この記事は約 9 分で読めます


いろいろ考えて保育園を辞めると決めました。なるべく円満退職できるよう、引き止められにくい退職理由も考えました。ところが、具体的にどう動けば良いかわかりません。
退職を考えたことがある現役保育士は8割もいるそうですが、具体的に辞める流れってわかりますか?
わたしは過去に保育園などを4回退職してますが、退職の流れはどこもだいたい同じで、細かく分けると10ステップあります。さらに、辞める前にしておくと良いことや準備があります。
辞めようと思ってコツコツ準備している人でも、意外と抜け漏れは多いです。ましてや突然辞めることになる人もいるので、保育園退職の流れと必要な準備は事前に知っておいた方が良いです。
「あー、あれやっておけばよかったぁー。」と後悔したくない人は、最後まで記事を読んでください。
保育士歴20年以上。幼稚園、保育園、こども園など転職して、述べ500人以上の園児を保育し、ママ・パパの相談に答えてきました。両親・祖母が教師・保育士なので、保育士は多分天職です。
詳しいプロフィール
保育園を円満退職をする具体的な準備と流れ

- 退職の流れ1.保育園の退職予定日を決める
- 退職の流れ2.保育園の就業規則を確認する
- 退職の流れ3.転職など身の振り方を決める
- 退職の流れ4.仲の良い同僚に退職を伝える
- 退職の流れ5.退職の意思を保育園に伝える
- 退職の流れ6.引き継ぎをする
- 退職の流れ7.保護者に退職を伝える
- 退職の流れ8.雇用保険被保険者証や離職票を受け取る
- 退職の流れ9.保険証や定期券などを返却する
- 退職の流れ10.保育園にお礼の挨拶などをして退職する
退職の流れ1.保育園の退職予定日を決める
まず、保育園退職の予定日を決めます。妊娠・出産、結婚、引っ越しなど突発的な理由以外のベストな退職時期は年度末の3月ですが、それ以外は最低2-3か月後を退職予定日にしたいところです。
もし突然保育園を辞めることになっても、自分の立場を悪くしないように辞める前にやった方が良いこと・やってはいけないことも押さえておきましょう。
退職の流れ2.保育園の就業規則を確認する
就業規則で、退職願の受理に2か月などの期限を設けている保育園もあります。ただし民法第627条では、「退職の意思は2週間以上前に伝えなければいけない」となっています。
すぐに保育園を辞めたい場合は就業規則より民法が優先されますが、円満退職したいならなるべく就業規則に従いましょう。また、(嘘でも)退職理由を考えましょう。詳しくは以下を参考にしてください。
退職の流れ3.転職など身の振り方を決める
今の保育園を辞めた後に他の保育園に転職する、保育業界以外の仕事に就く、しばらく働かないなど、自分の身の振り方を考えてください。
もし転職するなら、保育園に退職の意思を伝える前に転職活動を始めてください。保育園を辞めて転職活動するのは、転職活動費用、精神的な不安などの理由で危険です。詳しくは以下を参考にしてください。
退職の流れ4.仲の良い同僚に退職を伝える
保育園を辞めると心に決めたら、仲の良い同僚・信頼できる上司に退職を伝えましょう。根回しすれば引き継ぎしやすくなりますし、保育園から引き止められても辞めやすい環境を作ってもらえます。
ただしは、退職や転職の意思を決める前に同僚に相談するのはおすすめしません。退職や転職を迷ってる人は、専門家に無料相談しましょう。詳しくは以下を参考にしてください。
退職の流れ5.退職の意思を保育園に伝える
退職の意思を保育園に伝えましょう。退職は口頭で園長に伝えても良いですし、退職願を出しても良いです。退職願の提出が一般的なわけではないですが、円満退社したい人は書き方を知っておきましょう。
保育園に退職を伝えるタイミングは早い方が良いですね。年度末退職なら、保育園からすれば次年度のクラス編成前には伝えてほしいでしょう。11月ごろに伝えられると良いですね。
年度途中退職で、いつ退職を伝えて良いかタイミングがわからない人は、以下を参考にしてください。
退職の流れ6.引き継ぎをする
保育園を辞めた後に迷惑をかけないように、しっかり引き継ぎをしてください。
働きながらなので、引き継ぎ期間は1か月ほどあると良いですね。年度末退職なら、クラス替え発表後に保育士同士で前年度の園児を引き継ぐため、比較的スムーズに引き継ぎできます。
一方、年度途中退職だと引き継ぎが難しいです。行事が重なると時間がとれないこともあります。その場合はお名前表と病歴や食べ物の好き嫌い、性格的な特徴をまとめて後任担当者に渡しましょう。
退職の流れ7.保護者に退職を伝える
クラス替えの発表が終われば、ようやく外部に退職を明らかにできます。クラス担任をしていた保育士は、保護者や役員をしてくれた保護者に保育園の退職を伝えてお礼を言いましょう。
もちろん保護者に保育園の退職を伝えない保育士もいますが、それはそれで。お便りでも伝わるので、そのあたりは保育園の慣習に従ってください。具体的な挨拶は以下を参考にしてください。
退職の流れ8.雇用保険被保険者証や離職票を受け取る
保育園の退職にあたって、保育園から雇用保険被保険者証、離職票、源泉徴収票、年金手帳を受け取りましょう。そのまま事務員さんに伝えれば、対応してもらえます。
- 雇用保険被保険者証
雇用保険被保険者証は、雇用保険の受給に必要です。また、転職したときはそこに提出してください。 - 離職票
離職票は、失業手当の受給に必要です。転職先が決まっている場合はいりません。 - 源泉徴収票
源泉徴収票は、退職した年の年末調整に必要です。転職したときはそこに提出すれば良いですが、しない場合は確定申告が必要です。 - 年金手帳
年金手帳は、国民年金の加入に必要です。保育園に預けている人は受け取ってください。転職したときはそこに提出すれば良いです。
退職の流れ9.保険証や定期券などを返却する
退職にあたって、保育園に健康保険証、通勤定期券、職員証・名札、制服・エプロンなどを返却します。基本は自分で購入したもの以外は、保育園に返却します。
- 健康保険証
健康保険証が使えるのは退職日までなので、退職日に返却します。その後は、転職先が決まっていれば新しい健康保険に加入し、転職しなければ国民健康保険に加入します。 - 通勤定期券
保育園が発行してくれた定期券は、期間が残っていれば退職日に保育園に返却します。 - 職員証・名札
職員証や名札なども返却しましょう。 - 制服・エプロンなど
制服やエプロンは保育園によって対応が変わるので、事前に聞いてください。
退職の流れ10.保育園にお礼の挨拶などをして退職する
保育園の退職日は、職員全員にお礼の挨拶などをして退職します。また、受け持ちの子供への挨拶が最終日ということもありますね。退職の挨拶については、以下を参考にしてください。


保育園を辞める前にした方が良いこと・準備

保育園を辞めるまでに少し余裕がある場合は次のことをしておくとメリットがある、または退職後に困りませんよ。
- 「退職所得申告書」を提出する
- 社会保険の切り替え準備をする
- クレジットカードがなければ作る
- 保育士キャリアアップ研修を受けておく
- 有給休暇の消化計画を立てて休みを取る
- 保育園内の人間関係を良くしておく
- 退職する前に転職活動を始める
退職所得申告書を提出する
退職金制度があって条件が合う人は、「退職所得の受給に関する申告書(退職所得申告書)」を記入して保育園に提出しましょう。
退職所得申告書を提出し忘れると税金を払いすぎるため、確定申告をする必要があります。以下は申告書ですが、印刷用は印刷して手書きで記入、入力用はPCで入力して印刷してください。
社会保険の切り替え準備をする
保育園を辞めた後に転職まで期間があく場合は、健康保険や年金切り替えの準備をしておきましょう。
- 国民健康保険に加入する
退職日の翌日から14日以上、新しい社会保険加入先がない場合は、国民健康保険に切り替えます。切り替えには、離職票、源泉徴収票、雇用保険被保険者証、健康保険被保険者資格喪失確認通知書が必要です。もしあなたに扶養家族がいる場合は、その家族全員が国民健康保険に加入する必要があります。 - 社会保険の任意継続をする
任意継続とは、退職する保育園で加入している保険を最長2年間継続できる制度です。退職日の翌日から20日以内に手続きをすれば、任意継続ができます。ただし、任意継続を選択すると2年間継続しなければいけません。また、これまでは保険料を半分保育園に負担してもらっていましたが、任意継続期間は全額負担になります。 - 家族の扶養に入る
結婚している人、または実家に住んでいる人は、家族の扶養に入る方法もあります。そのときには、国民健康保険の切り替えと同じで、離職票、源泉徴収票、雇用保険被保険者証、健康保険被保険者資格喪失確認通知書が必要になります。
クレジットカードがなければ作る
転職までに期間が空く人でクレジットカードを持ってないなら、万が一のことを考えて在職中に作っておきましょう。クレジットカードは、在職してないと審査が厳しくなって作れない場合があります。
保育士キャリアアップ研修を受けておく
今の保育園を辞めた後に保育業界で転職したい人、または保育士は辞めるけど将来的にまた復職したい人は、退職までに余裕があればキャリアアップ研修を受けることをおすすめします。
保育士のキャリアアップには、キャリアアップ研修は必須です。研修を受けると給料が上がる可能性がありますし、履歴書に「保育士等キャリアアップ研修修了」と書けるので転職のアピール材料になります。
有給休暇の消化計画を立てて休みを取る
保育園からわざわざ「有給はいつ消化する?」なんて言われないので、早めに有給消化の計画を立てて事前に伝えてください。
有給を消化するならなるべく年度末は避けた方が良いですが、その時期しか有給が取れないなら、事前に保育園と同僚に了承してもらいましょう。有給を消化しないなら別に良いのですが。
保育園の人間関係を良くしておく
人間関係が微妙な同僚がいたら、退職前に仲良くなっておきましょう。「辞めるのに、仲良くする必要ある?」と思うかもしれませんが、保育業界は横のつながりの情報収集もよくあります。
しかも保育士は割と保育施設を転々とするため、「実は知り合い同士がつながっていた」も珍しくないです。まぁ思惑は抜きにして、やっぱり人間関係は良い方が気持ちいいですよね。

退職する前に転職活動を始める
今の保育園を辞めて転職したい人は、どれだけ忙しくても在職中に転職活動を始めてください。辞めてからゆっくりやろうと考えている人は、以下のデメリットがあることを認識しましょう。
- 収入がないのに転職活動の費用がかかる
- 社会との接点が少なくなって孤独を感じる
- なかなか転職先が決まらないときに居場所がない
- 想定より離職期間が長くなる可能性がある
早めに保育士転職サイトに登録して、担当者に求人探しを依頼するところまで済ませておくと手離れが良くなりますし、保育園退職までの時間を有効活用できますよ。
保育園の退職手続きと流れのまとめ
園長に辞めることを伝えて保育園の退職が決まると、心がスッキリして気持ちに余裕が生まれます。余裕があるのは良いことですが、いつまでもふわふわしてるわけにはいきません。
他の保育園に転職するとしても、一旦休息を取るにしても、準備はいくつもあるので、この記事を何度も読んで抜け漏れがないようにしてください。

退職を伝える前に保育士転職サイトに登録して、担当者に転職条件を伝えてください。忙しくて動けないあなたの代わりに、担当者が転職先の候補をピックアップしてくれます。
保育士転職サイトは、わたしも使っていた保育士バンク、マイナビ保育士、ジョブメドレー保育士がおすすめです。
- 保育士バンク
保育士が選ぶ転職サイトNo.1!担当者は元保育士が多く相談しやすい。地方求人も◎
» 保育士バンクの口コミはこちら - マイナビ保育士
関東の転職には必須!関東の保育園情報を網羅していて、サポートも厚い。実績も◎
» マイナビ保育士の口コミはこちら - ジョブメドレー保育士
基本的に担当者から電話連絡がない!公開求人が1番多く、LINEでサポートも依頼可能。
» ジョブメドレー保育士の口コミはこちら
保育士バンクは担当者に元保育士が多いので気軽に相談できますし、充実したWEB面接や転職フェアなどサポートの質が高く、非公開求人も多くて使いやすいです。
マイナビ保育士は関東の転職では圧倒的に強く、詳細な保育園情報を持っています。マイナビグループなので実績・ノウハウも豊富です。
ジョブメドレー保育士は公開求人が多く、電話連絡がほぼないので気軽に登録できる転職サイトです。その他のおすすめ理由は以下でまとめているので、参考にしてください。
初めて転職活動をする人、保育士転職サイトの登録が初めてで不安な人は以下を参考にしてください。保育士転職サイトの登録から内定をもらうまでの使い方を徹底解説しています。