保育士が転職しやすい地域はある?都道府県別の有効求人倍率

保育士の転職

保育士の有効求人倍率の推移、都道府県別比較一覧表、1番転職しやすい地域は?

投稿日:2019年11月22日 更新日:

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まーさ
保育士が転職しやすい地域とか、転職で有利な都道府県ってあるのかな?

ありますよ。都道府県によって保育士の有効求人倍率はかなり違います。
みやこさん

今は保育士が転職しやすい売り手市場ですが、東京都は別格です。保育士が東京都で転職しやすい理由は、転職したい保育士よりも求人数が多いからです。

これを数値にしたのが「有効求人倍率」です。保育士全体の有効求人倍率は3倍ほど、東京都は6倍を超える時期(12-3月)もあります。ただ東京都以外でも転職しやすい都道府県はたくさんあります。

「有効求人倍率3倍って言われても……。」と思う人もいるはず。あなたが転職地域を迷っているなら都道府県別の有効求人倍率は転職の重要な判断材料になります。

  • 有効求人倍率3倍ってすごいの?わかりやすく教えて。
  • 保育士の都道府県別の有効求人倍率ってどれくらい?
  • 東京の有効求人倍率が高い理由は?転職は東京がいい?
これを教えて!

どの都道府県で転職するかは、5年後、10年後のあなたの生活を大きく変えます。そこで、現在の都道府県別有効求人倍率を一覧表にして紹介します。

保育士の有効求人倍率3倍は高い?低い?

保育士の有効求人倍率3倍は高い?低い?

まーさ
保育士の有効求人倍率が3倍って言われても、高いのか低いのかピンとこない。

有効求人倍率3倍を簡単に言うと、100人の求人枠に対して33人しか応募してない状況です。
みやこさん

転職しやすさを測る有効求人倍率は、「求人数÷求職者数=有効求人倍率」の計算式で求めます。

たとえば保育園Aと保育園Bの求人枠が両方100人で、保育園Aに500人の応募、保育園Bに50人の応募があったとします。どちらも同じ条件だとしたら、どちらに応募しますか?

まーさ
どっちもまったく同じ条件なら、ライバルが少なくて転職しやすい保育園Bかな。

そうですね。保育園Bは50人全員採用しても求人枠がまだ50人ありますが、保育園Aは500人の応募の中から100人を採用する必要があります。

これを有効求人倍率にすると、保育園Aは「100人÷500人=0.2倍」、保育園Bは「100人÷50人=2倍」となります。つまり、有効求人倍率は数字が大きいほど内定をもらいやすいということです。

保育園Bは採用枠が余っていますが、誰でも採用されるわけではありません。あくまで有効求人倍率が高いというだけです。
みやこさん

保育士の有効求人倍率は3倍なので、求人枠100人に対して33人しか応募がない状況です。また東京都の保育士の求人倍率は6倍なので、求人数100人に対して17人しか応募がない状況です。

有効求人倍率が理解できるだけで、保育業界がどれだけ人材不足・保育士不足なのか理解できますね。
みやこさん

日本の有効求人倍率の推移を見るとわかる

まーさ
保育士の有効求人倍率が高いことはわかったけど、3倍ってそんなにすごいの?

有効求人倍率3倍のすごさは、日本の戦後の有効求人倍率の推移を見るとわかります。

完全失業率、有効求人倍率 1948年~2018年 年平均

図1 完全失業率、有効求人倍率|早わかり グラフでみる長期労働統計|労働政策研究・研修機構(JILPT)

日本は世界第3位の経済大国ですが、有効求人倍率は過去2倍を超えたことがありません。2018年の有効求人倍率は1.6倍で戦後2番めの高さ、対して保育士の有効求人倍率は3倍です。

旬な業種の有効求人倍率と比べるとわかる

まーさ
日本全体と比べてすごいのはわかったけど、保育士以外の有効求人倍率ってどうなの?

保育士以外にも有効求人倍率が高い職業はあります。たとえばIT系エンジニアが9.4倍、建築系のエンジニアが5.8倍、電気系のエンジニアが4.3倍です。

【転職求人倍率】求人倍率は前年同月比+0.03pt の2.52倍。求人数は2カ月連続で最高値を更新したが、伸びは鈍化 |転職ならdoda(デューダ)

まーさ
なんだ、保育士の有効求人倍率だけがすごいわけじゃないんだね。

と思うかもしれませんが、この3つの業種は今伸びているor元から市場規模が大きい業界です。さらに日本だけじゃなく世界を相手に商売をしています。

まーさ
なんとなく保育士の有効求人倍率がすごいのはわかったけど、都道府県でも有効求人倍率に差があるの?

東京が6倍、全国平均が3倍なので大きな差があります。都道府県別に有効求人倍率を一覧表で見てみましょう。
みやこさん

保育士の都道府県別有効求人倍率

保育士の都道府県別有効求人倍率の比較

保育士の有効求人倍率は、都道府県で差があります。厚生労働省資料の資料で、有効求人倍率、求人枠100人に対して何人応募が来るかを都道府県のデータを並べてみます。

地域有効求人倍率100人中の応募数
全国3.20倍31人
北海道2.73倍37人
青森県2.43倍41人
岩手県1.92倍52人
宮城県4.38倍23人
秋田県1.59倍63人
山形県2.72倍37人
福島県2.61倍38人
茨城県3.43倍29人
栃木県3.16倍32人
群馬県1.24倍81人
埼玉県4.76倍21人
千葉県2.51倍40人
東京都6.44倍15人
神奈川県3.57倍28人
新潟県2.12倍47人
富山県2.20倍45人
石川県2.07倍48人
福井県2.62倍38人
山梨県2.43倍41人
長野県2.08倍48人
岐阜県1.75倍57人
静岡県3.46倍29人
愛知県2.89倍35人
三重県2.62倍38人
滋賀県3.59倍28人
京都府3.24倍31人
大阪府4.49倍22人
兵庫県2.68倍37人
奈良県2.35倍43人
和歌山県2.56倍39人
鳥取県3.77倍27人
島根県2.10倍48人
岡山県2.12倍47人
広島県4.49倍22人
山口県1.55倍65人
徳島県3.69倍27人
香川県1.99倍50人
愛媛県2.43倍41人
高知県1.69倍59人
福岡県2.35倍43人
佐賀県1.58倍63人
長崎県1.80倍56人
熊本県2.18倍46人
大分県2.28倍44人
宮崎県2.29倍44人
鹿児島県2.10倍48人
沖縄県3.41倍29人

47都道府県でもっとも有効求人倍率が高いのは東京都(6.44倍)、続いて埼玉県(4.76倍)、大阪府(4.49倍)、広島県(4.49倍)です。東京は100人の求人枠に15人しか応募がない状況です。

保育士需要は高いのに、求人応募数がまったく足りないことがよくわかります。

  • 東京都:6.44倍
  • 埼玉県:4.76倍
  • 大阪府:4.49倍
  • 広島県:4.49倍
  • 宮城県:4.38倍

一方、有効求人倍率が低いのは群馬県(1.24倍)、続いて山口県(1.55倍)、佐賀県(1.58倍)、秋田県(1.58倍)です。

  • 群馬県:1.24倍
  • 山口県:1.55倍
  • 佐賀県:1.58倍
  • 秋田県:1.59倍
  • 高知県:1.69倍

群馬県と東京都には差がありますね。ただ、有効求人倍率が低い群馬県でも1倍を切っているので保育士は足りません。そのため、保育士はどの地域でも転職しやすい状況です。

とは言え東京都の有効求人倍率6.44倍は異常です。求人の選び方を間違えなければ、保育士が東京都で転職して待遇が良くならないことはないと言って良いです。

まーさ
なんで東京の保育士って、こんなに有効求人倍率が高いんだろう?

東京都の有効求人倍率が6倍もあるのは、以下の理由があるためです。
みやこさん

東京都の保育士有効求人倍率が6倍もある理由

東京都の保育士有効求人倍率が6倍もある理由

東京だけ飛び抜けて保育士の有効求人倍率が高いのは、以下の理由があります。

  • 東京都の人口が圧倒的に多いから
  • 東京都の保育施設が多いから

東京都の人口が圧倒的に多いから

以下は、1920年から2018年までの都道府県の人口推移が見られる面白い動画です。ちょっと長いですが、かいつまんで見ればわかります。

東京都の人口は2018年時点で1380万人以上。ここ20年はジリジリと他県を引き離してますね。その他の人口が多い都道府県もやっぱり保育士の求人倍率が高いところが多いです。

東京都の調査によると、保育施設を利用する子供の数は平成30年4月時点で293,767人。前年よりも16,059人増えてます。また待機児童数は5,414人で、3,172人減ってます。

今後も東京都は人口が一極集中すると言われているので、先を見据えてまだまだ保育士は必要です。
みやこさん

東京都の保育施設が多いから

東京の保育施設は年々設置数が増えてます。そのため、保育施設で働く保育士も必要になります。認証保育園の設置数は減ってますが、なくなったんじゃなく認可保育園に変わっています。

区分 認可保育所 認証保育所
施設数 定員 施設数 定員
対前年 対前年 対前年 対前年
平成25年 1915か所 +60 193757人 +7059 694か所 +42 23519人 +1483
平成26年 2019か所 +104 203170人 +9413 719か所 +25 24527人 +1008
平成27年 2184か所 +165 216699人 +13529 700か所 -19 23912人 -615
平成28年 2342か所 +158 230334人 +13635 664か所 -36 22665人 -1247
平成29年 2558か所 +216 247105人 +16771 631か所 -33 21418人 -1247
平成30年 2811か所 +253 266473人 +19368 610か所 -21 20759人 -659

平成25年と平成30年を比較すると、認可保育園だけで900施設も増えてます。仮に1園平均15人の保育士が必要だとすると、たった5年で13500人の保育士が必要な環境になったということです。

定員(子供の受け入れ可能数)も7万人ほど増えてますが、さすがに東京都でそれだけ子供が増えたとは思えません。おそらく保育士数を増やして、保育の質を高めようとしているのでしょう。

まーさ
これだけ保育士が必要な状況なら、もっと給料が上がったり、待遇が良くなるかな?

保育士の給料はすでに上がってます。ただ、今後劇的に上がることはないですね。しかも有効求人倍率も今がピークで、今後は下がる可能性が高いです。
みやこさん

まーさ
え……なんで?

保育士の有効求人倍率はこれから下がります

保育士の有効求人倍率はこれから下がります

みやこさん

保育士の有効求人倍率が今後下がる可能性が高いのは、以下の理由があるからです。

  • 保育士の有効求人倍率が下方推移している-厚生労働省
  • 子供の数が減っている(子供の数及び割合の推移)
  • 夫婦共働きが頭打ち(専業主婦世帯と共働き世帯の推移)

保育士の有効求人倍率の推移-厚生労働省

保育士の有効求人倍率が下がっている事実を厚生労働省のグラフ推移から見てみます。

厚生労働省の資料によると、保育士の有効求人倍率は平成29年度が3.4倍、平成30年度が3.64倍、令和元年度が3.86倍、令和2年度が2.94倍、令和3年度が2.93倍と推移しています。

保育士の有効求人倍率の推移(全国) 厚生労働省

過去5年の有効求人倍率の推移を見る限り令和元年度の3.86倍が最大で、令和3年度に2.93倍に下がっていますね。

有効求人倍率はどの業種も12月-1月が最大のため、その時期の有効求人倍率が切り下がって推移している場合は求人需要が減っていることを意味します。

ここ数年はメディアで保育士不足が叫ばれていました。そのため国も保育士不足の対策を講じた結果が出たのかな、という感じ。

子供の数が減っている(子供の数及び割合の推移)

出生数が年々減ってることは知ってますね。以下のグラフは15歳未満の子供の数ですが、今の子供の数は戦後の半分くらいしかいません。

こどもの数及び割合の推移

統計トピックスNo.109 我が国のこどもの数 -「こどもの日」にちなんで-

しかも2019年は減少率が5%を超えて、出生数が86万人です。少子化は止まりません。「子供の数が半分に減っても保育士需要は変わらない!」という人はいないと思います。

夫婦共働きが頭打ち(専業主婦世帯と共働き世帯の推移)

まーさ
もっと夫婦共働きが増えたら、保育園に預ける子供の数も増えるんじゃないの?

と思うかもしれませんが、もう夫婦共働きの数も頭打ちに近づいています

専業主婦世帯と共働き世帯 1980年~2018年

図12 専業主婦世帯と共働き世帯|早わかり グラフでみる長期労働統計|労働政策研究・研修機構(JILPT)

わたしが子供のころの1980年代とはグラフが逆ですね。まだ専業主婦世帯が600万世帯ありますが、子育て世帯に限るとそれほど多くはありません。

このように保育士の有効求人倍率が今後も下方推移するかはわかりませんが、下がり傾向という点は押さえた方が良いですね。それでも他の業界に比べたら高いわけですが。

まーさ
保育士の有効求人倍率が高いからって、今後もかんたんに転職できるって考えちゃダメなんだね。

そうですね。保育士は有効求人倍率が高い今が良い転職のチャンスだと思います。
みやこさん

保育士転職は有効求人倍率が高い東京都がおすすめ

保育士転職は有効求人倍率が高い東京が都おすすめ

まーさ
やっぱり有効求人倍率が高い地域で転職した方が有利なのかな。

東京都の有効求人倍率は目立ちますが、埼玉県、大阪府、広島県、宮城県の4倍以上もすごいです。転職地域を気にしない人は、有効求人倍率が高い東京や大都市で転職した方が良いと思います。

わたしのおすすめはやっぱり東京都ですね。東京都は保育士の働き口がたくさんあり、給料が高く、生活しやすいメリットがあります。
みやこさん

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詳細は以下を見てもらいたいのですが、保育士の上京メリットはとても多いです。人が多いと遊ぶ場所も多いですし、良い出会いも増えますし……(^_^;)

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みやこさん

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みやこさん

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