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本ページにはプロモーションが含まれます。保育士が給料を上げる方法の1つが、主任保育士や専門リーダーなど役職へのキャリアアップです。そのため、役職のキャリアアップを目標にする保育士もいますね。
ただし単純に長く働いていても、主任保育士や専門リーダーなどの役職にはなれません。役職になりたいなら、積極的に保育士キャリアアップ研修を受ける必要があります。
これから役職にキャリアアップしたい保育士は、キャリアアップ研修以外にも必要な保育経験や必要な勉強、さらにキャリアアップできる環境かどうかを知っておきましょう。
この記事を読めば、園長、主任、副主任、専門リーダーなど何年目で役職になれるかの目安がわかるので、目的を持って保育士の仕事に臨めるようになりますよ。
保育士、幼稚園教諭、保育教諭歴20年以上。幼稚園、保育園、認定こども園など転職して述べ500人以上の園児を保育し、保護者の相談に答えてきました。両親・祖母が教師・保育士なので、保育士は多分天職です。
詳しいプロフィール
保育士、主任保育士、園長の給料の目安
子供が好きで保育士になる人は多いですが、将来のキャリアアップまで考えて保育士になる人は少ないです。保育士は給料が安いと言われますが、役職になれば給料は格段に上がります。
「令和元年度幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査集計結果」によると、保育士、主任保育士、園長の給料の目安は以下の通り。
勤続年数 | 月給 ※年収÷12ヶ月 |
年収 | |
---|---|---|---|
保育士 | 11.2年 | 301,823円 | 3,621,876円 |
主任保育士 | 21.7年 | 422,966円 | 5,075,592円 |
園長 | 25.8年 | 565,895円 | 6,790,740円 |
保育士は平均勤続年数11.2年で平均年収361万円、主任保育士は21.7年で平均年収507万円、園長は25.8年で平均年収679万円です。
つまり、数年後にキャリアアップして主任保育士や園長になれば、500-680万円ほどもらえるかもしれません。このような目安を知るだけで、主任や園長を目指したいと思いますよね。
副主任や専門リーダーなど他の役職の集計は取られていないので平均年収はわかりません。ただわたしの体感的に、主任よりは保育士に近い給料かなと思います。
園長、主任保育士、専門リーダーになるには?
- 保育園でキャリアアップする順番は?
- 保育園で役職になれる割合は?
保育園でキャリアアップする順番は?
では、どうすれば一般の保育士が園長や主任保育士になるにはどうすれば良いと思いますか。
保育園は平均13人の保育士に対して主任保育士1人、園長1人という体制で運営されています。つまり主任保育士の割合は保育士の15分の1、園長の割合も15分の1ということです。
今は保育士等キャリアアップ制度ができて、主任保育士の下に副主任保育士、専門リーダー、職務分野別リーダーという役職ができました。
単純に考えると、以下のようにキャリアアップすれば主任保育士や園長になれるということです。
↓
職務分野別リーダー(クラスリーダー)
↓
専門リーダー
↓
副主任保育士
↓
主任保育士
↓
園長
新しい役職は配置必須ではありません。そのため「リーダー」でひとまとめだったり、「副主任保育士」しか配置ない保育園もあります。また、園長補佐や副園長がいることもあります。
とは言え職務分野別リーダー、専門リーダー、副主任保育士という役職名が明確になったことで、他の保育園に転職しても自分が今どの役職を目指すべきかわかりやすくなります。
保育園で役職になれる割合は?
例として保育士13人、主任保育士1人、園長1人の保育園の場合、以下の役職の配置が考えられます。
- 一般保育士9人
- 職務分野別リーダー2人
- 専門リーダー1人
- 副主任保育士1人
- 主任保育士1人
- 園長1人
15人中6人が何らかの役職を務めます。つまり役職の割合は40%です。このように具体的な数字を見れば、保育士のキャリアアップのイメージが湧きませんか。
20代保育士から見ると、40代主任保育士は相当上の役職に感じます。ただ、このように役職の分類がわかると主任までの道のりが見えるので、想像しやすくなりますね。
では次に、保育士が園長や主任保育士になるための経験や条件、必要な年数をお話します。
保育士が役職になるために必要な経験と年数目安
保育士がキャリアアップできる役職の種類とキャリアアップに必要な経験、年数の目安を紹介します。
規模や方針によって紹介した役職が存在しない保育園もありますし、以下以外の役職を設けている保育園もあります。
- 初任保育士のキャリアアップ
- クラス担任のキャリアアップ
- クラスリーダーのキャリアアップ
- 職務分野別リーダーのキャリアアップ
- 専門リーダーのキャリアアップ
- 副主任保育士のキャリアアップ
- 主任保育士のキャリアアップ
- 園長のキャリアアップ
初任保育士のキャリアアップ
平均経験年数:なし
必要な経験:
・通常の保育業務
・職場理念や必要制度の理解
・ルール・マナーの遵守
・保育指導計画の理解
初任保育士(保育士1年目)はクラス担任の補佐についたり、フリー保育士の役割を担うことが多いです。初任保育士は、1年かけて保育の流れや行事準備、雑務などを覚えます。
クラス担任のキャリアアップ
平均経験年数:0-1年以上
必要な経験:
・通常の保育業務
・初任保育士の保育の指導
・保護者への保育指導や相談
・行事の企画立案
・保育指導計画の立案
保育士2年目になると、多くの保育士がクラス担任を任されます。初任保育士が補佐につくため、保育指導をしたり、雑務を任せるなどしてクラス担任の仕事をこなします。
また行事の企画を立案したり、保育指導計画にも慣れる必要があります。もちろん1年目からクラス担任になる保育士も多いです。わたしも1年目から担任を任されました。
クラスリーダーのキャリアアップ
平均経験年数:3-5年以上(予想)
必要な経験:
・通常の保育業務
・クラス担任
・初任保育士の保育の指導
・保護者への保育指導や相談
・保育指導計画の立案
・保育士をまとめる、育成する
クラスリーダーは乳児クラスなど、複数担任制のクラスがある保育園で使われることが多い役職名です。
クラスリーダーになると同じクラスを受け持つ3-5人の保育士のリーダーになるため、保育計画を立てて実行する指導を行ったり、保育士を束ねるコミュニケーションを円滑に取る必要があります。
クラスリーダーで初めてのリーダーを経験する保育士も多いので、責任が重い仕事だと言えますね。クラスリーダーがない保育園では次の職務分野別リーダーが初めてのリーダー職になります。
職務分野別リーダーのキャリアアップ
平均経験年数:5-7年以上(予想)
必要な経験:
・クラス担任
・保育士をまとめる、育成する
・主任保育士などの補佐
職務分野別リーダーになるには、最低3年以上の保育経験と担当分野のキャリアアップ研修が必要です。分野別なので、「乳児保育」「幼児教育」「障害児保育」など特化して3年です。
職務分野別リーダーは3-10人ほど部下ができるため、保育士をまとめる力が必要です。今後は平均5-7年ほどで、職務分野別リーダーになる保育士が多いのではないかと思います。
専門リーダーのキャリアアップ
平均経験年数:10年以上(予想)
必要な経験:
・職務分野別リーダー
・保育士をまとめる、育成する
・主任保育士などの補佐
専門リーダーになるには最低7年以上の保育経験と職務分野別リーダーの経験、また「乳児保育」「幼児教育」「障害児保育」「食育・アレルギー対応」「保健衛生・安全対策」「保護者支援・子育て支援」の中から4つ以上のキャリアアップ研修受講が必要です。
専門リーダーは、保育園の職務分野をまとめる役割です。たとえば、乳児保育と幼児教育がある保育園なら統括管理をしたり、保育園全体の保健衛生・安全対策、保護者支援・子育て支援をまとめるリーダーのイメージです。
専門リーダーになるには最短7年以上の保育経験が必要ですが、4つの職務分野を経験するため平均10年以上の勤務年数になると思います。
副主任保育士のキャリアアップ
平均経験年数:10-15年以上(予想)
必要な経験:
・各種リーダー
・主任保育士の補佐
・保育士をまとめる、育成する
副主任保育士になるには、最低7年以上の保育経験と職務分野別リーダーの経験、また「マネジメント」研修、「乳児保育」「幼児教育」「障害児保育」「食育・アレルギー対応」「保健衛生・安全対策」「保護者支援・子育て支援」の中から3つ以上のキャリアアップ研修受講が必要です。
専門リーダーを経験すると副主任保育士になりやすいですね。最短経験年数は7年以上ですが、平均10-15年ほどの勤務年数になると思います。
主任保育士のキャリアアップ
平均経験年数:10-15年以上(予想)
必要な経験:
・専門リーダーor副主任保育士
・園全体の保育計画の作成
・外部業者や園見学の窓口
・職員研修の作成
・地域関連機関との連携
・園長の補佐
・リーダーの育成
主任保育士になる要件はありません。これまでは「リーダー=主任保育士」でしたが、各リーダーと副主任が新設されたことで、それらの能力をすべて持つ人が主任保育士のイメージです。
主任保育士になるには、副主任保育士や専門リーダーの経験が必要になる保育園が増えるでしょう。
最短経験年数は7年以上ですが、平均経験年数は15年以上と予想します。ただし、小規模保育園は保育士が少ないので主任保育士までのキャリアアップは早く、10-15年前後が平均になると思います。
主任保育士の仕事内容は多岐に渡ります。主任保育士を目標にしている人は、以下を参考にして仕事内容ややりがいを押さえておくと良いですよ。
園長のキャリアアップ
平均経験年数:20年以上(予想)
必要な経験:
・施設内のあらゆる調整
・保育士の管理・指導責任
・運営・経営責任
・事務や出納の管理・資金計画
・保育に対する深い理解と経験
園長になる要件はとくにありません。ただし、家族経営の保育園で園長になれることはほぼないです。家族経営の保育園については、以下を参考にしてください。
園長と保育士は立場が違います。そのため、大切にすることも変わります。真面目で良い園長ほど、以下の理想をすべて叶えようとしますが、なかなか難しいです。
- 子供のための保育をしたい
- 保育士の待遇を良くしたい
- 保育園の設備を整えたい
- 保育園を継続して雇用を守りたい
- 地域の子育てに貢献したい
- 自分と家族の生活を守りたい
わたしは園長を経験してないので感覚はわかりません。母親は公立保育園の園長でしたが、公立では20年以上の保育士経験、役職経験、昇格試験の合格が必要です。
保育士が役職にキャリアアップできない理由
保育士が順調にキャリアアップすれば、15年~で主任保育士になれます。ということは35歳以上ですね。35歳で年収470万円、手取りで400万円と考えるとかなり希望がありますね。
ただ、保育士全員が主任保育士になれるわけじゃありません。保育園によっては希望が叶わないこともあります。希望の役職にキャリアアップできない理由は以下が考えられます。
- スキルや保育経験が足りないため
- 役職に空きがないため
- 家族経営で役職は親族が占めているため
- スキルよりも年功序列+経験年数なため
- なぜか正当に評価されないため
スキルや保育経験が足りないことは仕方ないですね。足りなければ要件を満たす時間が必要です。ただ、他は今の保育園だと解決しない問題ばかりです。
とくにベテラン保育士が多い保育園では順調にキャリアアップしてもなかなか主任保育士になれませんし、家族経営の保育園でも難しい場合が多いです。
保育士がキャリアアップできる保育園の探し方
キャリアアップしたい保育士は、無理に今の保育園で役職を目指す必要はありません。
無理に今の保育園で役職を目指すより、キャリアアップしやすい保育園に転職した方が役職になりやすいでしょう。もう一度役職別の平均年収を比較します。
勤続年数 | 月給 ※年収÷12ヶ月 |
年収 | |
---|---|---|---|
保育士 | 11.2年 | 301,823円 | 3,621,876円 |
主任保育士 | 21.7年 | 422,966円 | 5,075,592円 |
園長 | 25.8年 | 565,895円 | 6,790,740円 |
給料の安い保育士が、役職にキャリアアップする重要性がわかりますね。役職になりたいなら、キャリアアップしやすい保育園で働くことがマストです。
キャリアアップしやすい保育園とは、役職で求人募集をしている保育園です。以下マイナビ保育士、保育士バンク、ジョブメドレーで、主任保育士や役職の求人数を調べました(2020年2月時点)。
マイナビ保育士 | 保育士バンク | ジョブメドレー | |
---|---|---|---|
主任保育士 | 367件 | 184件 | 525件 |
副主任保育士 | 52件 | 24件 | 68件 |
専門リーダー | 4件 | 16件 | 462件 |
職務分野別リーダー | 1件 | 16件 | 8件 |
副主任保育士、専門リーダー、職務分野別リーダーは新しい役職ですが、それでもピンポイントで役職を求めている求人もあります。
こういった保育園はキャリアアップ研修に力を入れているだけじゃなく、働きやすい組織作りにも力を入れていることが多いです。
転職エージェントを利用すれば求人探し、転職先との連絡、条件交渉などの手間や時間を削減できます。
選び方がわからない人は、わたしが使っていたマイナビ保育士と保育士バンクを使ってみてください。公開求人数、拠点数、評価は以下の通りです。
サイト名 | 公開求人 | 拠点数※ | 転職フェア | 担当者 | サポート | 口コミ |
---|---|---|---|---|---|---|
マイナビ保育士 | 20,060件 | 12拠点 | ○ | 4.8 | 4.7 | 4.8 |
保育士バンク | 17,677件 | 8拠点 | ◎ | 4.7 | 4.8 | 4.8 |
拠点数はサービス全体、またはグループ全体のものです。
上記は2022年3月時点のサイト内調査による数値、または予測数です。
マイナビ保育士は求人数が多く、保育園情報を網羅していることが特徴です。マイナビグループなので実績も豊富で、履歴書・面接対策、面接同行などサポートも手厚いですね。
保育士バンクは担当者に元保育士が多く相談しやすいことが特徴です。またWEB面接や転職フェアなどサポートの質が高く、非公開求人も多くて使いやすいです。
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マイナビ保育士[公式]
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- 転職エージェントより求人数が多いため求人比較に便利
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それぞれのサービスの特徴は以下でまとめたので、転職を考えている人は参考にしてください。
子供が好きで保育士になった人も、より理想の保育をするため、自分の人生を充実させるために役職を目指しましょう。何年目で役職になれるかはあなた次第です。
まずは職務分野別リーダー、専門リーダー、副主任、主任というステップがあることを理解してください。