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本ページにはプロモーションが含まれます。育児や出産で保育士を一時的に辞める人は多いですが、いざ保育士に復職を考えると怖いですし、「できれば復帰したくないなぁ……。」と不安に思います。
ましてや10年、20年ブランクがある潜在保育士が復職を考えるのは一大決心ですね。復帰して後悔しないために、いろいろ考えておきたいところ。
- 数年ぶりの職場復帰だから知識も体力もついていけるかな……。
- 前の保育園は人間関係悪かったしなぁ……次は大丈夫かなぁ。
- 保育士と子育て両立できるかな。育児だけでも大変なのに……。
- 保育士復帰のためにどんな準備すればいいのかな……。
わたしも2度の出産・子育て後にブランクありで職場復帰したので、不安な気持ちはよくわかります。「保育士はブランクありでも復職しやすい」なんて言われても心配ですよね。
そこでなぜ保育士はブランクありでも職場復帰しやすいのか、どんな準備をすれば保育士の復職が怖くなくなるのかをわかりやすく解説しますね。
保育士、幼稚園教諭、保育教諭歴20年以上。幼稚園、保育園、認定こども園など転職して述べ500人以上の園児を保育し、保護者の相談に答えてきました。両親・祖母が教師・保育士なので、保育士は多分天職です。
詳しいプロフィール
ブランクありの保育士は職場復帰の何が不安?
- 以前の保育知識でついていけるか不安
- 体力的・精神的についていけるか不安
- コミュニケーションがうまくとれるか不安
- 年齢的に受け入れてくれる求人があるか不安
- 子育てと保育士を両立できるか不安
以前の保育知識でついていけるか不安
保育の内容は常に変化します。基本的な保育は同じでも、家庭問題に対する接し方やアレルギー対応、障害児対応など子供一人ひとりのケアの方法は以前と違います。
もちろん乳児のお世話でも抱っこ方法やミルクの扱い方、離乳食など健康に関わる部分で昔の知識でNGなものはたくさんあります。
さらに保育のやり方も以前に比べて体系化されているため、覚えて慣れるまでに時間がかかることも不安を感じる要素ですね。
コミュニケーションがうまくとれるか不安
保育士は同僚や先輩との人間関係の良し悪しで仕事のやりやすさが全然違います。
とくにブランクありの保育士が職場復帰すると、たとえ経験豊富でもその保育園では若い保育士が先輩になります。そのため、上手くコミュニケーションがとれるか不安になります。
年齢的に受け入れてくれる求人があるか不安
たとえば、30歳で出産して10年子育てをすると40歳です。やはりそれだけブランクがある保育士の職場復帰となると、保育士求人自体があるかどうか不安になりますね。
体力的・精神的についていけるか不安
保育士の仕事は子供の相手や保護者対応で、体力的・精神的に辛い仕事です。忙しい中で健康も維持しなければいけないため、ついていけるか不安になる人は多いと思います。
特にブランクが10年、20年あれば、年齢が40-50代という人も多いですね。20代のように動けないのは普段の生活でわかっているので、体力的な不安がつきまといます。
子育てと保育士を両立できるか不安
ブランクありの潜在保育士を雇ってくれる保育園があったとしても、子供を育てながら保育士を両立できるか不安を感じている人も多いと思います。
ブランクありの保育士が復職しやすい理由
職場復帰を控えた保育士、復職を考えている潜在保育士には、先ほど話した以下の不安があります。
- 以前の保育知識でついていけるか不安
- 体力的・精神的についていけるか不安
- コミュニケーションがうまくとれるか不安
- 年齢的に受け入れてくれる求人があるか不安
- 子育てと保育士を両立できるか不安
これら職場復帰の不安を解消しつつ、ブランクありの保育士が復職しやすい理由をお話しますね。
- 保育士不足のため潜在保育士の需要が高い
- 子育ての経験や社会経験を保育に活かせる
- 多様な勤務体系によって自分に合う働き方ができる
- 保育知識を補うセミナー・研修が充実している
- 保育士の子供は優先的に保育園に入園できる
- 復職予定の保育士に金銭の支援制度がある
保育士不足のため潜在保育士の需要が高い
現在は全国的に保育士不足が続いています。保育士の有効求人倍率は3倍以上、東京に限ると6倍。これは求人数100人に対して17人しか応募がない状況です。
ブランクありの保育士は基本的な保育知識や技術があるため、即戦力と見なされます。保育知識や保育スキルが最新ではなくても、経験が浅い保育士より短時間で身につけられます。
子育ての経験や社会経験を保育に活かせる
ブランクありの保育士が出産・子育てを経験していた場合は、子育て経験を保育に活かせます。もちろん子育てと保育は別物ですが、共通部分もありますし、保護者とのコミュニケーションに活かせます。
また若い保育士より社会経験を積んで人付き合いに慣れていることも、保護者対応の大きな武器です。
多様な勤務体系によって自分に合う働き方ができる
保育士を辞めた理由が、子育てや介護のためなど時間が合わなかったという人は多いです。
今の保育士は正社員、パート、派遣だけじゃなく、固定シフト制、夜勤勤務、早朝勤務など、以前に比べて勤務体系が多様になったことで時間の縛りが減ってきました。
また転職サイト・転職エージェントが充実したことで、保育の知識やスキルを活かして院内保育、企業内保育、小規模保育、学童、乳児院、ベビーシッター、託児所など様々な求人も選べます。
保育知識を補うセミナー・研修が充実している
国や地方自治体は保育士不足解消を促進するために、ブランクありの潜在保育士が職場復帰しやすい環境を整えて復帰支援を行っています。
たとえば新しい保育を学ぶために、自治体の保育士・保育所支援センターが保育士向け無料セミナー・研修を行ったり、支援センターでは復職が不安な保育士の相談を受け付けています。
他にも有料ですが、民間企業で保育士向けセミナー・研修が開催されています。このように保育知識を補うセミナーや研修が充実したことが潜在保育士復帰の後押しになっています。
ちなみに、保育士キャリアアップ研修の「保育実践研修」も潜在保育士など保育現場で実習経験が少ない人が受ける研修です。詳しくは以下を参考にしてください。
保育士の子供は優先的に保育園に入園できる
国は「子育て安心プラン」の中で、育児との両立が心配、子供を保育園に預けられるか心配という保育士の助けとして、子供を優先的に入園させる「保育士等の子どもの優先入所等に係る取扱い」を平成29年6月から始めています。
- 保育施設の入園の可能性が高まる点数付けを行う
- 親が勤務している保育園に入園できるようにする
- 親の勤務地が違っても調整して子供を受け入れる
一部で保育士を優先することに反対意見もありますが、待機児童問題の解決には保育士不足の解消が必要です。保育士が1人復帰すると、その地域の待機児童が何人も減らせます。
復職予定の保育士に金銭の支援制度がある
保育士資格を持っていても、職場復帰のために先立つ物が必要な人もいますね。そのため国や自治体では、就職・復職予定の保育士に補助金・融資制度を行っています。
保育士就職準備金貸付制度
保育士就職準備金貸付制度とは自治体主導の融資制度のことで、就職・復職予定の保育士に対して以下の条件で最大40万円(自治体による)の融資を無利子で受けられます。
- 保育士登録後1年を経過していて、かつ保育施設に勤務したことがないもの
- 離職から1年以上経過しているもの
保育士就職準備金貸付制度の大きなメリットは、無利子というだけじゃなく、自治体の指定勤務先に2年間程勤務することで返済が免除になることです。
詳しくは自治体サイトの保育士就職準備金貸付制度のページを見るか、窓口に問い合わせてください。
未就学児保育料一部貸付制度
未就学児保育料一部貸付制度とは、未就学児の子育てをする保育士に対して就職や職場復帰から1年間は子供の保育料を無利子で貸し付けてくれる制度です。
こちらの融資金額は自治体が決めています。先ほどの保育士就職準備金貸付制度と同じで、自治体の指定勤務先に2年間程勤務することで返済が免除になります。
これら国の支援制度の他に、自治体が独自で奨学金制度を行っていたり、保育園に対する補助金制度を行っている場合があります。詳しくは、各自治体に問い合わせてください。
都道府県や自治体によって実施している融資制度は異なります。また保育士就職準備金貸付制度、未就学児保育料一部貸付制度以外にも保育士の復職を助ける融資制度はいくつもあります。
実施される融資制度は年度で違うので、自治体サイトで保育士の融資制度を確認してください。
ブランクありの保育士が職場復帰するための準備
ブランクありの保育士がスムーズに職場復帰するには、自分自身の準備を整えてから、理想の働きやすい保育園などの環境を探す必要があります。
- 保育士証の確認と書き換え・再発行をする
- 最新版の保育所保育指針を確認する
- 保育園の人間関係の良し悪しを事前に見極める
- 転職サイトでブランクあり求人を探す
保育士証の確認と書き換え・再発行をする
ブランクがある保育士が職場復帰するには、「保育士資格証明書」と「指定保育士養成施設卒業証明書」だけじゃなく「保育士証」が必要になりました。
そのため平成15年11月以前に保育士を辞めた人は、保育士証の交付を受ける必要があります。保育士証の新規登録には4200円、再交付には1100円の費用がかかります。
また保育士証を持っていても、結婚・離婚で名字や本籍地が変わった場合は書換えが必要です。保育士証の書き換えには1600円の費用がかかります。
保育士証の新規発行・再発行・書き換えは日本保育協会の登録事務処理センターで行います。手続きは郵送なので詳しくは以下を参考にしてください。
最新版の保育所保育指針を確認する
保育所保育指針とは、保育園の運営や保育士が行う保育の基本的な考え方を体系化した厚生労働省の指針のことです。
近年では平成20年に保育所保育指針が大幅に改定され、さらに平成30年にも新しく改定されています。平成30年の改定内容は以下で解説されているので確認してください。
保育園の人間関係の良し悪しを事前に見極める
あなたが保育園に合うかどうかは実際に働かないとわかりませんが、保育園の人間関係や雰囲気は事前にある程度見極められます。詳しくは以下を参考にしてください。
ブランクあり求人を転職エージェントで探す
保育士は有効求人倍率3倍以上の売り手市場なので、10年、20年のブランクでも復職できる求人がたくさんあります。
転職エージェントで探す場合は「ブランクOK」や「ブランクあり」などの絞り込みを使ってください。また、ブランクというキーワードで検索してもブランクあり求人が検索できます。
ブランクありOKの保育士求人は転職エージェントで探そう
先ほども話した通り、ブランクありOKの保育士求人は転職エージェントで探せますし、条件に合わせた求人を探して紹介してもらえます。
転職でもっとも大切な情報収集は転職エージェントに任せましょう。また転職エージェントを利用すれば求人探し、転職先との連絡、条件交渉などの手間も削減できます。
選び方がわからない人は、わたしが使っていたマイナビ保育士と保育士バンクを使ってみてください。公開求人数、拠点数、評価は以下の通りです。
サイト名 | 公開求人 | 拠点数※ | 転職フェア | 担当者 | サポート | 口コミ |
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マイナビ保育士 | 20,060件 | 12拠点 | ○ | 4.8 | 4.7 | 4.8 |
保育士バンク | 17,677件 | 8拠点 | ◎ | 4.7 | 4.8 | 4.8 |
拠点数はサービス全体、またはグループ全体のものです。
上記は2022年3月時点のサイト内調査による数値、または予測数です。
マイナビ保育士は求人数が多く、保育園情報を網羅していることが特徴です。マイナビグループなので実績も豊富で、履歴書・面接対策、面接同行などサポートも手厚いですね。
保育士バンクは担当者に元保育士が多く相談しやすいことが特徴です。またWEB面接や転職フェアなどサポートの質が高く、非公開求人も多くて使いやすいです。
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マイナビ保育士[公式]
全国的に求人が多く、とくに関東の転職に必須!保育園情報を網羅していてサポートも◎
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保育士バンク[公式]
担当者は元保育士が多く相談しやすい。転職フェアなどサポートも充実。地方求人も◎
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転職活動には基本的に転職エージェントを使いますが、転職サイトにも登録してください。ジョブメドレー保育士は以下の理由で登録しておくと便利です。
- 転職エージェントより求人数が多いため求人比較に便利
- 担当者からの電話連絡がないのでマイペースで活動できる
- スカウトメール機能で保育園からのスカウトが期待できる
それぞれのサービスの特徴は以下でまとめたので、転職を考えている人は参考にしてください。
ブランクがある保育士が職場復帰するのは普通のことです。むしろこれだけ職場復帰を歓迎してくれるのは、保育業界以外ないと思います。
職場復帰は怖いかもしれませんが、しっかり準備すれば不安に思う必要はありません。「ブランクOK」の求人は、あなたの保育経験と人生経験を求めています。