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本ページにはプロモーションが含まれます。以前よりも職場にシングルマザーの保育士が増えています。わたしの身近にもシングルマザーの保育士が何人かいるので、何かと大変なことは理解しています。
シングルマザーは一人で何でもこなさないといけないため時間がなく、できる仕事が限られますよね。
そのため「このまま保育士続けても大丈夫かな……。」と不安になる人も多いと思います。以下の通り保育士がシングルマザーをするのは辛いという声も耳にします。
- 保育士は仕事が忙しいから体が保たないんだよなぁ……。
- 給料が安いから生活していけないかも……。
- 残業が多いからシフトが変えられないと厳しい……。
つまりシングルマザーは「極端に仕事が忙しくない」「そこそこの給料がもらえる」「柔軟に休みが取れてシフト変更ができる」仕事が望ましいということですね。
たしかに保育士は体力を使いますし、給料が安い・残業が多い保育園もあります。ただこれらの悩みは解決できます。
保育士は以前に比べて働きやすくなっていますし、今より働きやすい環境を手に入れることも可能です。むしろ、保育士以外でシングルマザーが働きやすい環境を手に入れることは難しいと思います。
そこで今回はシングルマザーが保育士の仕事を選ぶメリット、今の保育園よりも子育てしやすい保育園に転職するためのポイントについてお話します。
保育士、幼稚園教諭、保育教諭歴20年以上。幼稚園、保育園、認定こども園など転職して述べ500人以上の園児を保育し、保護者の相談に答えてきました。両親・祖母が教師・保育士なので、保育士は多分天職です。
詳しいプロフィール
シングルマザーの仕事は保育士が良い理由
シングルマザーの保育士は、今の自分の状況と以下のメリットを比較してみましょう。
- 女性の職場なので子育ての理解があるため
- 保育士の給料が以前よりも上がったため
- 有給消化の義務化で休みが取りやすくなったため
- 働き方改革で残業時間の上限ができたため
- 同一労働同一賃金で格差がなくなったため
- IT化によって面倒な事務作業が減ったため
女性の職場なので子育ての理解があるため
シングルマザーが保育士を選んだ方が良いもっとも大きな理由は、保育士がほぼ女性の職場で子育ての理解があるためです。
残念ながら、子育てに深く関わっている男性はほとんどいません。そのため、普通の会社で子供が理由の欠勤や遅刻、早退などを心良く思わない人もいます。
とくに「子供の迎え」はママにとって大切な仕事なのに、それよりも仕事を残して帰るなと思っている男性は多いそうで……。
保育士の給料が以前よりも上がったため
以下はシングル世帯と標準世帯の世帯収入比較です。この表を見ると、母子世帯の平均収入は291万円でとても低いことがわかりますね。
「シングルマザーはただでさ仕事に集中しづらい環境なのに、保育士だと余計に給料安くなるんじゃないの?」と考える人もいるでしょう。
ところが令和2年度の賃金構造基本統計調査によると、保育士の平均年収は374.5万円です。保育士の給料は平成25年~令和2年まで8年間上がり続けています。詳しくは以下を参考にしてください。
有給消化の義務化で休みが取りやすくなったため
「保育士は有給が消化できない……。」と思っていませんか。「働き方改革関連法案」によって10日以上の有給休暇が付与される労働者は、年間5日以上の有給消化が義務化されました。
この法案に則って有給を消化しないと、法人に30万円以下の罰金が課されます。
もちろんいつでも好きなときに自分都合で有給が消化できるわけではないですが、有給消化の義務化以前は有給消化日数5日未満の保育士が2-3割もいたことを考えるとかなりの改善です。
日数 | 2日以内 | 3-6日 | 7-9日 | 10-15日 | 16-20日 | 21日以上 | 無回答 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
全体 | 2.9% | 31.3% | 28.8% | 25.3% | 6.8% | 1.4% | 3.5% |
公設公営 | 3.2% | 40.7% | 31.5% | 17.9% | 3.1% | 0.7% | 2.9% |
公設民営 | 3.1% | 30.8% | 22.5% | 31.3% | 7.5% | 1.8% | 3.1% |
民設民営 | 2.6% | 23.9% | 27.2% | 30.7% | 9.6% | 1.9% | 1.0% |
有給休暇の詳細や有給休暇を効率良く取る方法を知りたい人は以下を参考にしてください。
働き方改革で残業時間の上限ができたため
保育士は長時間のサービス残業が当たり前だと思っている人もいるかもしれませんが、同じく働き方改革関連法案によって以下のように残業時間の上限が決められました。
- 残業時間の上限は原則月45時間・年360時間で、特別の事情がなければ超えることはできない
- 特別の事情があっても、年720時間、複数月平均80時間、月100時間を超えてはいけない
- 原則の月45時間を超えることができるのは年間6ヶ月まで
もちろんシングルマザーは残業自体が難しい場合が多いですね。ただ残業時間の上限ができたことで同僚の残業時間が減り、保育園全体が効率化を図るきっかけになることは大きな意味があります。
同一労働同一賃金で格差がなくなったため
働き方改革で正規雇用と非正規雇用の待遇面の差をなくす同一労働同一賃金が決められたことも、シングルマザーにとっては大きいですね。
これまでは同じ業務を同じ時間行っても、正規保育士、パート保育士、派遣保育士など雇用形態の違いで賃金格差がありましたが、同一労働同一賃金下では待遇に差が出ないようになります。
シングルマザーは働く時間に制限があるため、これまでは限られた時間の中でさらに不利な条件で働いていました。たとえ短い時間でも、働き方に不利な条件がないのは良いことですね。
IT化によって面倒な事務作業が減ったため
保育業界は他の業界に比べてかなりIT化が遅れています。それでも少しずつICTが導入されて、現場仕事が便利になってきています。
IT化が進んでいる保育園は以下のシステムを導入して、園児の記録、保護者とのやりとり、園内の労務管理などを自動化しています。
- 保護者との連絡帳の電子化
- 欠席連絡の受付アプリ
- 一時保育などの予約管理
- 園バスの位置情報アプリ
- 登降園記録管理システム
- 園児の情報管理システム
- 子供の健康記録管理システム
- シフト作成・勤怠管理システム
- 保育料・実費計算システム
- 保育の日案・週案作成システム
まだIT化が進んでいない保育園に勤めている保育士は、上記のシステムが導入されて便利になっている保育園を想像すると羨ましく思うはずです。
シングルマザーが保育士求人を見極めるポイント
シングルマザーがこれから一人で子供を育てていくことを考えたら、なるべく給料が高くて、休みが多い保育園を選ぶことは当たり前です。
そのうえで子育てがしやすく、生活が豊かになるよう以下のポイントで保育士求人を見極めてください。
- 土日祝日が休みの保育園であること
- 居残り残業が少ない保育園であること
- 育児中の保育士が多い保育園であること
- 有給を消化しやすい保育園であること
- 家賃補助や社宅制度がある保育園であること
- 託児所付き保育園の求人があること
土日祝日が休みの保育園であること
あなたが少しでも余裕を持って保育士を続けるためには、子供の保育園・幼稚園、または小学校に合わせた休みを取れる土日祝日休みが望ましいです。
たとえば保育士バンクで土日休み、正社員の保育園を探すと2200件、パート保育士で探すと1200件の求人が見つかります。ちなみに正社員で東京に絞っても500件の求人が見つかります。
このように土日休みの保育園を探すことは可能です。基本的に土曜出勤は避けた方が良いですが、どうしても土曜出勤が必要な場合は、一時保育や学童である程度カバーできると思います。
居残り残業が少ない保育園であること
残業があると子供の迎えの時間がずれて、生活リズムが崩れます。最近は残業が少ないことをアピールする保育園が増えているため、そういった保育士求人を探しましょう。
残業少なめ・残業なしの条件で探すとジョブメドレーでは6898件、保育士バンクでは5280件の求人が見つかります。
ただし繁忙期に仕事が多いのは仕方がないことです。避けたいのは子供の迎えに影響が出る居残り残業なので、持ち帰り仕事にできるなら子供のためにそちらを選んでください。
残業少なめ・残業なしの保育園の選び方は以下を参考にしてください。
子育て中の保育士が多い保育園であること
子供は突然発熱したり具合が悪くなるため、仕事を休んだり、早退が必要な場合があります。そんなときに大切なことは、同僚との助け合いです。
子育て中の保育士はみんな同じ悩みを抱えています。そのため、「お互い様」の精神でシフトを代わってもらったり、仕事を任せられる保育士がいると心強いですよね。
全保育士の3割は子育てをしながら仕事をこなしています(0-10歳の子供)。そのため、保育士の3割以上が子育てをしている保育園が望ましいですね。
有給を消化しやすい保育園であること
家庭訪問や母親参観、その他保育園、学校の行事などがあると、子供のために1日休みが欲しいこともあります。そんなときに有給を使いやすい保育園だと助かりますね。
有給休暇は労働者の権利なので、基本的にはいつでも使えることが望ましいのですが、雰囲気的に有給が取りにくい保育園もあります。
有給消化日数を実績として掲載している求人もあるので、調べてみましょう。有給消化しやすい保育園の特徴を知りたい人は以下を参考にしてください。
家賃補助や社宅制度がある保育園であること
実家など頼る人がいない中がんばっているシングルマザーもたくさんいます。もしあなたが働く場所にこだわりがないなら、家賃補助や借り上げ社宅制度がある保育園を選びましょう。
生活費でもっとも大きいのは居住費です。家賃補助は金額が大きいと4万円以上の手当がつくこともあるので、生活はかなり助かります。
また、東京近郊なら借り上げ社宅制度を導入している保育園も多いです。
借り上げ社宅制度(保育士宿舎借り上げ支援事業)とは、保育園が契約した賃貸物件を採用後規定年数以内(5-10年が多い)の常勤保育士に住まわせることで、一定額の補助金が出る制度のことです。
かなりお得な制度なので必ず押さえてください。
託児所付き保育園の求人があること
最後にその保育園に託児所が付いているかどうかもチェックしてください。わたしはたまたま働いていた保育園が託児所付きだったので、かなり子育ての助けになりました。
託児所付き保育園求人は、子育て中の保育士にとって魅力的でおすすめです。託児所付き保育園のメリット・デメリット、求人の探し方を知りたい人は以下を参考にしてください。
シングルマザーが働きやすい保育士求人を探す方法
シングルマザーは普段の生活の忙しさに追われて、どのような仕事を選べば子育ての助けになるかを考える思考が停止してしまいがちです。
もし忙しくて自分で求人を探すことができない人は、転職エージェントの担当者に現状と希望の転職先の条件を伝えて、理想の求人を探してもらいましょう。
転職エージェントを利用すれば求人探し、転職先との連絡、条件交渉などの手間や時間を削減できます。
選び方がわからない人は、わたしが使っていたマイナビ保育士と保育士バンクを使ってみてください。それぞれの公開求人数、拠点数、評価は以下の通りです。
サイト名 | 公開求人 | 拠点数※ | 転職フェア | 担当者 | サポート | 口コミ |
---|---|---|---|---|---|---|
マイナビ保育士 | 20,060件 | 12拠点 | ○ | 4.8 | 4.7 | 4.8 |
保育士バンク | 17,677件 | 8拠点 | ◎ | 4.7 | 4.8 | 4.8 |
拠点数はサービス全体、またはグループ全体のものです。
上記は2022年3月時点のサイト内調査による数値、または予測数です。
マイナビ保育士は求人数が多く、保育園情報を網羅していることが特徴です。マイナビグループなので実績も豊富で、履歴書・面接対策、面接同行などサポートも手厚いですね。
保育士バンクは担当者に元保育士が多く相談しやすいことが特徴です。またWEB面接や転職フェアなどサポートの質が高く、非公開求人も多くて使いやすいです。
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マイナビ保育士[公式]
全国的に求人が多く、とくに関東の転職に必須!保育園情報を網羅していてサポートも◎
» マイナビ保育士の口コミを見る -
保育士バンク[公式]
担当者は元保育士が多く相談しやすい。転職フェアなどサポートも充実。地方求人も◎
» 保育士バンクの口コミを見る
転職活動には基本的に転職エージェントを使いますが、転職サイトにも登録してください。ジョブメドレー保育士は以下の理由で登録しておくと便利です。
- 転職エージェントより求人数が多いため求人比較に便利
- 担当者からの電話連絡がないのでマイペースで活動できる
- スカウトメール機能で保育園からのスカウトが期待できる
それぞれのサービスの特徴は以下でまとめたので、転職を考えている人は参考にしてください。
拘束時間が長く、忙しい保育園もありますが、周りを見渡すと今より良い待遇の保育園も見つかります。
わたしは保育士こそシングルマザーの子育てや生活を助ける最適な仕事だと思っているので、みなさんにそのメリットとデメリットを理解してもらい、良い判断をしてもらいたいです。