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本ページにはプロモーションが含まれます。現役保育士はおよそ60万人で、離職率は毎年10%ほど。離職した保育士の7-8割が保育園・幼稚園など保育業界内で転職して、残りは一時休職または異業種に転職します。
異業種転職をする保育士は1割しかいません。このように保育士から違う仕事に転職することは一般的ではないため、不安や疑問でいっぱいな人は多いです。
- 保育士から違う仕事に転職する流れを知りたい!
- 保育士が異業種転職するメリット・デメリットを教えて。
- 保育士からどんな仕事に転職するのがおすすめなの?
保育士を辞めて違う仕事に挑戦したいけど、異業種転職に不安や疑問を持っている人はこの記事を最後まで読んでください。
保育士から違う仕事に転職する流れと注意点、保育士がよく転職する事務や医療事務などの仕事の特徴についてお話します。また、個人的なおすすめ度も紹介しますね。
保育士、幼稚園教諭、保育教諭歴20年以上。幼稚園、保育園、認定こども園など転職して述べ500人以上の園児を保育し、保護者の相談に答えてきました。両親・祖母が教師・保育士なので、保育士は多分天職です。
詳しいプロフィール
保育士から違う仕事に転職するときの流れと考え方
保育業界内で転職経験があっても、保育士から違う仕事に転職するのは不安。ましてや初めての転職だと、転職方法自体がわからず不安ですね。
そのため異業種転職の流れを押さえて、スムーズに転職できるようにしましょう。
- 異業種転職の流れ1.保育士から違う仕事に転職する理由を明確にする
- 異業種転職の流れ2.培った保育スキルや経験が活かせないか確認する
- 異業種転職の流れ3.実際に求人を調べて転職したい仕事を検討する
- 異業種転職の流れ4.転職したい仕事を決めて転職活動を開始する
- 異業種転職の流れ5.求人情報を絞り込んで面接を受ける
異業種転職の流れ1.保育士から違う仕事に転職する理由を明確にする
いちばん大切なことは、保育士から違う仕事に転職する明確な理由を持つことです。
給料が安い、残業が多い、休みが取りにくい、人間関係が悪いなどは保育士の退職理由ランキングの上位ですが、これらは保育業界で転職しても解決できる悩みばかりです。
そのため保育士資格や保育経験を捨てて異業種に転職する意味があるか、挑戦して何を得られるか、保育士として培った何を捨てるのかなど十分に考えてください。
- 保育士資格や保育経験を捨てて異業種に挑戦する意味がある?
- 保育士から異業種に挑戦をして何を得られる?
- 保育士が異業種に転職したら何を捨てることになる?
異業種転職の流れ2.培った保育スキルや経験が活かせないか確認する
今持っている保育士スキルや保育経験を転職したい異業種に活かせないか考えましょう。
保育士スキルや保育経験を活かせない場合は何が足りないか、何を準備する必要があるかを理解できれば、待ち受ける困難にも立ち向かえます。
以下は保育士が身につけられるスキルの一例です。これらの保育士スキルが転職したい異業種に活かせるなら、不安な気持ちも和らぐはずです。
- 子供の様子を見る視野の広さ
- 子供の異変に気付く記憶力と観察力
- 子供の病気や症状に対する知識
- コミュニケーション能力
- 感情的にならない我慢強さ・冷静さ
- ピアノ・歌・ダンスなどリズム感
- 製作の能力、発想力
- 子供の流行り物や育児などの知識
- 字をきれいに書く能力
- 人の長所を見抜いて褒める能力
保育士を続けることで身につくスキル(身につけた方が良いスキル)は、以下を参考にしてください。
異業種転職の流れ3.実際に求人を調べて転職したい仕事を検討する
保育士以外の仕事を総合的に調べるなら、リクルートエージェントとリクナビNEXTがおすすめです。
リクルートエージェントは求人紹介から転職後のフォローまで担当者が支援してくれる転職エージェント、リクナビNEXTは担当者がつかないで自分のペースで転職できる転職サイトです。
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自分のペースで転職できる!別のエージェントからオファーが来ることも!
また、マイナビ保育士は異業種転職をサポートしています。保育士を熟知しているため、保育経験や保育士資格を異業種で活かすアドバイスもしてもらえます。
以下公式サイトから無料で登録・利用できます
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特徴や口コミは以下が参考になります
- マイナビ保育士の口コミを見る
異業種転職の流れ4.転職したい仕事を決めて転職活動を開始する
仕事の背景や働き方、勤務時間や年収の目安、働くメリット・デメリットなどをある程度把握したら、本格的に転職活動を始めます。
その際、なるべく保育園を辞めずに働きながら転職活動を進めてください。働きながら転職活動をする理由は以下を参考にしてください。
異業種転職の流れ5.求人情報を絞り込んで面接を受ける
条件に合う求人を転職エージェントに紹介してもらったら、次は面接を受けます。転職エージェントは履歴書・職歴書の書き方や面接応対などのサポートをしてくれます。
転職エージェントを頼ることで、働きながらでも効率的に転職活動を進められます。トラブルなく転職活動ができれば、3ヶ月以内に内定をもらえるはずです。
保育士から違う仕事に転職するメリット・デメリット
異業種転職のメリットは人によって変わります。ただ保育士以外の仕事に給料など待遇面のメリットを期待するなら、慎重に求人を選んでください。
待遇改善を求めて保育士から違う仕事に転職したい人は多いですが、最近の保育士は以前より待遇が良くなって働きやすくなりました。そのため、以下ははすべて幻想です。
- 保育士より他の仕事の方が給料が高い
- 保育士より他の仕事の方が残業が少ない
- 保育士より他の仕事の方が休みが取りやすい
- 保育士より他の仕事の方がストレスがかからない
異業種転職したい人は、メリットよりデメリットに目を向けて心構えを作った方が良いですよ。
- 未経験の仕事は年齢関係なく給料が低くなりがち
- 勉強しなければいけないことが多く時間が必要
- 仕事によっては成果を求められるのでストレス
- 子供の癒やしのようなものは期待できない
未経験の仕事は年齢関係なく給料が低くなりがち
保育士の給料が特別安いと勘違いしないでください。たとえば令和2年度賃金構造基本統計調査によると保育士の平均月給は24.98万円、ボーナス含む平均年収は374.5万円となっています。
年齢 | 勤続年数 | 実労働 | 超過実労働 | 月次給与額 | 年間賞与等 |
---|---|---|---|---|---|
37.6歳 | 7.7年 | 168時間 | 2時間 | 24.98万円 | 74.74万円 |
平均年収が370万円ということは、370万円より年収が高い保育士もたくさんいるということ。一方、保育士より平均年収が安い仕事もたくさんあります。
しかもあなたは未経験の仕事に挑戦しようとしています。未経験なので年齢は関係ありません。そのため初めから高い給料を望むことは難しいでしょう。
勉強しなければいけないことが多く時間が必要
あなたは保育士になるために学校に通ったり、資格試験の勉強をがんばりました。また保育士になって、多くの失敗や理不尽な経験もしましたね。それらが今の糧になっています。
あなたが今から転職する未経験の仕事も、初めは失敗や理不尽な経験をします。とくに保育士経験やスキルと関係ない仕事だと、新卒と変わらないレベルかも。
そのため、失敗したくないから今は勉強しなきゃ!と考えて失敗しないように本を読んだり、先輩に教えてもらうなどたくさんの勉強が必要です。
仕事によっては成果を求められるのでストレス
仕事は大きく2種類に分かれます。1つは保育士やスーパーのレジ打ちのように役割をこなす仕事、もう1つは営業職などのように成果を求められる仕事です。
役割をこなす仕事の中では、保育士は忙しくて責任が重い部類に入ります。ただ、成果を求められる仕事には別の責任感や緊張感があります。
たとえば営業職の場合、成果を出さないと高い給料は望めません。しかも売上を作らないと会社も成長しません。常にノルマもあるので、保育士以上のストレスを受ける人も多いです。
子供の癒やしのようなものは期待できない
保育士ほど子供と一緒に過ごす仕事はありません。そのため子供が好きで保育士になった人は、保育士を辞めてから子供の存在が癒やしになっていたことに気付きます。
働く中で癒やしを得られる仕事は、保育士以外になかなかないと思います。
保育士から違う仕事に転職する際の候補
以下は保育士が異業種転職で候補になりやすい仕事です。それぞれの仕事のおすすめ度(5点満点)もつけましたが、あくまで個人的な意見です。
- 一般事務員
- コールセンタースタッフ
- 営業・営業補助
- 飲食業ホールスタッフ
- アパレル・服飾店員
- 子供服・雑貨店の店員
- 医療事務
- アミューズメントスタッフ
- ベビーシッター
- 子供向けの塾や習い事教室の先生
一般事務員
おすすめ度|★★★★☆
企業の一般事務職は女性に人気の仕事です。一般事務職はピンキリですが、良い職場が多いのは地元密着の大手企業か上場企業の支店・営業所です。
大手企業や上場企業の事務は給料がそこそこで、休みも取りやすく、定時で帰れる安定した仕事です。いきなりの正社員は少ないですが、中堅以上の企業なら安定して働けます。
パートや派遣で入って、正社員登用を狙うのもアリですね。近年の同一労働同一賃金、有給休暇の義務化によってパート社員の待遇も良くなっています。
一般事務員は事務処理能力が必要なので、計算や書類を早く読むスキル、パソコンスキルも欠かせません。中小企業の場合、事務員が一番パソコンに長けていることも珍しくないです。
コールセンタースタッフ
おすすめ度|★★★☆☆
コールセンターには商品紹介や商品営業をするアウトバウンド、サポートセンターやヘルプデスクをするインバウンドがあります。こちらもパートや派遣需要が高い仕事です。
顔が見えない接客業なので難しさはありますが、商品営業はガチャ切り、サポートセンターはクレーム……など、慣れるまでは毎日ストレスが溜まることも覚悟しましょう。
コールセンタースタッフが正社員登用されるには、アウトバウンドで営業成績をあげるか、インバウンドで新人指導ができるようトークスキルを高める必要があります。
営業・営業補助
おすすめ度|★☆☆☆☆
営業や営業補助は未経験でも転職しやすい仕事です。営業職を求める会社は、とりあえず採用して使えそうか判断することが多いですね。
商品・サービスにもよりますが、営業は基本的に断られる前提なので保育士以上にストレスが溜まります。ただし成果で高い給料も見込めるので、自信がある人は挑戦してください。
営業は商品やサービスを販売する仕事なので単純にコミュニケーション能力が高いだけではなく、売り込みをかける精神力も必要です。
飲食業ホールスタッフ
おすすめ度|★★☆☆☆
飲食業のホールスタッフも未経験で転職しやすい仕事です。大手の飲食業の中には保育士以上に仕事が過酷で拘束時間が長い企業もあるので、仕事選びは慎重に。
保育士とは違って頼られる仕事ではないので、当たりが強いお客さんもいますし、空気のように扱われることも珍しくありません。
接客が好きな人、まかないで食費を減らしたい人、出会いを求める人に向いています。最初はパートやアルバイトなので、正社員を目指すなら店長を目指すくらいの目線が必要です。
アパレル・服飾店員
おすすめ度|★★☆☆☆
保育士を辞めてアパレル店員になる人も多いですね。もともとおしゃれが好きで保育士でできなかった分、好きな服に囲まれた仕事がしたいと思うようです。
ただアパレル店員は想像以上に大変ですし、ある程度のブランドだと売上ノルマがある店舗も多いです。服装もフリーではなく、社割で一式揃える必要があるのでお金もかかります。
アパレル店員に必要な能力はコミュニケーション能力と営業力ですね。アパレル店員は給料も安めなので、洋服やおしゃれ好きな人以外はおすすめしません。
子供服・雑貨店の店員
おすすめ度|★★★★☆
同じアパレル関連でも、子供服を扱っていると少し保育士の仕事に近い気はします。ただ保育士のように子供の相手をすることは少ないですし、保育スキルが活きるわけでもありません。
大人用の服とは違い、子供服には販売ノルマがある店舗は少ないです。こちらもパートやアルバイトがメインですが、まれに正社員募集もあります。積極的な接客が少ない分、給料はさらに安くなります。
医療事務
おすすめ度|★★☆☆☆
意外と知らない人も多いですが、医療事務は資格がいりません。ただし事務処理能力やパソコンの扱いに加えて、レセプト管理やクラーク業務など専門知識が必要な仕事もあります。
そのため、医療事務経験者や医療事務認定実務者などの民間資格を持ってないと正社員登用は難しいでしょう。また、事務処理が主な仕事なので給料は一般事務と変わりません。
資格を持っていても給料は変わりませんが、資格を取るように言われる職場も多いです。さらに医師は変わり者が多いと言われているので、その面でも心配なところ。
アミューズメントスタッフ
おすすめ度|★★☆☆☆
アミューズメントスタッフは幅が広い仕事ですね。身近ではパチンコ屋、ゲームセンターなどですが、ディズニーランド、USJなどのテーマパークもアミューズメントスタッフです。
前者は転職がかんたんですが、スタッフが人を楽しませる要素は皆無で子供とも縁遠い仕事です。後者は転職が難しいですが、子供との距離が近く保育士の経験を活かしやすい仕事です。
アミューズメントスタッフは、華やかなように見えて体が資本です。立ちっぱなしで力仕事もありますし、常にお客さんの前にいるので手を抜くこともできません。
ベビーシッター
おすすめ度|★★★☆☆
乳児保育士として活躍していた人は、保育士スキルが活かせるベビーシッターも転職候補です。
ただ最近は専門職ではなく、家事代行の一サービスとしてベビーシッターをする会社が増えています。そのため、家事全般が好きなことが仕事を続けられるコツですね。
ベビーシッターはパートやアルバイトなど非正規雇用が多いので、一時的な腰掛けで考えましょう。
子供向けの塾や習い事教室の先生
おすすめ度|★★★★★
英語やそろばん、習字、ピアノなど一芸に秀でていれば、塾や習い事教室の先生として働けます。子供相手の仕事+自分の得意分野が活かせるので、楽しく仕事ができる人は多いと思います。
給料はあなたが持っている一芸の需要とスキル、その塾・習い事教室のレベルによりますね。需要が高い習い事は、英語やピアノなどです。
プログラマー・エンジニア
おすすめ度|★★★★☆
10年後、20年後は今よりもさらにパソコンスキルが必要になります。どの業界もパソコンスキルやプログラム、システムの知識がないとスキルアップができない時代が来ます。
パソコン初心者でも、今から覚えて遅くはありません。さらに自分の子供にパソコンの重要性を伝えて、子供のうちから慣れさせるためにも、あなた自身が習得する必要があります。
プログラマー・エンジニアは今回紹介した中でもっとも給料が高いですね。年収400-500万円以上、やり方次第で700-800万円~も目指せます。
保育士から違う仕事に転職するか迷っている人へ
と思って異業種の転職活動を始めて、「あれ……?保育士より大変そう……。」と気付く人もいます。
途中でそんな状況に陥らないためにも、まず気持ちを整理して「保育士を辞めたいのか、今の保育園を辞めたいのか」をはっきりさせた方が良いと思います。
と心配な人は、以下の保育士を辞めて良かったこと、辞めて後悔したことを参考にしてください。
転職は確定しているけど他の保育園で保育士として転職するのか、異業種に転職するかを迷っている人は、先ほど紹介したマイナビ保育士に相談してください。
保育士が異業種転職で注意した方が良いこと
たまたま楽で待遇が良い仕事もありますが、通常は未経験の仕事は難しいですし、慣れるまでに時間もかかります。
そのため保育士から違う仕事に転職したい人は、その仕事をよく調べて必要なスキルを磨きましょう。そのあたりも転職エージェントにアドバイスをもらえば良いと思います。
- リクルートエージェント
非公開求人が業界最大約15万件!転職のプロのアドバイスが得られる! - リクナビNEXT
自分のペースで転職できる!別のエージェントからオファーが来ることも! - マイナビ保育士
関東の転職には必須!関東の保育園情報を網羅していて、サポートも厚い。実績も◎
» マイナビ保育士の口コミを見る
個人的には保育士は保育業界での転職がおすすめです。せっかく取得した保育士資格や幼稚園教諭免許を活かさないのはもったいない。
保育士は給料が安い、残業が多いという先入観を捨てれば、待遇が良い保育施設は見つかります。保育士以外にも子供と関わる仕事はあるので、興味がある人は以下を参考にしてください。