この記事は約 11 分で読めます
本ページにはプロモーションが含まれます。人が集まると、中には性格が合わない人もいます。意見が対立したり、勘違いで相手を怒らせたり、たまたま自分が怒りの矛先や憂さ晴らしの対象になることもあります。
プライベートな人間関係なら距離を取れば良いだけですが、職場だと嫌でも顔を合わせるのでめんどくさいですよね。また自分は直接関係なくても、職場の人間関係が最悪だと働きづらくなります。
保育園は人間関係で成り立つ仕事なので、人間関係が悪いと働き方に大きく影響します。保育園の人間関係の悩みを抱えて、どうにか改善したいと考えている保育士は多いはず。
- 人間関係に疲れた……めんどくさいからもう保育園辞めたい……。
- もしかしてわたしが原因……?嫌われる保育士の特徴を教えて。
- 人間関係の改善方法ってないの?何に気をつければいい?
- 転職先も人間関係が最悪だったら……怖くて転職できない……。
このように保育園の人間関係で悩んでいる人のために、人間関係は改善できるのか、嫌われる保育士にどんな特徴があるのか、人間関係の改善が難しいときはどうすれば良いのかなどについてお話します。
まずは人間関係が悪くなる原因やパターンを見直してから身の振り方を考えましょう。
保育士、幼稚園教諭、保育教諭歴20年以上。幼稚園、保育園、認定こども園など転職して述べ500人以上の園児を保育し、保護者の相談に答えてきました。両親・祖母が教師・保育士なので、保育士は多分天職です。
詳しいプロフィール
保育士が保育園を辞める人間関係の6パターン
保育園の人間関係で保育士が巻き込まれるパターンは、主に6つあります。
- 保育士同士の人間関係が悪い
- 先輩保育士との人間関係が悪い
- 園長と保育士の人間関係が悪い
- 保護者と保育士の人間関係が悪い
- 保護者同士の人間関係が悪い
- 保育士と子供の人間関係が悪い
保育士同士の人間関係が悪い
ん~聖人君子では無いですが、保育士は子どもたちに思いやりや協調性や社会性を伝えることも大切なことと思っているはずなのに…何で人間関係で嫌な思いをして辞めてしまうのかなぁ。同僚に優しさや思いやりが持て無い保育士が子どもたちに何か伝えることできるのかなぁ?本当に不思議です。
— 保育士Yの危なすぎる呟き? (@yumitugunanoka) November 7, 2020
保育士は、ある程度年齢が近いと同僚のような感覚で協力して働けます。連帯感が強くなると、より働きやすくなりますよね。
ただ経験年数や年齢が違うため、それぞれが持つ保育観だったり、仕事のやり方や時間の使い方で相手に対してイライラすることもあります。
また保育士は残業や持ち帰り仕事が多いんですが、家庭環境や仕事のやり方によってその分担量が違ったりすると、ちょっとした派閥ができて陰口を言われたりすることもあります。
先輩保育士との人間関係が悪い
実習生の時、すごく人間関係が悪いな〜って思う園があったのね。
先輩保育士が実習生のいる前で、新人をガミガミ怒る、新人も溜まる、新人は私に矛先を向ける。負の連鎖だなぁと思った。きっとあの新人の先生は、辞めなければ、ベテランになった時、また新人にガミガミ当たり散らすんだろうな。— ぱん (@dir_nzhll) November 15, 2018
ベテラン保育士と取り巻きが派閥を作って、仕事のルールを決めることはよくあります。
良い方向に向かえば良いんですが、良かれと思ってやったことが派閥のルールに引っかかって先輩保育士に一方的に叱られたり、いじめの対象になることもあります。
保育業界は少しずつ変わろうとしてますが、基本的には古い体質なので、保育のやり方や働き方の違いで対立して保育園全体の人間関係が険悪になってしまうこともあります。
園長と保育士の人間関係が悪い
前の職場は人間関係(園長と副園長の2人と私の)が最悪だった。私にだけ当たりキツイし…💧残業=素晴らしいって古くさい考えを押し付けてきたりもしたなぁ笑
私が定時で帰る日が続くと、皆も頑張って仕事しているんだから少しは残ったら?とかも言ってきたね
一生忘れないからな、クソ共が— さくらこ◇保育士垢 (@aueGRR6bCOKDKd2) June 1, 2021
園長と保育士があからさまに対立していることはなかなかないですが、保育士が園長や主任など管理職に反感を抱くことはよくあります。
原因の多くは、給料が安い、仕事が多い、残業が多い、パワハラがひどいなどの働きにくい環境だからです。こういう保育園は、保育士が結託して保育園と対立するため離職率が高くなります。
保育士が減ると園長はその原因を保育士のせいにして締め付けを強くするため、さらに人が減ってブラック保育園が誕生してしまいます。
保護者と保育士の人間関係が悪い
保護者と保育士の人間関係が悪い原因の多くは、モンスターペアレントだと思います。もちろん言動に配慮した方が良い保育士もいますが、ちょっとしたことでクレームを入れる保護者は厄介です。
保護者から理不尽なクレームが入ると、その対応に保育士は時間を使います。そのため仕事に影響が出て働く時間が伸びます。また保育士と保護者の人間関係が悪いと、子供は悪くないのに親の顔がちらついて保育に影響が出ることもあります。
保護者同士の人間関係が悪い
たとえば子供同士でケンカしてどちらかがケガをした場合、保育士がその仲介をしないといけません。
大抵は加害者の親が平謝りして被害者の親が飲み込んで終わります。ところが謝らない加害者・許さない被害者だと、保育士に飛び火して「どっちが悪い」の判定を両方の保護者から求められます……。
保育士と子供の人間関係が悪い
人間関係は、大人同士、子供同士だけのものじゃありません。一生懸命保育をしている保育士も、子供との関係性に悩むことがあります。
心を開いてくれない、言うことをく聞いてくれない、泣いてばかりで笑ってくれないなど、理由がわからず子供に嫌われていると感じると心が折れそうになりますね。詳しくは以下を参考にしてください。
人間関係が悪くなる原因はいろいろありますが、自分が人間関係悪化の原因になることは避けなければいけません。気付かないうちに人間関係を悪くしてしまう保育士はいます。
人間関係を悪くする嫌われる保育士の特徴
当たり前ですが、人間関係を悪くする保育士は嫌われます。自分自身で、以下のような嫌われる要素がないか考えてみてください。
- 人の悪口や噂話が好きな保育士
- いつも言い訳ばかりする保育士
- 表裏の二面性がある保育士
- すぐ派閥を作りたがる保育士
- 偉そうにしている保育士
- 何でも否定的な保育士
- 自分のことしか考えない保育士
- 常にやる気がない保育士
- 人の監視ばかりしてる保育士
人の悪口や噂話が好きな保育士
影口・悪口を言ったり、ゴシップ的な噂話が好きな人は割と多いです。人の悪口や噂話は、自分と関係なければ楽しめる部分もありますが、言う方はつい大げさに言ったり、言う範囲を広げたりします。
悪口や噂話の対象が仲の良い同僚やお世話になっている保護者にまで及ぶと、良い気はしませんよね。度が過ぎると嫌われます。
いつも言い訳ばかりする保育士
まず一言謝れば良いのに、「○○くんが飛び乗ってきたので……。」「昨日は言われなかったので……。」など言い訳が多い保育士も嫌われます。
言い訳が多い保育士は失敗をごまかすために責任転嫁することも多いので、「めんどくさいなぁ。いっしょに仕事したくないなぁ。」と思う保育士も多いですよね。
表裏の二面性がある保育士
園長・主任と後輩保育士の前で態度が違う、保護者と保育士の前で態度が違う、保育中とプライベートで子供への態度が違うなど度が過ぎた二面性がある保育士は嫌われます。
子供に暴力をふるったり、保育士に対するパワハラで逮捕された日の里西保育園の元副園長の事件でも、清原こづえ容疑者の二面性が話題になっていました。
すぐ派閥を作りたがる保育士
周囲に取り巻きを作ったり、ベテラン保育士に取り入ろうとしたりなど派閥を作る保育士も嫌われます。
保育士は、保育園全体で協力をしてスムーズな保育をする必要があります。派閥があると保育士の協力体制がなくなりますし、派閥の1人が保育園を辞めると連鎖的に辞めてしまいます。
偉そうにしている保育士
後輩保育士、転職してきた保育士、パート保育士、派遣保育士に偉そうにする保育士は嫌われます。
そういう偉そうな保育士は「後輩は叱って育てる」「まずは残業しろ」「仕事は見て覚えろ」など無茶な考え方を持っているので、いっしょに働きにくいです。
何でも否定的な保育士
「こういう発表をしましょう。」「仕事を減らすルールを作りましょう。」など保育園を良くする提案をしても、あれがダメだこれがダメだと何でも否定する保育士も嫌われます。
すべての意見を受け入れる必要はないですが、その人の独断でバッサリ切るので意見を言う気も失せてしまいます。その性格でどうやって子供との関係性を築けるのか不思議です。
自分のことしか考えない保育士
保育士は助け合いが大切です。協力して仕事をしないと回らないことがあります。自分のことしか考えない保育士は、自分の仕事が終わればさっさと帰るなど助け合いの精神がありません。
そのくせシフト交代を頼むと嫌そうにしたり、他の保育士の退職が決まると文句を言い出します。周りと協力関係を築けない保育士は嫌われます。
常にやる気がない保育士
保育中に無駄話が多い、ぼーっとしている、休憩時間が微妙に長い、どう考えても仮病で休む、締め切りや時間を守れないなどやる気がない保育士も最悪ですね。
人の監視ばかりしてる保育士
主任保育士でもないのに、いつも他の保育士の仕事やクラスの保育環境ばかりチェックして、いろいろ口を出してくる保育士も嫌われます。
保育園の人間関係が悪くならない行動・立ち回り
人間関係を改善する特効薬はありません。人間関係が悪化する前に、相手の気持ちを理解する普段の気遣いが大切です。以下のシチュエーションに当てはまる人は、自分の行動を変えてみましょう。
- 後輩・新人保育士に対する指導や注意を変える
- 先輩保育士の指導や注意に対する考え方を変える
- パート保育士に対する排他的な意識を変える
- 仕事の線を引かずに積極的に手伝う意識を持つ
- 保護者をひとまとめにせず○○さんと認識する
- 園長とは普段から何気ない会話をするようにする
後輩・新人保育士に対する指導や注意を変える
ベテラン保育士にはできて当たり前の仕事でも、新人保育士が初めからできるわけがありません。
ただ子供の安全がかかっていると、ベテラン保育士は厳しく指導しないわけにはいきません。そこでベテラン保育士が気をつけるのは、後輩・新人保育士への指導を自分のストレス発散にしないことです。
厳しい指導が悪いとは言いませんが、感情で声を荒げたり、相手を貶める言葉を使ってはいけません。
先輩保育士の指導や注意に対する考え方を変える
先輩保育士があなたを厳しく指導するのは、安全な保育やスムーズな保育園運営のためです。あなたが嫌いで叱っているわけじゃありません。
そのため「わたしばっかり!主任ムカつく!」と思ったり、必要以上に落ち込んだりしないでください。言い方がきつすぎると感じたら、園長など上の立場の人に話をしてください。
このように伝えて、園長の対応を待ちましょう。ただ園長がパワハラ気味の保育園だとどうしようもないんですが。
パート保育士に対する排他的な意識を変える
保育園にはパート保育士がたくさんいますが、パートだから仕事ができないわけじゃありません。もともと正社員として働いていて、育児などで働く時間が短くなったパート保育士も多いですよね。
そのため、若い保育士ほどパート保育士からたくさんのことを学ぶ意識を持ちましょう。派遣保育士や時短で働く保育士も同様です。
また先輩保育士は保育園の悪い文化をパート保育士や派遣保育士に押し付けないようにしましょう。とくに残業や持ち帰り、休みの取り方などで悪い文化が存在する保育園はたくさんあります。
「わたしはそう教わった」「わたしはそう経験した」など過去の保育業界の常識は捨てて、世間一般の常識に合わせてください。
仕事の線を引かずに積極的に手伝う意識を持つ
パート保育士や派遣保育士は、仕事の時間や仕事の内容がきっちり分かれていることが多いので、つい「それはわたしの仕事じゃない。」「わたしは関係ないから聞く必要がない。」と思いがちです。
正社員の仕事をすべて引き受けるのはおかしなことですが、仕事がスムーズに回るように声掛けをしたり、引き継ぎ用のノートを工夫するなどできることは協力してください。
保護者をひとまとめにせず○○さんと認識する
「保護者対応って面倒だなぁ。」「保護者ってわがままだしなぁ。」など保護者と関係するのを嫌がり、当たり障りがないそっけない対応する保育士がいます。
もちろん保護者全員と仲良くなることは難しいですが、保護者をひとくくりに考えると、誰とも信頼関係が築けなくなります。そのため、「保護者」ではなく○○さんと個人で認識するようにしてください。
保護者との信頼関係を築く方法、うまく会話する方法は以下を参考にしてください。
園長とは普段から何気ない会話をするようにする
多くの保育士は園長と年齢差があるので、園長の言うことはとりあえず「はい、はい。」と聞き流して、裏で「あーめんどくさいなぁ。」とストレスを溜める人が多いですね。
園長が鈍感だと思っている人は気をつけてください。園長は気付かないフリをしているだけです。塩対応の保育士に良い感情を抱くわけがありません。
そうやって心の中でお互いに敵意を持っていると、どちらかが爆発したときに険悪になってしまいます。
すぐに園長に意見を言うのは難しいとしても、普段から何気ない会話をするだけで、いざというときに一言二言意見を言えるようになりますし、園長も意見を聞く姿勢を持ってくれます。
保育園の人間関係が最悪になっても改善できる?
一度悪くなった人間関係が改善することはほぼありません。そのため大切なことは、親密ではなくても良いのでお互い誤解がない関係性を作ることです。
人間関係が悪いのに無理やりがんばってもストレスが溜まるだけです。ましてや、自分が標的になってパワハラやいじめを受けている保育園にいる必要性はゼロです。
辛い気持ちのまま、戦ったり我慢する必要はありません。そんな環境で働くのは時間のムダです。心が壊れる前に退職や転職を考えてください。
理不尽なパワハラやいじめは解決できないので、自分の力を発揮できる環境を探す方が効率的です。というわけで、わたしからのアドバイスは以下の通り。
- これから人間関係を築くなら相手の気持を考えた行動を心がける
- もう人間関係が最悪な状態なら退職・転職などで環境を変える
もし年度途中ですぐにでも保育園を辞めたい人は、以下を参考にしてください。
また、転職したい人は転職先の人間関係にも注意してください。人間関係で悩んで転職した保育士が、転職先の保育園でまた人間関係で悩むのは地獄です。
そのため、事前に人間関係や雰囲気が良い保育園を見分けることが大切です。保育園の人間関係を見分ける方法は大きく2つあるので、以下を参考にしてください。
保育士を辞めて違う仕事に転職したい人は以下を参考にして流れを掴んでください。新しいことに挑戦するなら事前準備をして、後悔がない転職にしましょう。
仕事に責任感を持ちたい気持ちはわかりますが、人間関係が最悪な保育園に残ってなんとかするか、違う道を探すのか、どちらが良いかは考えなくてもわかると思います。