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保育士は体力を使うハードな仕事です。そのため、妊娠してまず注意するのは園児との接し方です。
もちろん、あなたが気をつけていても子供は妊娠を理解できません。いきなり「先生のお腹の中に赤ちゃんいるんだ♪」と報告するわけにもいきません。
そのため、保育士として働きながら自分の身を守るために、妊娠報告の時期とタイミングを守って「園長→同僚→保護者と子供」という順番で妊娠報告することが大切です。
- 園長に妊娠報告するタイミングはいつごろ?早めがいい?
- 保護者や子供たちに妊娠はどうやって伝えればいいの?
- 妊娠報告の前に保育士続けるか辞めるか決めた方がいい?

保育士の妊娠についてこのように疑問を持っている人は、この記事を参考にして妊娠報告するタイミングの参考にしてください。

保育士、幼稚園教諭、保育教諭歴20年以上。幼稚園、保育園、認定こども園など転職して述べ500人以上の園児を保育し、保護者の相談に答えてきました。両親・祖母が教師・保育士なので、保育士は多分天職です。
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妊娠初期の保育士の仕事について
妊娠報告の順番と時期を理解するうえで、妊娠初期の状態を認識することはとても大切です。


保育士が妊娠後に注意するのは園児との接し方です。とくに妊娠初期(妊娠12週未満)は初期流産の確率が高く、心配になる人も多いと思います。
妊娠初期|妊娠2-4か月(妊娠4週0日-妊娠15週6日)
妊娠中期|妊娠5-7か月(妊娠16週0日-妊娠27週6日)
妊娠後期|妊娠8-10か月(妊娠28週0日-妊娠39週6日)
ただし初期流産理由の大半は染色体異常です。普通の生活や仕事が原因で、流産をすることはそれほど多くありません。
もちろん妊娠初期に無理をするのはダメですし、いつものように子供のタックルを受けすぎるのは避けた方が良いですが、気にしすぎてストレスになるのも良くないです。
まず目安は妊娠12週を超えること、次は妊娠16週を超えることが大切だと意識すればOKです。保育園には、この妊娠時期を目安に妊娠報告のタイミングを考えます。
保育士の妊娠報告の順番とタイミングについて

では妊娠週数を踏まえて、「園長→同僚→保護者と子供」という順番で妊娠報告をしていきましょう。
- 園長には妊娠初期に早めに報告
- 同僚保育士には安定期すぐに報告
- 保護者や子供への報告は保育園次第
園長には妊娠初期に早めに報告
妊娠が発覚したら、園長と主任には早めに報告してください。妊娠初期は体調不良やつわりが重いこともあります。園長に報告すれば休みやすいですし、乳児クラスのサブに回してもらいやすいです。
幼児は予測できない動きをしますが、乳児クラスのサブだと突発的なことは起こりにくくなります。
妊娠初期はまだ妊娠が継続できるかわからない状態です。そのため言いづらい気持ちもわかりますが、園長には仕事の頻度や強度を考慮してもらうために以下のような報告が必要です。

もしあなたが担任ならいきなり外れることはできませんが、フリー保育士を多めにサブにつけるなどの対策をしてくれるはずです。また忙しくない時期であれば、何日か有給消化するなども考えられます。

同僚保育士には安定期すぐに報告
同僚の保育士には、妊娠16週以降の安定期に入ったら(医師に安定期に入ったと言われたら)噂が広がる前に早めに妊娠報告をしましょう。
妊娠報告前に体調不良で休んだ場合は、仕事を休んだこと、安定期まで妊娠報告できなかったこと、これから迷惑をかける可能性があることを合わせて謝ってきましょう。
もちろん、仲の良い同僚や頼れる先輩保育士には、妊娠12週以降に内々で話しておくのもアリだと思います。正解はないので、保育園の雰囲気など人それぞれですね。

保護者や子供への報告は保育園次第
保護者や子供に妊娠を伝えるタイミングは、保育園の方針で変わります。
保護者に伝える場所は、保護者会か園だよりだと思います。わたしがいた保育園や幼稚園では、園だよりで退職や産休も合わせた妊娠報告が多かったです。つまり、産後の身の振り方が決まった後です。
ただ妊娠中期からお腹が大きくなるので、感の良い保護者には割と早く「妊娠してない?」なんて聞かれます。嘘はつけないので、「えー……ご内密に。」とごまかしますが確実に広まります……。
また妊娠が広まった後に保護者から「先生、おめでとー。」と突然言われたりしますが、「ありがとうございます。ご迷惑をおかけします。」と多少申し訳無さそうにしてください。
保護者の中には妊活中の人もいるはずなので、嬉しさは全面に出さない方が無難です。同僚に対しても表向きは同じ対応ですね。


保育士は安定期に入ったら産後の仕事を考える

妊娠が広まったら、保護者は妊娠した保育士が辞めるかどうかが気になります。そのため産休・育休をとって保育士を続けるか、退職するかは妊娠中期までには考えておきましょう。

妊娠発覚が妊娠4-5週、妊娠確定が妊娠7-8週だとすると、妊娠中期までは2ヶ月もありません。ただ迷っていても赤ちゃんはどんどん成長するので、しっかり考えて決めるしかありません。
妊娠した保育士は、妊娠後の進退についてたとえば以下のように考えます。
- 産休・育休をとって保育士を続ける場合
- 出産前に保育園を退職する場合
- 育休後に保育園を退職する場合
産休・育休をとって保育士を続ける場合
産休・育休をとって保育士を続けるなら、産休は出産6週間前から出産後8週間まで、育休は産休の翌日から子供が1歳になる前日まで取得できます。
産休・育休中は給与の5-6割は手当がもらえますし、社会保険料も払わなくて良いので生活にそれほど支障は出ないはずです。産休と育休はいろんな制度も絡むので、早めに内容を押さえてください。
園長から「早く復帰してね。」と言われるかもしれません。もちろん保育園事情もわかりますが育休は女性の権利であり、保育士にとって育児は勉強でもあるので、なるべくフルで育休を取りましょう。
出産前に保育園を退職する場合
出産前に保育園を退職するなら、いつ辞めるか早めに決めましょう。
ただし退職には準備が必要です。退職の流れを把握しないとスムーズに退職できません。大切なことは無事に出産することなので、以下を参考にして早めに退職の流れを押さえてください。
保育園が嫌で辞めるのでなければ、3か月ほど余裕を持って退職準備をしたいところですね。
ちなみにわたしは2人出産して、どちらも保育園を辞めました。時期は1人目のときが年度末退職、2人目が11月末退職でした。保育園としても都合が良いタイミングだったと思います。
保育園を辞めるタイミング、辞める報告のタイミングについては以下を参考にしてください。
育休後に保育園を退職する場合
注意は必要ですが、育休後に保育園を退職する方法もあります。育休は基本的に復帰前提で取得しますが、育休後の退職は可能です。つまり産休と育休を取り、手当ももらって辞める方法です。


ただ以下の理由があれば、育休直後の退職もありえることです。
- 復帰してみたけど育児が忙しく、仕事ができない
- 復帰した保育園の雰囲気が悪く、働きづらい
- 出産後に体調を崩して、復帰できる状態じゃない
- 保育園の空きがなく、育児する人がいない←※保育士は優先
以下は保育士が育休中・育休明けに転職する方法とそのメリットデメリットです。退職する場合も流れは同じなので、あくまでも1つの方法論として参考にしてください。
産後に保育士を続けた方がいい?

妊娠すると気分の上下はありますが、「赤ちゃんのためにがんばろう!」と意欲が湧く人は多いと思います。ただやる気があっても、育児生活は思い通りにはいきません。
出産で体調を崩したり、育児ストレスで精神的に不安定になる人もいます。復帰したら保育園の雰囲気が変わって働きづらくなる人もいます。育児と保育士の両立が思ったより大変に感じる人もいます。
そんなときに新しく身の振り方を考えるのは大変です。そのため出産後に保育士を続けると決めた人でも、保険のために保育士専門の転職エージェントに登録することをおすすめします。
以下でわたしが使っていた転職エージェントの特徴をまとめたので参考にしてください。
妊娠は人生のターニングポイントです。ただゴールではないので、仕事にしろ育児にしろ先を見据えることが大切です。考えることが増えるのは大変ですが、赤ちゃんのためにも良い選択をしたいですね。
