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自治体が行う子どもショートステイを知ってますか?
どうしても子供と何日かはなれなければいけないときに、知っておいた方が良いサービスです。もしものときのために、利用の条件、料金、時間帯などを押さえておきましょう。
保育士、幼稚園教諭、保育教諭歴20年以上。幼稚園、保育園、認定こども園など転職して述べ500人以上の園児を保育し、保護者の相談に答えてきました。両親・祖母が教師・保育士なので、保育士は多分天職です。
詳しいプロフィール
子どもショートステイ(短期入所生活支援)とは
子どもショートステイとは、乳児院や児童養護施設などで、複数日泊まりで子供を預かる子育て支援サービスのことです。
子育てをしていると、急用でお家を空けなければいけないときもあります。もし、それが遠方で子供を連れて行くことができなければ、誰かに預けるしかないですね。
ただ、近くに頼れる人がいないときは、どうすれば良いでしょう。そんなときに活用する子育て支援の一時預かりサービスが、子どもショートステイです。
今回は、各地方自治体で行なわれている子どもショートステイについてお話したいと思います。
子どもショートステイの利用基準・条件
子どもショートステイは、誰でも利用できるサービスじゃありません。利用条件などの詳細は自治体によって違うため、問い合わせたり、ホームページで確認してください。
利用の理由
子どもショートステイ利用のために必要な理由は以下の通りです
- 養育者の出産、病気、看護、冠婚葬祭、出張などで家庭での養育が困難なとき
- 養育者の育児不安、育児疲れ、看護疲れ等の身体上・精神上の理由で養育が困難なとき
- その他、とくに必要と認められるとき
利用ができない場合
子どもショートステイを利用できない理由は以下の通りです。これらは自治体だけでなく、施設が独自に決めている場合もあります。
- <子供がインフルエンザなどの感染症のとき/li>
- 子供が医療的ケアや介助を必要とするとき
- 子供が極度の多動など、集団生活が行えないとき
- 子供の施設内での問題行動により、支障があるとき
- 施設での受け入れ定員を超えたとき
子どもショートステイの利用詳細
子どもショートステイの利用要件は、自治体窓口に問い合わせたり、ホームページで確認してください。
以下、中野区の子どもショートステイを例にして、子どもショートステイの利用の特徴を見ていきます。
利用要件
中野区の子どもショートステイの利用要件は、中野区在住であり、保護者が入院、出産、親族の看護、出張などの理由で、子供の世話をすることが一時的に困難であることです。
子どもショートステイは病児保育じゃないので、健康状態によっては子供を預けられません。これは他の市区町村でも同様です。病児保育の詳細は以下を参考にしてください。
受入対象年齢
中野区の場合、子どもショートステイの受入年齢は、0歳から15歳未満の子供が対象です。受入年齢は自治体や施設によって、0歳から20歳未満の間で設定されています。
たとえば、乳児院の場合は0歳から6歳までの乳幼児、1歳以上の子供は児童養護施設などで一時的に預かります。
利用期間・休日
中野区の子どもショートステイは、1回利用につき乳児院で6泊以内、中野区さつき寮は10泊以内、1年度内で合計50泊までが限度です。休日の記載はないので、問い合わせる必要があります。
その他の自治体でも、1回利用で6泊以内(7日以内)が多いですね。休日は施設毎に決められてますが、土日の一時預かりをする施設も多くあります。
利用定員
中野区の子どもショートステイは、乳児院の定員が1日2名、中野区さつき寮の定員が1日3世帯までです。
自治体によっては、ホームページに受入施設の一覧と受入可能な定員が記載されていない場合もあるため、問い合わせが必要です。
利用料金
中野区の場合、生活保護受給世帯、市民税非課税世帯、一般世帯によって利用料金が違います。
市民税非課税世帯|3歳未満児は900円、3歳以上児は2,500円
一般世帯|3歳未満児は2,200円、3歳以上児は5,000円
また、利用(利用承認)の取消し・変更が宿泊予定日の前日午後5時以降になると、キャンセル料として1泊分の利用料金が必要です。
その他の自治体でも、年齢や世帯収入によって利用料金やキャンセル料の規定が変わります。その他、預かり内容で各種実費が必要になることがあるため事前に確認してください。
申込方法
どの自治体でも、事前登録の利用申請書(登録申請書)の記載が必要なので、身分証明書と世帯収入がわかる書類(非課税証明書など)、印鑑(認め印)、母子手帳を持って行きましょう。
中野区の場合は、入院の場合はその期間がわかる書類、勤務先からの出張命令書など、子どもショートステイの利用要件を確認できる書類が必要です。
また、子どもショートステイ利用前に、施設で親子面接が行われることもあります。自治体窓口の指示に従って、必要なもの(医療診断書など)を用意してください。
子どもショートステイの内容
施設での過ごし方
施設によって、子供の過ごし方は変わります。たとえば、養護施設では年齢に合わせた保育を行うことが多いため、基本的には施設外に出ることはありません。
また、施設によって、以下のように1日のスケジュールが公開されている場合があります。詳細は自治体窓口で尋ねてください。
08:30|登園
10:30|保育
12:00|昼食
15:00|自由遊び
17:00|入浴
18:00|夕食
19:00|余暇
20:00|就寝
必要な持ち物
施設の生活に必要な下着類、パジャマ類、着替え類、歯ブラシ、タオル、常備薬、健康保険証、乳幼児医療証など一式の他に、年齢に合わせておむつやミルクなどが必要です。
また、施設によって必要な持ち物は違うため、事前の確認と準備は忘れないようにしましょう。
病気や緊急時の対応
子どもショートステイに預けた子供が急な発熱やケガなどをした場合は、通常の保育園と同じで、ママなど保護者に緊急連絡が入ります。
その場合は、すぐに迎えに行かなければいけないため、そのことは忘れないようにしましょう。
子どもショートステイは使ってもだいじょうぶ?
子どもショートステイは、一時保育とは違って、ママと子供が何日か離れるときに使う子育て支援サービスです。そのため、子どもショートステイの利用に否定的な意見があることはわかります。
たとえば、中野区の子どもショートステイの利用上限は年間合計50泊ですが、これを「あー、じゃあ50泊まで子供を預けてもOK!」とストレートに受け取ってほしくはないです。
もちろん、子どもショートステイは、両親や家族など頼れる人がおらず、どうしようもないときに利用できるありがたいサービスなのは間違いありません。
そのため、悩んでストレスを溜めるよりは、ありがたく活用するべきだと思います。ただし、サービスに甘えて、子供の信頼を損ねることだけは避けるようにしましょう。
他にも、育児中のママを助けてくれる施設や子育て支援事業はいろいろあります。
これらの子育て支援事業や子育てを助けてくれる施設は、どのような人でも平等に使うことができます。
忙しさに追われているワーキングマザーだけじゃなく、たまには一人で息抜きをしたい人、突発的な用事で子供をみることができない人は積極的に活用してください。