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本ページにはプロモーションが含まれます。保育士が辞めるのは年度末3月が基本ですが、全員が年度末に辞めるわけじゃありません。いろんな理由で年度途中に突然辞める人もいます。わたしも何度か年度途中で辞めたことがあります。
年度途中に辞めることは心苦しいですが、仕事を辞めるのは労働者の権利。責任感が強すぎると心身を壊す原因になるので、無理せず限界前に辞める決断をしてください。
ただ年度途中で保育園を辞めるとしても、辞める前にやった方が良いこと、やっちゃいけないことがあります。これは社会のルールや良し悪しではなく、あなたのためのお話です。
- 保育園を今すぐ辞めたいときって何すればいいのかな。
- そもそも年度途中に突然辞めていいのかな……責任感じる……。
- 辞めたいけど決断できない……どうすればいいんだろう。
など保育士を辞めることに不安や疑問がある人は、この記事を最後まで読んでください。安心して保育園を辞めるための準備について詳しく解説します。
本記事は年度途中で辞めてしまう保育士に必要な内容ですが、年度末に辞める保育士にもしっかり読んで参考にしてもらいたい内容です。
なおこの記事は、保育園を辞める前の準備について知りたい人が読む記事です。保育園を退職する時期や園長に退職を伝えるタイミングを知りたい人は、以下を参考にしてください。
保育士、幼稚園教諭、保育教諭歴20年以上。幼稚園、保育園、認定こども園など転職して述べ500人以上の園児を保育し、保護者の相談に答えてきました。両親・祖母が教師・保育士なので、保育士は多分天職です。
詳しいプロフィール
保育園を突然辞める前にやった方が良いこと
正当な辞めたい理由があっても保育士が年度途中に辞めるのは不安ですし、突然の退職を伝えるのも怖いですよね。その不安を少なくするために以下のことをやってください。
退職にあたって絶対やらなければいけないことではなく、やった方が良いことです。
- 仲の良い保育士に現状を相談(報告)する
- 保育園に待遇や働き方の改善を訴える
- 心療内科などで診察を受けておく
- 保育園を辞めても可能な限り引き継ぎする
- (嘘でも良いので)退職理由を明確にする
仲の良い保育士に現状を相談(報告)する
自分の現状(辞めたい理由)を仲の良い同僚保育士に相談してください。もちろん相談して悩みなどが解決するわけではないので、退職を報告する意味合いですね。
現在抱えている悩みや辞めたい理由など背景を誰かに知っておいてもらわないと、急な退職で「あの人は勝手に辞めた」と思われるかもしれません。
保育園に待遇や働き方の改善を訴える
辞めたい理由が仕事の多さや人間関係などの悩みなら、突然辞めることを伝える前にポーズでもいいので改善を保育園に訴えてください。
保育園に現状の問題点を知ってもらい、辞めると言う前の種まきをしておくことが大切です。
保育園に一度辞めることを伝える
年度途中の退職を決意したら、早めに退職の意志と辞める理由を保育園に伝えます。退職願を書いても良いです。退職願の書き方を知りたい人は以下を参考にしてください。
退職の意志を伝えたうえで辞めさせてもらえないなら、突然辞めるのも仕方がないことです。ちゃんと順序を守ってるので、倫理的にも問題はありません。
心療内科などで診察を受けておく
精神的に不安定で辞めたい場合は、あらかじめ心療内科で診察を受けておきましょう。具体的な症状が出なくても、心療内科に通っているだけで辞める理由になります。
また精神的に不安定な原因がわからなくても診断書はもらえますし、医師から仕事を休むように指示をもらえるかもしれません。
保育園を辞めても可能な限り引き継ぎする
保育園を辞めても、まだ仕事を続けている同僚の保育士がいます。あなたが急な退職をすると同僚に負荷がかかるかもしれません。
もちろん負い目に感じる必要はないですが、可能なら保育園を辞めた後も電話などで引き継ぎに協力しましょう。それだけで、辞めた後もあなたの評価は良くなります。
(嘘でも良いので)退職理由を明確にする
保育園を辞めるときはただ「辞めたい」と伝えるんじゃなく、退職理由を用意してください。
その際、「給料が安い」「人間関係(が悪い)」「労働時間が長い」などが辞めたい本当の理由だとしても、嘘でも良いので「家庭の事情」「体調不良」「家族の反対」などを退職理由にしましょう。
退職理由は相手も納得できることが大切です。とくに園長からの引き止めが怖い人は、以下を参考にして円満退職を目指しましょう。
保育園を突然辞める前にやっちゃダメなこと
保育園を突然辞める可能性があるときは、年度末・年度途中関係なく以下をしてしまうと悪い印象が残るので注意してください。
- 保護者に保育園の悩みを相談する
- やる気がないからダラダラ仕事をする
- 辞めてから保育園の悪口を言う
保護者に保育園の悩みを相談する
保護者と仲良くなっても、保育園の内部事情を話すなど悩み相談をしてはいけません。あなたが不満を言ってスッキリしたいだけなら、関係ない他業種の友達にしてください。
あなたの主観で保護者に余計な不安を抱かせてはダメです。優しい保護者だと、保育園に嘆願する可能性もあります。もちろん、保護者が嘆願しても問題は解決しません。
やる気がないからダラダラ仕事をする
いくら心身が疲れていても、「どうせもう辞めるから。」という理由でダラダラ仕事をしないでください。それならまだ何か理由を作って、保育園を休む方がマシです。
ダラダラ仕事をすると同僚に迷惑がかかりますし、保育にも影響が出ます。辞めた後も「あの人は普段からやる気がなかった。」と悪い印象だけが残ってしまいます。
辞めてから保育園の悪口を言う
保育園の体験を事実として話すことは悪いことじゃないと思います。たとえば、転職のときに退職理由を聞かれたら、ある程度ほんとのことは言わないといけません。
ただ保育園の文句や愚痴に受け取られる発言は、あなたにとってマイナスにしかなりません。どれだけ理解してほしくても、愚痴や文句は聞いてて気持ちの良いものじゃないですよね。
そもそも保育士は年度途中に突然辞めても良いの?
保育園を辞める前にやった方が良いこと・辞める前にやっちゃダメなことを守っても、年度末以外で保育園を辞めることに抵抗がある責任感が強い保育士は多いです。
また「あなたには子供を保育する責任がある。」「途中で辞めるなんて責任感がなさすぎる。」など、園長や先輩保育士の声が怖くて辞められない人もいます。
これらはよく聞く意見ですが、本当に保育士を続けられるかどうかは、あなたにしか判断できません。
仕事に責任が伴うことは当たり前ですが、あくまでも仕事に伴う責任なので、辞めることを決めた保育士に及ぶ責任じゃありません。
わたしはそうは思いません。保育士が仕事の範囲内で子供を保育する責任を持つのと同じように、保育園も仕事の範囲内で保育士を守る責任があります。
「あなたには子供を保育する責任がある。」「途中で辞めるなんて責任感がなさすぎる。」と言う園長は、あなたが体や心を病んでも責任を取ってくれると思いますか?
保育園を辞めることに対して遠慮する必要はありません。順序さえ守れば、最悪メールや電話で退職を伝えても良いと思います。
ストレスや辛い気持ちで今すぐ保育園を辞めたいけど辞める決断ができない人、辞めることを迷っている人は、以下の流れでワンクッション挟んでも良いと思います。
保育園を辞めたいけど決断できない人はどうする?
保育園を辞めたい気持ちでモヤモヤが続くのは健康に悪いですし、保育にも影響が出ます。直視するのは辛いですが、退職する・退職しないを決断する材料を探しましょう。
- 仕事の悩み、ストレスの原因を特定する
- 仲の良い保育士や先輩保育士に相談する
- 心療内科などで診察を受けてみる
- 休職制度が使えないか確認・相談する
仕事の悩み、ストレスの原因を特定する
大切なことは、あなたが保育士の仕事で悩んでいることやストレスの原因を明確にすることです。
ただ自分でも悩みやストレスの原因が思い浮かばない人もたくさんいます。そのため、悩みの原因になりそうなことをピックアップしてみました。当てはまるものがあるか確認してください。
- 給料が安くて今の生活や将来がとても不安
- 仕事が忙しすぎて疲れが取れない、体が辛い
- 残業が多くて、自分の時間がまったくない
- 気分転換したいのに有給が取りづらい
- わたしばかり他の保育士とシフトを替えられる
- 保育園のシフトに体がついていかない
- 仕事ができなくて保育士に向いてない気がする
- 先輩保育士が怖くて、ビクビクしている
- 後輩保育士の物覚えが悪くてイライラする
- 保育士の派閥があって、間にいると気疲れする
- 同僚保育士の輪に入れない、浮いてる気がする
- 園長に保育相談をしても適当に流されてしまう
- 園長がすぐに怒鳴る、威圧感があって怖い
- 保護者に苦手な人がいて、あまり会いたくない
- 保護者のクレームが理不尽すぎて切れそう
- 園児がなかなか心をひらいてくれない
- 結婚したいのに、保育士だと出会いがない
- 子供が欲しいのに妊娠は順番性の雰囲気がある
- 家族や彼氏が保育士の仕事を理解してくれない
- 子供が病気がちで保育園に迷惑をかけている
- 原因はわからないけど、無性に寂しい
なんとなく原因がわかったら、次はその原因を解決するために動いてみましょう。
仲の良い保育士や先輩保育士に相談する
仕事の悩みやストレスの原因をある程度特定できたら、解決できるかどうかは関係なく仲の良い保育士や先輩保育士に相談してください。
仲の良い保育士や先輩保育士があなたの味方や心の支えになるかもしれませんし、悩みが解決するきっかけになるかもしれません(特に人間関係の悩みなど)。
ただしあくまでも仕事の悩みやストレスの原因が解決できるかどうか、またそれらの原因に心身ともに耐えられるかは自分の感覚を信じてください。
心療内科などで診察を受けてみる
同僚の保育士や先輩保育士に相談してもモヤモヤが晴れなかったり、精神的に不安定な場合は、思い切って心療内科で診察を受けるのもアリです。
先ほども話した通り、心療内科などの受診は円満退職をするための根回しにもなりますし、自分自身が区切りをつけるための免罪符にもなります。
具体的な解決方法がなかったとしても、専門家に話を聞いてもらうだけで胸のモヤモヤが晴れる可能性があります。
休職制度が使えないか確認・相談する
心療内科で診断を受けて「ストレス性の○○かもしれませんねぇ。」のような診断を受けた場合は退職をするきっかけになりますが、それでも辞める決断ができない人もいますね。
その場合は今の保育園で休職制度が使えないかを確認したり、今の状態を伝えたうえで休職制度が使えないか保育園に相談しましょう。
休職制度を使うには正当な理由と保育園の許可が必要です。心療内科で診断書を書いてもらえれば、休職ができる正当な理由になります。休職制度は以下を参考にしてください。
休職制度を使って休んでいる間に退職をするかどうかを考えてみましょう。
保育士は心と体が資本です。どちらも健全でないと保育士は続けられません。
保育士の需要はしばらく高いので退職して一定期間休んでも復帰はできますし、保育士以外でも保育士資格や保育経験を活かせる仕事はたくさんあります。
保育士疲れた…限界…の前に早めに動くことが大切
年度途中で保育園を辞めるのは仕方ないことです。結婚、出産、引っ越しなど突然の出来事は良いとして、心や体の問題だと辞めたいけど辞めづらいと考える人もいます。
無理をして心身がボロボロになり辞めざるを得ない状態に追い込まれる前に決断しないと、大切な時間を無駄に過ごすことになります。
ただ園長に強く引き止められたり、罵倒されて辞めにくい状況の人もいます。そもそも退職を伝えることが怖い人もいます。どうしても一歩が踏み出せない人は退職代行を使っても構いません。
退職代行とは、社員が会社を退職したいときに会社に退職の意思を伝えて退職手続きを代行するサービスのことです。退職代行を使った方が良いか知りたい人は以下を参考にしてください。
辞める決意したら、次は退職の流れを押さえて退職の準備をしてください。保育園を円満に退職したい人は、「あー、あれやっておけばよかった。」と後悔しないようにしましょう。
保育園に不満を感じたら、余裕があるうちに転職先も探してください。今の保育園は辞めたいけどまだ保育士を続けたい人は、わたしが使っていた転職エージェント・転職サイトを参考にしてください。
保育士の需要は高いので、給料が高く休みが取りやすい求人はたくさん見つかります。求人を探すだけでも選択肢が多いことがわかって、精神的に安心できます。