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本ページにはプロモーションが含まれます。いろいろ考えて保育園を辞めると決断をました。なるべく円満退職できるよう、退職理由も考えました。ところが、保育園を辞める時の流れや手続きがわかりません。
- 保育士が保育園を辞める時にどんな手続きが必要?
- 保育園を辞める前にした方が良いことって何?
- 保育士辞めた後どうしよう……なんにも考えてない。
わたしは何度か保育施設を退職していますが、退職の流れはだいたい10ステップほど。保育園退職時に返却するものや必要書類があるので、退職の手続きは押さえてください。
さらに保育園を辞める時にした方が良いことや準備があるので、退職の流れと合わせて説明します。
退職は人生の新たなスタートです。なるべくスムーズ円かつ満に保育士を辞めたい人、一般的な退職の流れと準備を知りたい人は、この記事を最後まで読んで参考にしてください。
保育士、幼稚園教諭、保育教諭歴20年以上。幼稚園、保育園、認定こども園など転職して述べ500人以上の園児を保育し、保護者の相談に答えてきました。両親・祖母が教師・保育士なので、保育士は多分天職です。
詳しいプロフィール
保育園を円満退職する具体的な流れと手続き
- 退職の流れ1.保育園の退職予定日を決める
- 退職の流れ2.保育園の就業規則を確認する
- 退職の流れ3.転職など身の振り方を決める
- 退職の流れ4.仲の良い同僚に退職を伝える
- 退職の流れ5.退職の意思を保育園に伝える
- 退職の流れ6.引き継ぎをして書類等を返却する
- 退職の流れ7.保護者に退職を伝える
- 退職の流れ8.雇用保険被保険者証や離職票を受け取る
- 退職の流れ9.保険証や定期券などを返却する
- 退職の流れ10.保育園にお礼の挨拶などをして退職する
退職の流れ1.保育園の退職予定日を決める
まず保育園退職の予定日を決めます。妊娠・出産、結婚、引っ越しなど突発的な理由以外でベストな退職時期は年度末ですが、それ以外は2-3か月後を退職予定日にすると良いです。
もし年度途中で突然保育園を辞めることになっても、自分の立場を悪くしないように辞める前にやった方が良いこと・やってはいけないことも押さえておきましょう。
退職の流れ2.保育園の就業規則を確認する
就業規則で退職願の受理に2か月などの期限を設ける保育園もありますが、民法第627条では「退職の意思を示せば2週間で保育園を辞められる」となっています。
すぐに保育園を辞めたい場合は就業規則より民法が優先されますが、円満退職したいならなるべく就業規則に従いましょう。
また、円満退職のために嘘でも良いので退職理由を考えましょう。退職理由の考え方や園長の引き止めを断る方法を知りたい人は、以下を参考にしてください。
退職の流れ3.転職など身の振り方を決める
今の保育園を辞めた後に他の保育園に転職する、保育業界以外の仕事に就く、しばらく働かないなど自分の身の振り方を考えてください。
もし転職するなら、保育園に退職の意思を伝える前に転職活動を始めてください。保育園を辞めて転職活動すると転職活動費用、精神的な不安などの理由でデメリットがあります。
退職の流れ4.仲の良い同僚に退職を伝える
保育園を辞めると決めたら、仲の良い同僚・信頼できる上司に退職の意思を伝えましょう。根回しすれば引き継ぎしやすくなりますし、保育園に引き止められても辞めやすい環境を作ってもらえます。
ただ、退職や転職を決心する前に同僚に相談するのはおすすめしません。退職や転職を迷ってる人は、専門家に相談しましょう。詳しくは以下を参考にしてください。
退職の流れ5.退職の意思を保育園に伝える
次に退職の意思を保育園に伝えます。退職は口頭で園長に伝えても、退職願を出しても良いです。退職願が一般的とは言いませんが、円満退職したい人は書き方を知っておきましょう。
保育園に退職の意思を伝えるタイミングは早い方が良いですね。年度末退職なら次年度のクラス編成前の11月ごろに伝えられるようにしましょう。
年度途中退職で、いつ退職の意思を保育園に伝えて良いかわからない人は以下を参考にしてください。
退職の流れ6.引き継ぎをして書類等を返却する
保育園を辞めた後に迷惑をかけないよう、しっかり引き継ぎをしてください。
働きながらなので、引き継ぎ期間は1か月ほどあると良いですね。年度末退職なら、クラス替え発表後に保育士同士で前年度の園児を引き継ぐため、比較的スムーズに引き継ぎできます。
一方、年度途中退職だと行事が重なるなど引き継ぎが難しい場合があります。その場合はお名前表と病歴や食べ物の好き嫌い、性格的な特徴をまとめて後任担当者に渡しましょう。
また、以下の書類は作業データも含めて必ず返却してください。引き継ぎのときに合わせて返却することが多いですね。
- 保育指導案など
保育園のフォーマットにもよりますが、年間計画・月案・週案・日案があれば引き継ぎます。 - 保護者の連絡先・家庭の情報書類など
保育園管理が多いですが、保育士個人が管理している場合は忘れずに引継ぎます。 - 保育所児童保育要録など
保育所児童保育要録をベースとして子供の特徴などの書類があれば引き継ぎます。 - 保育日誌・保育経過記録など
保育経過記録は保育日誌がベースなので、合わせて引き継ぎをすると効率的です。
退職の流れ7.保護者に退職を伝える
クラス替えの発表が終われば、外部に退職を明らかにできます。クラス担任の保育士は、受け持ちの保護者や役員をしてくれた保護者に保育園の退職を伝えてお礼を言いましょう。
もちろん保護者に保育園の退職を伝えない保育士もいますが、それはそれで。園だよりでも伝わるので、その保育園の慣習に従ってください。
具体的な退職の挨拶の流れや退職の挨拶の事例を知りたい人は以下を参考にしてください。
退職の流れ8.雇用保険被保険者証や離職票を受け取る
保育園の退職にあたって、保育園から雇用保険被保険者証、離職票、源泉徴収票、年金手帳を受け取りましょう。事務員さんに伝えれば対応してもらえます。
- 雇用保険被保険者証
雇用保険被保険者証は雇用保険の受給に必要です。また転職したときはそこに提出してください。 - 離職票
離職票は失業手当(失業給付金)の受給に必要です。転職先が決まっている場合はいりません。 - 源泉徴収票
源泉徴収票は退職した年の年末調整に必要です。転職したときはそこに提出すれば良いですが、しない場合は確定申告が必要です。 - 年金手帳
年金手帳は国民年金の加入に必要です。保育園に預けている人は受け取ってください。転職したときはそこに提出すれば良いです。
保育園の退職の手続きは、これらを受け取ることですね。受け取り忘れて後から保育園に連絡をする人も多いですが、連絡が気まずい人は忘れずに受け取ってください。
退職の流れ9.保険証や定期券などを返却する
退職にあたって、保育園に健康保険証、通勤定期券、職員証・名札、制服・エプロンなどを返却します。基本は自分で購入したもの以外は保育園に返却します。
- 健康保険証
健康保険証が使えるのは退職日までなので、退職日に返却します。その後は、転職先が決まっていれば新しい健康保険に加入し、転職しなければ国民健康保険に加入します。 - 通勤定期券
保育園が発行してくれた定期券は、期間が残っていれば退職日に保育園に返却します。 - 職員証・名札
職員証や名札なども返却しましょう。 - 制服・エプロンなど
制服やエプロンは保育園によって対応が変わるので、事前に聞いてください。
退職の流れ10.保育園にお礼の挨拶などをして退職する
保育園の退職日に職員全員にお礼の挨拶などをして退職します。また、受け持ちの子供への挨拶が最終日ということもありますね。退職の挨拶については以下を参考にしてください。
保育園を辞める時にした方が良いこと・準備
保育園を辞めるまでに少し余裕がある場合は、次のことをしておくと退職後に困りませんよ。
- 「退職所得申告書」を提出する
- 社会保険の切り替え準備をする
- クレジットカードがなければ作る
- 保育士キャリアアップ研修を受けておく
- 有給休暇の消化計画を立てて休みを取る
- 保育園内の人間関係を良くしておく
- 退職を決めたら転職活動を始める
退職所得申告書を提出する
退職金制度の条件に合う人は、「退職所得の受給に関する申告書(退職所得申告書)」を記入して保育園に提出しましょう。退職金制度はややこしいので、詳細は以下を参考に。
退職所得申告書を提出し忘れると税金を払いすぎるため、確定申告の必要があります。以下は申告書ですが、印刷用は印刷して手書きで記入、入力用はPCで入力して印刷してください。
社会保険の切り替え準備をする
保育園を辞めた後に転職まで期間があく場合は、健康保険や年金切り替えの準備をしておきましょう。パターンはいくつかありますが、多くの人は以下3つのパターンのどれかだと思います。
- 正社員として働いていた人で辞めた後しばらく転職しない人は、社会保険(健康保険)から国民健康保険に切り替えが必要
- 正社員として働いていた人で退職前に転職先が決まった人(退職日の次の日が転職先の入職日の人)は、社会保険の切り替えが必要なので転職先の指示に従う
- 旦那さんの扶養に入ってパート保育士として働いていた人は、とくに切り替えの必要はない
上記3つのパターンから、以下の「国民健康保険に加入する」「社会保険の任意継続をする」「家族の扶養に入る」のどれかを選択することになります。
- 国民健康保険に加入する
退職日の翌日から14日以上新しい社会保険加入先がない場合は、国民健康保険に切り替えます。切り替えには、離職票、源泉徴収票、雇用保険被保険者証、健康保険被保険者資格喪失確認通知書が必要です。もしあなたに扶養家族がいる場合は、その家族全員が国民健康保険に加入する必要があります。 - 社会保険の任意継続をする
任意継続とは、退職する保育園で加入している保険を最長2年間継続できる制度です。退職日の翌日から20日以内に手続きをすれば、任意継続ができます。ただし、任意継続を選択すると2年間継続しなければいけません。また、これまでは保険料を半分保育園に負担してもらっていましたが、任意継続期間は全額負担になります。 - 家族の扶養に入る
結婚している人、または実家に住んでいる人は、家族の扶養に入る方法もあります。そのときには、国民健康保険の切り替えと同じで、離職票、源泉徴収票、雇用保険被保険者証、健康保険被保険者資格喪失確認通知書が必要になります。
クレジットカードがなければ作る
保育園を辞めてから転職までに期間が空くことがわかっていて、クレジットカードを持っていない人は、万が一を考えて保育園を辞める前に作ってください。
クレジットカードは、在職してないと審査が厳しくなって作れない場合があります。辞めることを決めたときにサッと作るのが良いと思います。
保育士キャリアアップ研修を受けておく
今の保育園を辞めた後に保育業界で転職したい人、保育士は辞めるけど将来的に復職したい人は、退職までに余裕があればキャリアアップ研修を受けることをおすすめします。
役職のキャリアアップには、キャリアアップ研修が必須です。研修を受けると給料が上がる可能性がありますし、履歴書に「保育士等キャリアアップ研修修了」と書けるので転職のアピール材料になります。
計画的に保育園を辞める人は、退職の前年度に保育園を通してキャリアアップ研修を受けた方がお得です。詳しくは以下を参考にしてください。
有給休暇の消化計画を立てて休みを取る
有給休暇は余ると2年間繰り越せるので、退職前に未消化有給休暇がある保育士も多いでしょう。もちろん、保育園からわざわざ「いつ有給消化する?」なんて言われません。
そのため早めに有給消化の計画を立てて、保育園に伝えてください。
有給消化はなるべく年度末は避けた方が良いですが、その時期しか有給が取れないなら事前に保育園と同僚に了承してもらいましょう。最適な有給消化時期を知りたい人は以下を参考にしてください。
保育園の人間関係を良くしておく
人間関係が微妙な同僚がいたら、退職前に仲良くなっておきましょう。「辞めるのに、仲良くする必要ある?」と思うかもしれませんが、保育業界は横のつながりの情報収集もよくあります。
しかも保育士は保育施設を転々として、「実は知り合い同士がつながっていた」も珍しくないです。まぁ思惑は抜きにして、人間関係は良い方が気持ちいいですよね。
退職を決めたら転職活動を始める
今の保育園を辞めて転職したい人は、忙しくても在職中に転職活動を始めてください。保育園を辞めてからゆっくりやりたいという気持ちはわかりますが、以下のデメリットがあります。
- 収入がないのに転職活動の費用がかかる
- 社会との接点が少なくなって孤独を感じる
- なかなか転職先が決まらないときに居場所がない
- 想定より離職期間が長くなる可能性がある
早めに転職エージェントに登録して、求人探しを依頼するところまで済ませると手離れが良くなりますし、退職までの時間を有効活用できますよ。
保育園退職の手続きと流れのまとめ
園長に辞めることを伝えて保育園の退職が決まると、スッキリして心に余裕が生まれます。余裕があるのは良いことですが、いつまでもふわふわしているわけにはいきません。
特に他の保育園に転職したい人は、退職日までに転職先を決められるよう転職活動を進めてください。
転職エージェントを利用すれば転職でもっとも大切な情報収集を任せられますし、求人探し、転職先との連絡、条件交渉などの手間や時間を削減できます。
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