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本ページにはプロモーションが含まれます。育休は職場復帰前提で取得するもの。ただ育休中に退職する必要があったり、急に転職したくなったり……という保育士も一定数います。
保育士に限らず育休中に転職や転職活動をすることは可能です。モラルには反しますが、法律違反ではありません。以下の理由が前提なら、育休後に復帰しなくても問題ありません。
- 保育園に復帰したけど育児が忙しく仕事ができない
- 復帰した保育園の雰囲気が悪くて働きづらい
- 出産後に体調を崩して保育園に復帰できない
これらの"育休明けに復帰できない仕方がない理由"は主観なので、自分で判断してください。
育休中の転職や転職活動には注意点があるので、「育休中に転職すれば時間もあるし、育児休業給付金ももらえるし、一石二鳥じゃん!」と軽くは考えないでください。
育休中に転職や転職活動をしたい人は、この記事でメリット・デメリットを押さえて行動しましょう。
保育士、幼稚園教諭、保育教諭歴20年以上。幼稚園、保育園、認定こども園など転職して述べ500人以上の園児を保育し、保護者の相談に答えてきました。両親・祖母が教師・保育士なので、保育士は多分天職です。
詳しいプロフィール
保育士が育休中の転職、育休明けの退職を考える理由
多くの人がこんな風に考えると思いますが、いざ育児を始めたり、保育園を休んでみると以下のようにいろいろわかることがあるんですよねぇ……。
- 今の保育園だと育児と保育士の両立が難しいと感じたから
- 保育園の雰囲気が悪く働きづらいと感じたから
- 家庭環境が変わって計画が崩れたから
今の保育園だと育児と保育士の両立が難しいと感じたから
子育ては経験しないと大変さがわかりません。授乳は2-3時間おき、産後2-3か月から赤ちゃんの夜泣きが始まると、半年以上まともに眠れない人もいます。
育児と保育士の両立が難しいと感じると、「もっと時間の融通が利く仕事をしたい」と転職を考える人が出てきます。
ただし、保育士は仕事と育児(家庭)の両立がしやすい仕事です。同じように正社員で働く場合、他の仕事は保育士よりも融通が効きにくいことを知っておきましょう。
保育園の雰囲気が悪く働きづらいと感じたから
今の保育園が人手不足でサービス残業続き、園長は保育士の補充もせず見て見ぬふり。育休も嫌味を言われながら無理やり取ったなんて人は、もう保育園に戻りたくないでしょう。
こんな労働基準法違反・モラル違反の保育園に戻るくらいなら、転職を考えても仕方がないと思います。
家庭環境が変わって計画が崩れたから
保育園復帰後に子供をお願いする予定だった親の都合が悪くなった、夫の仕事の関係で引っ越しすることになったなど家庭環境が変わると復帰計画も崩れます。
そうなると、今までの保育園で保育士として同じように働くことができなくなるかもしれません。
保育士が育休中の転職、育休明けの退職をするデメリット
保育士の育休中の転職、育休明けの退職にはいくつかのデメリットがあります。育休中の転職、育休明けの退職は別物ですが、合わせて見ていきます。
- 印象が悪いため同僚や保育園から嫌われる
- 育児休業給付金は退職日の前月分まで
- 保育士を辞めると子供の入園が難しくなる
- 面接官に悪い印象を与えることもある
- いつ体調を崩してしまうかわからない
印象が悪いため同僚や保育園から嫌われる
育休は職場復帰前提で取得するものです。保育園や同僚の先生も育休中のフォローをしてくれています。そのため、育休中・育休明けに保育園を辞めると印象は悪いです。
保育園からはどう思われても良いという人も、仲が良い同僚、協力してくれた先生を裏切るのは心が痛いですね。そのため、同僚には先に話した方が良いです。それでも嫌われる可能性はありますが……。
育児休業給付金は退職日の前月分まで
育休中にもらえる育児休業給付金は、退職した日の前月分までしかもらえません。そのため、焦って早めに退職届を出すと損するので気をつけましょう。
すでに受給した育児休業給付金を返す必要はないので安心してください。
保育士を辞めると子供の入園が難しくなる
保育士は優先的に子供を保育園に入園させられますが、保育士を辞めるとアドバンテージがなくなります。また自治体によっては、安定収入がないと点数がプラスされないこともあります。
さらに保育園の入所申請中は、復職しない(前保育園を辞める)と再申請になります。育休後は、職場復帰が子供の在園条件になる自治体もあるので注意が必要です。
面接官に悪い印象を与えることもある
育休中に転職の面接を受ける人は、面接官に嘘をつかずに現状を説明しないといけません。それなりの理由があれば納得してくれますが、以下の理由が明確に示せないと印象は悪くなります。
- 今の保育園だと育児と保育士の両立が難しいと感じたから
- 保育園の雰囲気が悪く働きづらいと感じたから
- 家庭環境が変わって計画が崩れたから
いつ体調を崩してしまうかわからない
もし子供が1歳になるまで育休を取ったとしても、「1年も時間がある!余裕じゃん!」とは考えないでください。子育てはほんとに大変です。
寝不足になりますし、ストレスは溜まりますし、妊娠中の腰痛や肩こりなどのツケも残ってます。赤ちゃんにもつきっきりなので、余裕を持って転職活動ができると思わない方が良いです。
育休中に転職・転職活動をするためのポイント
- まずは複数の転職エージェントに登録する
- 子供を預けられる手段をいくつか持つ
- 子供の入園申請は早めにしておく
- 退職届を出すのは転職先が決まってから
まずは複数の転職エージェントに登録する
育休中の転職を決めた人も、迷ってる人も、とりあえず求人情報は集めましょう。たくさんの求人情報を集めるために、複数の転職エージェントに登録してください。
ただ、育児と同時なのでマイペースで転職活動したい人も多いですね。そこで初めに登録するのは転職エージェントではなく、転職サイトのジョブメドレーでも良いと思います。
子供を預けられる手段をいくつか持つ
子供を連れて転職活動はできません。そのため、子供を預けられる手段をいくつか持っておきましょう。
まず旦那さんや両親など家族に協力をお願いしてください。それから病児保育、ファミサポ、一時保育、子供ショートステイ、トワイライトステイの利用方法も押さえておきましょう。
子供の入園申請は早めにしておく
育休明けに働く意思があるなら、子供の保活は早めに始めてください。ただし、職場復帰が子供の在園条件の自治体も多いです。
転職して保育士の仕事を再開すれば優先的に子供を預かってもらえますが、そのあたりの調整は自治体に確認が必要です。自治体の窓口に以下の質問をして、確認してください。
復職後に転職する場合に注意することはありますか?
退職届を出すのは転職先が決まってから
退職届を保育園に出すのは、転職先が決まってからにしてください。早まって退職届を出すと、育児休業給付金が受け取れなくなります。
また万が一転職活動がうまくいかず元の保育園に戻りたくなっても、退職届を出すと戻れません。転職先との兼ね合いがあるなら、せめて面接で良い感触があってからでも遅くないです。
無理なく転職するなら育休明けがおすすめ
育休中の転職にデメリットが大きいと感じたら、育休中は転職活動の準備だけして、育休明けに本格的に転職をする方法もあります。わたしのおすすめはそっちです。
育休明けなら同僚にはある程度説明できますし、育児が大変という言い訳もできます。保育園にも最低限の配慮ができるので、育休明けの転職はアリだと思います。
転職エージェントを利用すれば求人探し、転職先との連絡、条件交渉などの手間や時間を削減できます。
選び方がわからない人は、わたしが使っていたマイナビ保育士と保育士バンクを使ってみてください。公開求人数、拠点数、評価は以下の通りです。
サイト名 | 公開求人 | 拠点数※ | 転職フェア | 担当者 | サポート | 口コミ |
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マイナビ保育士 | 20,060件 | 12拠点 | ○ | 4.8 | 4.7 | 4.8 |
保育士バンク | 17,677件 | 8拠点 | ◎ | 4.7 | 4.8 | 4.8 |
拠点数はサービス全体、またはグループ全体のものです。
上記は2022年3月時点のサイト内調査による数値、または予測数です。
マイナビ保育士は求人数が多く、保育園情報を網羅していることが特徴です。マイナビグループなので実績も豊富で、履歴書・面接対策、面接同行などサポートも手厚いですね。
保育士バンクは担当者に元保育士が多く相談しやすいことが特徴です。またWEB面接や転職フェアなどサポートの質が高く、非公開求人も多くて使いやすいです。
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転職活動には基本的に転職エージェントを使いますが、転職サイトにも登録してください。ジョブメドレー保育士は以下の理由で登録しておくと便利です。
- 転職エージェントより求人数が多いため求人比較に便利
- 担当者からの電話連絡がないのでマイペースで活動できる
- スカウトメール機能で保育園からのスカウトが期待できる
それぞれのサービスの特徴は以下でまとめたので、転職を考えている人は参考にしてください。
転職エージェントに登録したら、後は元気な赤ちゃんを生むことに集中しましょう。育児は経験しないとわからないことだらけなので、まずは赤ちゃんとママの健康が1番大切です。
今回は保育士の育休中・育休明けの転職のお話をしましたが、同じような考え方で育休明けに退職を考える人もいると思います(育休中の退職はもったいない)。
保育園を辞める場合も同じようなメリットデメリットがありますが、どちらにしても自己責任ということをお忘れなく。