離職率が高い保育園と低い保育園の違い

保育士のお悩み

実は保育士の離職率は低かった!じゃあなんで保育士足りないの?

投稿日:2019年10月24日 更新日:

この記事は約 10 分で読めます

まーさ
保育園に保育士が足りないのって、保育士の離職率が高いからだよね?

いいえ。勘違いしてる人もいますが、保育士の離職率は割と低いです。保育士は毎年少しずつ増えてるんですよ。
みやこさん

わたしも調べるまでは保育士の離職率は高いと思ってましたが、イメージほど離職率は高くありません。

「保育士はブラック」「保育士は離職率が高い」など、世間のイメージに騙される人は多いです。そのイメージのせいで保育士を辞めたり、復帰を躊躇する人がいるのはもったいないです。

保育士の離職率が低くて保育士が足りない理由を知ると、今が保育士として復帰するタイミング、良い待遇で働くチャンスだとわかるはずです。

  • 保育士の離職率ってどれくらい?他の職業との違いは?
  • 離職率が低いのに保育士が足りないのはなんで?
  • じゃあ保育士不足を解消するにはどうしたらいいの?
これを教えて!

保育士の離職・就労状況を知ることは、今後のあなたの身の振り方を考える上で大きな参考になります。

とくに保育士を辞めたい・違う保育園に転職したいと思っている人にとって大切な話なので、最後まで読んで少し先の将来に役立ててください。

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保育士の離職率はどれくらい?計算方法は?

保育士の離職率はどれくらい?計算方法は?

それではまず、保育士の離職率とその他業種の離職率を比較してみます。
みやこさん
  • 保育士の離職率は10.3%!日本全体と比較
  • 離職率の計算方法とかんたんな事例

保育士の離職率は10.3%!日本全体と比較

厚生労働省の「入職と離職の推移」によると、平成27年度の保育士の離職率は10.3%(公営7.1%、私営12.0%)です。と言われてもピンと来ないですよね。平成28年度の日本全体の常用労働者の離職率は15%です。

まーさ
全体の平均離職率が15%なら、保育士の離職率10.3%って結構低いよね。

そうなんです。私立保育士にしろ公務員保育にしろ、離職率は結構低いんです。
みやこさん

離職率の計算方法とかんたんな事例

まーさ
えーっと……そもそも離職率ってなに?どうやって計算するの?

離職率とは、年初の常用労働者(働いている正社員やパート)の数に対して離職した割合のことです。一方、入職した割合のことを入職率と言います。

10万人働いている会社で年間2万人辞めれば、離職率は20%です。この会社の入職率(採用率)が20%より低いと、全体の社員数が減ります。

たとえば、離職率が20%で入職率が15%の会社だと社員数は9.5万人になります。

まーさ
保育士の離職率が低くても、採用率が低かったら保育士は減るんじゃないの?

その通りです。そのため離職率だけ見ても仕方がありません。採用率も合わせてみることが大切です。
みやこさん

保育士の採用率と離職率の内訳を見てみる

保育士の採用率と離職率の内訳を見てみる

では、もう少し詳しく保育士の採用率と離職率の関係を見てみましょう。
みやこさん

保育士の採用率と離職率の内訳を見て、今までのイメージを少し変えてください。

  • 保育士の採用率と離職率の関係
  • 保育士より離職率が高い仕事・業界
  • 保育士の離職率が高いのは新卒1年目

保育士の採用率と離職率の関係

平成27年度の厚生労働省の資料によると、保育士の採用者は4.8万人(採用率15.2%)、退職者数は3.2万人(離職率は10.3%)なので、保育士は差し引き1.6万人も増えています。

勤務者 採用者数 採用率 退職者数 離職率
全体 320,196人 48,733人 15.20% 32,823人 10.30%
 うち公営 116,862人 11,904人 10.20% 8,330人 7.10%
 うち私営 203,334人 36,829人 18.10% 24,493人 12.00%

ちなみに、公立保育園より私立保育園の方が離職率が高いです。やっぱり公務員保育士は給料も高くて待遇も良いため、就業状況も安定してますね。

とは言え公務員保育士3600人に対して私立保育士は12000人増えているので、それだけ保育士の需要が高く、保育士の就労意欲も高いことがわかります。

保育士より離職率が高い仕事・業界

保育士と比較するために、離職率が高いと言われる業界を並べてみます(平成27年度雇用動向調査|厚生労働省調べ)。

  • 飲食・宿泊業界(離職率30.0%)……居酒屋店員、宿スタッフなど
  • 娯楽・サービス業界(離職率20.3%)……パチンコ店員、カラオケ店員、美容師など
  • 不動産業界(離職率15.9%)……不動産会社社員など
  • 教育・学習支援業界(離職率15.0%)……教材販売員、塾講師など
  • 医療福祉業界(離職率14.8%)……看護師、介護士、保育士など

保育士より離職率が高い業界・業種はたくさんあります。保育士は5番目の医療福祉業界に含まれます。

ただ、保育士の離職率10.3%に対して医療福祉業界の離職率は14.8%です。つまり保育士に比べて看護師、介護士の離職率が相当高いことがわかりますね。

まーさ
わたしの体感でも20人保育士がいたら1年で1-2人辞めて1-2人入ってくるから、それほど遠くないかな。

保育士の離職率が高いのは新卒1年目

保育士の離職率は全体で見るとそれほど高いわけではありません。ただ、保育士は新卒1年目の離職率が高いという意見を聞くこともあります。

まーさ
たしかに新卒の保育士が「もう保育園辞めたい」っていう話はよく聞くかも。

そこで調べた所、新卒1年目の保育士の離職率について以下のデータがありました。この離職率調査は、保育者養成校の卒業生を対象にした調査です。

全国保育士養成協議会(2009)の大規模調査では、保育士養成校を卒業して保育職に就職した者のうち4分の1が2年足らずで一度退職を経験していることが示されており、卒後2年の間に退職するものは20%前後というのが共通した実態といえる。
横山ら(2016)は、卒後何年目で退職したかも含めてデータ収集を行っている。それによると、卒後1年目の離職率は15.4%であり、他の年度よりも高くなっている(2年目11.1%、3年目9.2%、4年目8.3%)。このことから、横山ら(2016)は、卒後1年目の離職が全体に占める割合としては大きいと指摘している。

保育者の早期離職に関する研究の動向 : 早期離職の実態、要因、防止策に着目して

調査によると保育士1年目の離職率は15.4%、2年目11.1%、3年目9.2%、4年目8.3%と推移していて、仕事の慣れとともに離職率も減少しています。

たしかに保育士1年目の離職率は高めですが、この傾向は他の職業にも当てはまるので保育士だけが特別とは言えません。詳しくは以下を参考にしてください。

まーさ
なるほどね。じゃあ離職率は低くなくて保育士も増えてるのに、なんで保育園に保育士が足りないのかな?

離職率が低いのに保育園に保育士が足りない理由

離職率が低いのに保育園に保育士が足りない理由

保育士の離職率が低いのに保育士不足と言われると、違和感を感じますよね。保育園が保育士不足なのは、以下の理由があるためです。
みやこさん
  • 保育園の数が増えているため
  • 待機児童数が減っていないため
  • 保育ニーズが多様化しているため

保育園の数が増えているため

1つ目の理由は、保育施設の数が増えているからです。

と言っても実際は保育園は減って、地域型保育事業や認定こども園が増えています。厚生労働省の資料で平成22年と平成29年を比べると、保育施設自体の数は40%も増えています

保育所等数の推移

保育所等関連状況取りまとめ(平成29年4月1日)|厚生労働省

保育士が不足しているのは、保育施設が増えて保育士の雇用枠が増えたことに対して、働く保育士が不足しているということですね。

まーさ
うーん……少子化で子供の数が減ってるのに、なんで保育園増やしてるの?

待機児童数が減っていないため

これだけ保育園を増やして毎年保育士も増えているのに、まだ保育園が足りない、保育士が足りないと言われるますよね。その理由は、保育を受けたい待機児童数が減っていないからです。

まーさ
えー、でも待機児童は減ってるってニュース見たんだけど……。

これまで表に出ていた待機児童は減ったんですが、隠れ待機児童(潜在待機児童)は今も増えています

保育所等の定員・利用児童数等の状況

保育所等関連状況取りまとめ(平成29年4月1日)|厚生労働省

これまで次の家庭の子供は、待機児童にはカウントされていませんでした。

  • 保護者が育児休業中(7229人)
  • 特定の保育所を希望している(3万5985人)
  • 求職活動を休止している(7177人)
  • 自治体が補助する保育サービス(東京都認証保育所や保育ママなど)を利用している(1万6963人)

育休中の待機児童はカウントされるようになりましたが、その他の待機児童はまだ6万人もいます。これ以外にも、保育園に入ること自体を諦めている家庭の子供は待機児童に含まれません。

保育ニーズが多様化しているため

以前と比べて保育ニーズが多様化しているのも、保育士不足の原因になっています。個人的には保育ニーズの多様化が保育士不足の一番の原因であり、保育士が忙しい原因だと思っています。

保育ニーズの多様化とは延長保育、早朝保育、深夜保育だけじゃなく、アレルギーや障害児対応の増加、また虐待や貧困の増加などに対して専門知識を持つ保育士の必要性が高まっていることです。

それによって保育士の負担が増しているため、少子化傾向があるにもかかわらず保育士をもっと増やした方が良いと言われています。

まーさ
子供の数は減ってるけど保育園が必要な子供が増えてたり、保育ニーズが多様化してるから保育士が足りないってことだね。

そういうことです。離職率が低くて保育士の数が増えていても、もっと保育士が必要な状況なんです。
みやこさん

保育士を増やすには待遇改善とイメージ改善が必要

保育士を増やすには待遇改善とイメージ改善が必要

まーさ
じゃあ、どうすればもっと保育士は増えるのかな。

一番かんたんなことは潜在保育士が復帰してくれることですね。
みやこさん

保育士を増やす一番手っ取り早い方法は「保育経験がある保育士に復帰してもらうこと」「保育士資格保有者に保育士をしてもらうこと」です。

保育士資格を持つ潜在保育士は70万人以上います。ただし、潜在保育士が復帰するには保育士の待遇改善とイメージ改善が必要です。

  • 転職が当たり前になれば待遇改善は実現する
  • 今の保育士の待遇を知ればイメージが変わる

転職が当たり前になれば待遇改善は実現する

今は保育士の有効求人倍率が高く、転職しやすい環境です。ところが離職率が低いということは、まだ転職に抵抗がある保育士が多いとも言えます。

保育士が良い環境を求めて転職が活発になれば、保育園は良い待遇で保育士を雇うしかありません。保育士の離職率は上がりますが、それ以上に入職率が増えるので潜在保育士も働きやすい環境になります。

まーさ
今より保育士の離職率が増えた方がいいってこと?

保育業界内で転職が活発になるなら、離職率が増えた方が保育士の待遇改善につながる可能性があるということです。
みやこさん

今の保育士の待遇を知ればイメージが変わる

また、保育士に対する悪いイメージも変えないといけません。保育業界は前より待遇が改善されています。ところが、マスコミなどが保育士の悪いイメージを作っている部分もあります。

たとえば保育士は給料が低いと言われますが、厚生労働省の資料で平成29年度と平成30年度の保育士の平均年収を比べると上がっていることがわかりますね。

順位 都道府県 平成30年度 都道府県 平成29年度
1位 東京都 434.1万円 京都府 401万円
2位 京都府 409.8万円 東京都 394万円
3位 千葉県 397.2万円 愛知県 372万円
4位 神奈川県 384.3万円 岡山県 363万円
5位 岡山県 384.3万円 滋賀県 359万円

東京だけを見ると保育士の平均年収はたった1年で7.5%ほど上がっています。あなたの給料が1年で7.5%上がったとイメージしてみてください。

業界内でこれだけ給料が上がったらかなり待遇改善が進んでいることになりますが、一般の人どころか保育士でもこの事実を知らない人はたくさんいますよね。

わたしも保育業界で何度も転職してますが、働く環境や待遇は以前より良くなっています。

「でもうちの保育園は離職率高いんだけど……。」という人は、以下を参考にしてあなたの保育園に離職率が高い特徴がないかチェックしてみてください。

保育士不足の状況は転職や復帰に強い追い風

保育士不足の状況は転職や復帰に強い追い風

というわけで保育士の離職率は全体平均より低いのですが、保育業界が良くなるにはもう少し離職率が上がって業界内転職が増えた方が良いということです。

これだけ保育士不足の中で、この状況がずっと放置されることはありません。現に保育士の給料は5年間で13%も上がっています(年収換算で50万円!)

まーさ
わたし給料上がってないんだけど……。

という人は、あまり良い環境とは言えません。今の保育園に留まったままでは待遇も変わりません。どちらにしても、保育士が足りない状況は保育士の高待遇での転職に追い風です。

ちなみに保育士バンクの調査(2018年11月)では、保育士の76.9%が転職を経験しています。内訳は「1回以上」30%、「2回以上」18.5%、「3回以上」27.7%でかなりの割合ですよね。

まーさ
なるほど。じゃあ、今の保育園に不満があるなら転職を検討してもいいってことだね。

そうですね。ただいきなり転職するのではなく、まずは転職サイトや転職エージェントで今の転職状況を確認してからの方が良いですね。
みやこさん

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それぞれの特徴は以下でまとめたので、転職を視野に入れている人、保育園に不満がある人は早めに読んで参考にしてください。

保育園に保育士が足りなくて、毎日忙しい人は多いと思います。その一方で、小規模保育園や事業所内保育所などで余裕を持って仕事をしている保育士もたくさんいます

保育士が足りない今の状況は、見方を変えれば転職で待遇を変えるチャンスです。給料などの待遇が良く、離職率が低い保育園を探すなど今の状況と理想の働き方を見直してみましょう。

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みやこさん

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