこのレベル。新卒の子には是非ちゃんとした法人の保育園で健全に保育士をしてほしい。#ブラック保育園
— ぐんて (@H8gXhyzIohoWj5F) January 22, 2018
タイムカードをおいたら証拠が残るって……余計な残業をしないように管理することが大事なのに、発想が逆過ぎて笑えるレベルです。自分の身に降り掛かったら笑えませんが。
退職前にして有給が10日以上余った。予定があるので行事のない年度末に使わせて欲しいと申請したら、退職者は年度末の有給消化は禁止と言われました?どうあっても違法です。#ブラック保育園 #保育士辞めたい
— ぐんて (@H8gXhyzIohoWj5F) February 8, 2018
「有給消化禁止」が本当なら明らかな違法です。ブラック過ぎます。このレベルの園長(施設長)が、「ほんとに保育園を運営できてるの?」と疑いたくなる発言ですね。
#ブラック保育園 職員室開けたら、椅子に足組んで座ってる園長の前に、土下座させられてる男性保育士😱園長に怒鳴り散らされてた。保護者に聞こえないように職員室の窓閉めて土下座させて怒鳴るって…。
某市の保育士会会長の園だよ— まゅ (@mayu3da) March 1, 2019
この園長も最悪ですね……。保育園は地元の名士やその親族が運営することも珍しくないです。とくに何代か続く世襲制の保育園の中には、園長がやたら偉そうな保育園もあります。
保育園によっては14連勤などがある様子。役所からの監査はどのように切り抜けているのだろう?出勤簿を役職者が不正に修正してしまっているのか。#保育園 #保育監査 #ブラック保育園
— くろごめ (@tuiterutuiteruh) December 4, 2019
ブラック保育園は、開き直って堂々と違法なことをするようです。基本的には週1日は休みが必要ですし、変則シフトでも1週間の労働時間は40時間までと労働基準法で決められています。
個人的には「Twitterは匿名なんだから、どんどん口コミで保育園の実名出せばいいのに。」と思っています(園長の名前はさすがにまずい)。
ブラック保育園を放置するのは、保育士の働きやすさ・待遇改善に悪い影響があるだけじゃなく、子供の保育にも良くありません。
ブラック保育園1番の特徴は慢性的な人手不足!
ブラック保育園の1番の特徴は慢性的に人が足りないことです。
一時的な人手不足ならどの保育園にもあります。人手不足になったら主任や園長が現場に出てがんばったり、保育士同士が協力して仕事をする間に求人募集をかけて対応しますね。
ところが慢性的な人手不足の保育園は、まともな求人を出しません。また求人を出しても保育士が来ません。人手不足を半ば放置することで、以下の劣悪な状態がずっと続きます。
- 労働時間が異常に長い
- 常に持ち帰り仕事が多い
- 休日出勤がある
- 有給消化ができない
- 雰囲気的に辞められない
- 保育士同士がギスギスしている
- 先輩保育士がとにかく怖い
- 残業代がほとんど出ない
誰が見てもおかしい保育園の環境に対して、「これが保育士の仕事だ」と言うベテラン保育士もいます。
でも、これってただの労働基準法違反ですからね。違法の自覚がないのは最悪ですよね。
ブラック保育園が保育士を採用できない理由
ブラック保育園が保育士を採用できない理由は以下の通りです。
- 保育士の給料が安い・待遇が悪い
- 配置基準ギリギリで良いと思っている
- 保育士を採用してもすぐ辞める
- 保育園の悪い噂が広まっている
保育士の給料が安い・待遇が悪い
求人を出しても給料が安い、休みが少ないなど保育士の待遇が悪い保育園では働きたくないですね。
そんな保育園には、「求人を出すお金がない」「人件費を削って儲けを出したい」など良い待遇で求人を出さない理由があります。
ただ今は保育士需要が高いので、待遇が悪い求人に人は集まりません。園長なら以前よりも保育士の待遇が改善していることを知っておくべきです。
たとえば、保育士の平均年収は平成25年から令和2年までで64万円上がっています。
つまり平成25年に年収300万円で求人を出していた保育園は、令和2年は年収364万円で求人を出さないと人が採れないということです。詳しくは以下を参考にしてください。
配置基準ギリギリで良いと思っている
保育士の配置基準がギリギリで良いと思っている保育園は求人を出しません。保育士に発破をかけてがんばってくれるうちは何もしようとしません。
配置基準は最低限安全かつ円滑に保育を行うための基準に過ぎません。ただ昨今は保育が多様化しているため、それでも人は足りません。そのため、本来は配置基準の1.5倍は人が必要なんです……。
保育士を採用してもすぐ辞める
保育士を採用できても、働く環境が劣悪なせいで人がどんどん辞めてしまうパターンも多いです。とくに、求人票の条件と実際の待遇が違うと人は定着しません(もちろん違法)。
「聞いてた条件と違う!」は保育園側が嘘をついたり、微妙にごまかしている場合もあれば、双方の勘違いで起こる場合もあります。詳しくは以下を参考にしてください。
保育園の悪い評判が広まっている
保育園は保護者にも見られてます。「○○保育園ヤバいらしいよ。」「子供入れない方がいいわよ。」「園長のパワハラで保育士が辞めちゃうんだって。」こんな噂を聞いて、働きたい保育士はいません。
ブラック保育園で保育士が採用できないのは、主に悪い噂が理由だと思います。求人情報をずっと掲載していても保育士が来ないのは、保育関係者や保護者からの評判が悪いからです。
保育園や幼稚園の口コミは以下の口コミサイトを参考にしてください。ネットなので根も葉もない噂・評判もありますが、信憑性が高いクチコミもたくさん投稿されています。
質の悪いブラック保育園の見分け方は?
ブラック保育園のわかりやすい特徴の1つは慢性的な人手不足ですが、他にもブラック保育園になりそうな危険な保育園の特徴はたくさんあるので紹介します。
もちろん、「この特徴があるからブラック保育園だ!」と断言はできないのでご注意を。
- 保育中に孤立する子供が何人かいる
- トイレが汚い・備品が不足している
- 給食やおやつの食材コストを削っている
- おもちゃや絵本が不足・放置されている
- 保育時間後に毎日会議や残業がある
- 20代の保育士が1人もいない
- 園長派・主任派などの派閥がある
- 園長の極端な縁故採用がある
- 園長が現場にノータッチor出っぱなし
- 園長の見た目がやたらバブリー
保育中に孤立する子供が何人かいる
保育士の目が子供に行き届いてれば、孤立する子を作らないよう声掛けします。孤立する子が何人もいる保育園は保育士の質が悪かったり、人手が足りなくて子供に注意が払えてない可能性があります。
トイレが汚い・備品が不足している
手洗い場の石鹸や洗剤、スポンジなどが補充されてない、掃除用具が手入れされてない、職員室・職員用トイレが汚れてる保育園は事務員さんがいなかったり、保育士の手が回っていない可能性があります。
給食やおやつの食材コストを削っている
子供にとって十分な量と栄養バランスが良い食事は成長の大切な要素ですが、経費削減のために食材コストを削って、給食費やおやつ費を抑える保育園もあります。
おもちゃや絵本が不足・放置されている
園児数とおもちゃや絵本の数を数えましょう。もし子供が10人同時に遊ぶ場合は、最低でも10個以上+予備のおもちゃが必要です。おもちゃや絵本などにかけるお金が足りない保育園は怖いですね。
子供に片付けを教えるのも保育士の仕事です(もちろんできない子もいる)が、片付けができない保育士は意識が低く、保育園がそれを教育できていない証拠です。
保育時間後に毎日会議や残業がある
保育時間後に毎日会議をしたり、1回の会議が長い保育園は、保育時間が確保できれば良いという考えで運営されています。
また、閉園後に2時間以上灯りがついている保育園は確実にサービス残業をしています。書き物や片付け、翌日の準備、たまに談笑などで1時間位居てもおかしくないですが、2時間は明らかにおかしいです。
20代の保育士が1人もいない
小規模保育園は保育士が少ないので、オープニングスタッフが30-40代中心ということはあります。ただ開園後も20代の保育士がまったくいない状況は普通はありえません。
保育士の平均年齢は35歳なので、そこそこの規模で20代の保育士がまったくいない保育園には、保育士が定着しない原因があります。
園長派・主任派などの派閥がある
派閥がある保育園は、人間関係がギスギスしていて保育士が定着しません。本来は、園長一人が嫌われ役を買って、保育士の団結が深まるくらいがちょうど良いのだと思います。
園長の極端な縁故採用がある
保育園は閉じた世界なので、園長の縁故採用はよくあることです。ただ役職すべてが家族や親戚で固められた家族経営の保育園は、役職と保育士の関係が良くない場合もあります。
園長が現場にノータッチor出っぱなし
オーナーで現場にノータッチな兼任園長ほど、現実的じゃない保育方針が大好きです。「お子様の才能を引き出します」など煽りが強い保育園は、その分保育士にしわ寄せが来るので要注意です。
園長が保育現場にノータッチはダメですが、逆に現場に出っぱなしの保育園は人がいないということ。現場好きな園長もいるので、副園長や主任が園長の仕事を代行していれば問題ないと思いますが……。
園長の見た目がやたらバブリー
新しい高級車に乗っている、バブル時代の不動産屋のようなスーツを着ている、ゴールドが入ったロレックスをしてるなど園長の見た目がバブリーな保育園は注意しましょう。
保育園は7-8割が人件費のはずです。収入は園児1人あたりの補助金額が決まっていて、それに合わせた保育士基準もあります。そのため、基本的には人件費を削らないと儲からないんです。
すべて当てはまる保育園はないと思いますが、1つ、2つなら多くの保育園が該当するはずです。これらが積み重なって、どんどんブラック保育園になります。
ブラック保育園を見分ける内部情報を集めよう
実際に園内を見る機会は園見学や面接くらいです。そのため、ブラック保育園を見分けるには保育園の内部情報を集めることが大切です。
とくに園見学は重要です。ブラック保育園を避けるには園見学で保育園の実態を把握する必要があります。詳しくは以下を参考にしてください。
保育園の内部情報を個人で調べるのは難しいので、代わりに転職エージェントに調べてもらいましょう。
ブラック保育園を見分けるには情報収集が大切、情報収集は転職エージェントに頼ることが大切、そのため頼りになる転職エージェントを選ぶ必要があります。
転職エージェントの選び方がわからない人は、わたしが使っていたマイナビ保育士と保育士バンクを使ってみてください。公開求人数、拠点数、評価は以下の通りです。
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- 担当者からの電話連絡がないのでマイペースで活動できる
- スカウトメール機能で保育園からのスカウトが期待できる
それぞれのサービスの特徴は以下でまとめたので、転職を考えている人は参考にしてください。
実際「これはやばい!」というブラック保育園は少ないですが、転職するなら絶対避けたいですね。
もし現在進行系で劣悪なブラック保育園で働いている保育士がいるなら、冷静に周りを見渡してください。もっと良い待遇・環境の保育園はたくさんありますよ。