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本ページにはプロモーションが含まれます。「保育士辛い……他の仕事したい……。」「今の保育園辞めて、他の保育園行きたい……。」と思ったら、積極的に転職を考えれば良いと思います。
ただ、転職をしたいけど不安な気持ちが強い人は多いです。現状を変えるのは誰でも怖いですよね。わたしも初めての転職は不安でいっぱいでした。
- 今の保育園の給料じゃ将来が不安……転職した方がいいのかな……。
- 園長と主任のパワハラが怖い……。派閥で人間関係もめんどくさい。
- 転職のメリットとデメリットがわかれば不安もなくなるかも……。
人間はリターンよりリスクを嫌がって何も行動しない「現状維持バイアス」という心理作用があります。この心理作用を取り除くのはとても難しい……。
とくに初めて転職を考えている人は不安な気持ちが強く、現状維持バイアスも大きくなります。現状維持バイアスを取り除には以下のように考えることが大切です。
- 1.今の保育園に感じる不満や悩みを明らかにする→なぜ転職したいのか
- 2.転職に感じる不安を明らかにする→なぜ動くことができないのか
- 3.保育士の転職メリット・デメリットを知る→転職を客観的に判断する
- 4.不満を解消できる求人がないか探してみる→転職をする意味があるのか
- 5.総合的に転職メリットが勝れば転職活動を始める
環境を変えるために転職したいけど怖くて動けないと悩んでいる人は、この記事を読んでください。不安を解消して、明るい未来に向かって歩き出す具体的な方法をお伝えします。
保育士、幼稚園教諭、保育教諭歴20年以上。幼稚園、保育園、認定こども園など転職して述べ500人以上の園児を保育し、保護者の相談に答えてきました。両親・祖母が教師・保育士なので、保育士は多分天職です。
詳しいプロフィール
今の保育園に感じる不満や悩みを明らかにする
何となく不満が溜まって「転職したい!」と思い、今より給料が高い保育園を探し始める人は多いです。でも、転職の目的は給料を上げることだけじゃありません。
あなたの不満や悩みは、仕事時間が長いことかもしれませんし、人間関係かもしれません。不満や悩みの原因を明らかにしないと、転職して給料が上がってもまた不満を感じます。
すべての不満や悩みを解消できないと転職できないわけじゃないですが、自分が何を求めて、何を妥協するのかを理解しないと気持ちに折り合いがつかなくなります。
たとえば保育園には必ず忙しい時期があり、残業や休みの不満を100%解消できる保育園はありません。どれだけの残業なら妥協できるかを考え、代わりの条件も探してください。
わたしは今ある不満や悩みを明確にして、「現状の何が不満なのか」「どうすれば悩みを解決できるか」を考えることを「不満の自己分析」と呼びます。
不満の自己分析は、「保育園・仕事の不満や悩みを書き出す」「それぞれ不満や悩みの具体例を書き出す」「不満や悩みの具体例に順位をつける」という順番に行います。
エクセルを使うと便利ですが、持ってなければGoogleのスプレッドシートでも良いです。
- 1.保育園・仕事の不満や悩みを書き出す
- 2.それぞれ不満や悩みの具体例を書き出す
- 3.不満や悩みの具体例に順位をつける
保育園・仕事の不満や悩みを書き出す
今の保育園・仕事に対する不満や悩みを何個も書き出します。まずはざっくり以下のような感じです。
- 給料が安い
- 残業が多い
- 持ち帰り仕事が多い
- 有給が取れない
- 通勤時間が長い
- 園長が高圧的
- 保護者のクレームが多い
- 保育士同士の人間関係が悪い
それぞれ不満や悩みの具体例を書き出す
不満を書き出したら、次に不満の具体例を書きましょう。保育園・仕事に対する不満や悩みの具体例を書くと、本質が見えてきます。
自分が不満を感じた出来事やそのときの感情を以下のように具体的に書いてください。
- 給料が安い→同年代の他の保育園の保育士より給料が3万円ほど安く、生活が苦しい。
- 残業が多い→毎日閉園1時間後に会議がある。園長の独演で意味がないように感じる。
- 持ち帰り仕事が多い→書類関係はすべて手書きなので毎日0時ごろまで仕事をしている。
- 有給が取れない→毎年有給が消化できない。有給を取るときは同僚にも気を使う。
- 通勤時間が長い→通勤に1時間近くかかるので、子供のお迎えが遅くなってしまう。
- 園長が嫌い→いつも命令口調で指示したり、怒鳴ったりする。気分の波が激しい。
- 保護者のクレームが多い→態度が悪い、口調が悪いなどの言いがかりを付けてくる。
- 保育士同士の人間関係が悪い→同僚保育士に馴染めず、仕事も押し付けられてる気がする。
ただ給料が安いのが不満じゃなく同年代の保育士より月給が3万円安いことが不満だったり、何となく園長が嫌いなんじゃなく命令口調や怒鳴ることに悩んでいるとわかります。
不満や悩みの具体例に順位をつける
書き出した不満や悩みの具体例に嫌な順番をつけてください。以下は並べ替えましたが、横に1位、2位と書くなど自分で分かればOKです。同列の順位があっても良いですよ。
- 残業が多い→毎日閉園1時間後に会議がある。園長の独演で意味がないように感じる。
- 持ち帰り仕事が多い→書類関係はすべて手書きなので毎日0時ごろまで仕事をしている。
- 有給が取れない→毎年有給が消化できない。有給を取るときは同僚にも気を使う。
- 通勤時間が長い→通勤に1時間近くかかるので、子供のお迎えが遅くなってしまう。
- 保育士同士の人間関係が悪い→同僚保育士に馴染めず、仕事も押し付けられてる気がする。
- 保護者のクレームが多い→態度が悪い、口調が悪いなどの言いがかりを付けてくる。
- 園長が嫌い→いつも命令口調で指示したり、怒鳴ったりする。気分の波が激しい。
- 給料が安い→同年代の他の保育園の保育士より給料が3万円ほど安く、生活が苦しい。
このように順位を付けると悩みがある程度分類できます。この事例では残業が多いこと、仕事時間が長いことに強い不満を感じているとわかります。次が人間関係ですね。
転職に感じる不安・怖い気持ちを明らかにする
「転職するのが怖い……。」「転職はなんとなく不安……。」という人は、抱えている不安が以下に当てはまるか確認してください。
- 新しい人間関係に対する不安や怖さ
- 保育の知識不足・経験不足の不安や怖さ
- 年齢による体力的な不安や怖さ
- 園長や先輩保育士のパワハラの不安や怖さ
- 園長に強く引き止められる不安や怖さ
- 保育園を辞めたことが噂になる不安や怖さ
- 子供の保育の責任感の不安や怖さ
- 転職すると経歴に傷がつく不安や怖さ
- 転職活動自体がなんとなく不安や怖さ
新しい人間関係に対する不安や怖さ
人間は誰でも新しい環境に不安を感じます。なぜなら、新しい環境には新しい人間関係があって一から作り上げるのは面倒だとわかっているからです。
人間関係を作るのが苦手な人は、最低限の挨拶や心遣いだけ気をつけましょう。最初から打ち解ける必要はないです。転職先の人間関係が不安なら、以下を参考に人間関係が良い保育園を探してください。
保育の知識不足・経験不足の不安や怖さ
経験が浅い保育士、ブランクがある保育士は、自分の知識や経験が通用するか不安を感じます。
ただ、環境が変われば保育のやり方も変わるので、知識や経験が豊富な保育士でも戸惑います。そのため今の知識関係なく、常に教わる姿勢を持っておきましょう。
知識不足・経験不足で不安な保育士は、以下の記事を参考にしてください。あなたを求めている保育園はたくさんあるということがわかるはずです。
年齢による体力的な不安や怖さ
もし体力に不安があるなら、小規模保育園などに転職先を絞りましょう。0-2歳児の乳児保育なら、子供と追いかけっ子をしたり、子供が飛びついてくることはありません。
ただし乳児を相手にするとおんぶや抱っこで腰痛、肩こりなどに悩まされます。これは腹筋、背筋などをして筋力をつけるしかないですね。筋肉がつけば腰痛、肩こりも緩和されます。
特に40代以上の保育士は体力的な不安が強いようです。以下を参考にして、40代以上の保育士でも不安なく転職ができる事実を知ってください。
園長や先輩保育士のパワハラの不安や怖さ
園長や先輩保育士のパワハラや嫌がらせが怖くて、今の保育園を辞めると言えない人もいます。ただ、そんな微妙な人間関係の保育園で働いていても人生は楽しくありません。
パワハラやいじめを怖がるより、覚悟を決めて辞めることがベターです。パワハラが許せない人は労働局に頼る方法もあります。詳しくは以下を参考にしてください。
辞めると言えない人は退職代行サービスを使っても構わないと思います。心配ならまず無料相談しましょう。LINEで相談できるサービスもあります。
園長に強く引き止められる不安や怖さ
「辞めると言ったら園長に引き止められる……怖い……。」という不安を抱える人もいますね。もちろん保育園には、辞めると言った保育士を引き止める権利はありません。
大切なことは、辞める理由を明確にして毅然とした態度で退職の意思を伝えることです。退職理由は嘘をついてもいいんです。
保育園を辞めたことが噂になる不安や怖さ
「保育園を辞めると、保護者の中で変な噂になるかも……。」と心配する人もいます。ただ、あなたが知らないだけで、今でもあなたの何かが噂になっているかもしれません。
そのため、保育園を辞めたことで噂になるかどうかを気にしても仕方がないと思います。
子供の保育の責任感の不安や怖さ
担任になると保育を投げ出せない雰囲気があることはわかります。ただどんな仕事にも責任があり、保育士が特別なわけじゃないです。そのため、必要以上に責任を考える必要はありません。
責任感だけで無理に仕事を続けて、体を壊しても保育園も保護者も責任を取ってくれません。
転職すると経歴に傷がつく不安や怖さ
転職をすると経歴に傷がつくんじゃないかと、不安を感じる保育士もいます。ただ、転職したくらいで経歴に傷はつきません。保育士の転職経験割合は高く、転職は当たり前のことです。
保育士バンクの調査(2018年11月)によると、保育士の76.9%が転職を経験しています。内訳は転職「1回以上」30%、「2回以上」18.5%、「3回以上」27.7%です。
わたしは保育園、幼稚園、認定こども園など4回転職してますが、とくに何か言われたことはないです。
転職活動自体がなんとなく不安や怖さ
具体的な不安がわからない人は、転職活動自体が不安なんだと思います。転職活動は日常とは違うので、初めての転職だと余計に不安になります。まさに現状維持バイアスですね。
保育士の転職メリット・デメリットを知る
保育士が転職するメリット・デメリットとは、保育士が今の保育園を辞めて転職したときのリスクとリターンのことです。
メリット・デメリットは人によって違うので、以下を参考にして自分の転職メリット・デメリットを考えてください。まずは転職のデメリットから。
保育士が転職をするデメリット
- 今よりも給料が低くなる可能性がある
- 昇給、有給などの待遇がリセットされる
- 転職活動をするにはある程度のお金が必要
- 新しい人間関係の悩みができる可能性がある
- 住宅や車のローン・クレカ審査が不利になる
- 転職後一定期間経過しないと使えない制度がある
今よりも給料が下がる可能性がある
転職条件によって、今より給料が下がることがあります。納得して転職するなら良いですが、求人票の見方を勘違いして給料が下がることは避けましょう。手当や賞与が曖昧なら応募先に確認してください。
また、待遇も同じですね。長く働いた保育園を辞めるときほど退職金や昇給率がリセットされますし、有給取得日数も減ります。求人票の給料や手当などの見方は以下を参考にしてください。
昇給、有給などの待遇がリセットされる
今の保育園を辞めると積み上げ退職金制度、給料の昇給基準、有給取得日数などはリセットされます。
まず退職金は勤続年数が多いほどもらえる金額の割合が大きくなりますね。退職金制度は複雑ですが、知っていると得をする内容なので以下を読んで押さえておきましょう。
また転職して今より給料が上がっても、保育園を辞めたことで給料の昇給基準がリセットされます。
さらに転職すると勤続年数がリセットされ、有給取得日数も10日に減ってしまいます。有給消化しやすい保育園の探し方は以下を参考にしてください。
転職活動をするにはある程度のお金が必要
転職活動には交通費、通信費、雑費などのお金がかかります。遠方で転職するなら、旅費・交通費もかかります。そのため転職活動費用を先に計算して、用意する必要があります。
新しい人間関係の悩みができる可能性がある
人間関係の悩みがある人は、転職でリセットできるのは良いことです。ただ、転職するとまた新しい人間関係ができますね。その新しい人間関係を作ることが面倒に感じる人も多いです。
せっかく転職をしてもまた人間関係で悩む人もいます。ただ、人間関係が良い保育園、雰囲気が良い保育園は探すことができます。詳しくは以下を参考にしてください。
住宅や車のローン・クレカ審査が不利になる
住宅や車のローン審査、クレジットカード作成の審査は、転職したばかりで勤続年数が短いと不利になります。そのためローンを組みたい人は、転職前か転職して2-3年経ってからにしましょう。
転職後一定期間経過しないと使えない制度がある
転職をすると一定期間経過しないと使えない制度があります。たとえば有給休暇は勤続6か月以上、時短勤務なら基本的に1年以上の勤務期間が必要です。
また勤続1年未満は労使協定の締結があると育休が取れませんし、育児休業給付金も勤続1年未満や転職で空白期間があるともらえません。出産予定の人、子供を生んだばかりの人は以下を参考にしてください。
保育士が転職をするメリット
- 給料や勤務時間などの労働環境が改善しやすい
- キャリアアップしやすい職場を探すことができる
- 新しい職場で新しい人間関係を作ることができる
- 自分の人生と仕事感を見つめ直すきっかけになる
- 転職によって新しい価値観を知ることができる
給料や勤務時間などの労働環境が改善しやすい
保育士は給料が安く、勤務時間が長い仕事です。そのため給料が上がったり、サービス残業が減ったり、休みが取りやすくなるなど転職によって労働環境が改善するメリットがあります。
最近は関東を中心に保育士の待遇が改善しています。そのため待遇改善を望むなら、今のうちに積極的な転職をした方が良いと思います。もちろん全国的にも給料は上がっています。
キャリアアップしやすい職場を探すことができる
保育業界では保育士キャリアアップ研修で、以前より役職にキャリアアップしやすくなりました。保育士は、最短3年の現場経験を積めばキャリアアップできます。
ただ、キャリアアップに積極的な保育園とそうじゃない保育園があるので、キャリアアップしやすい保育園で働くことが大切です。詳しくは以下を参考にしてください。
新しい職場で新しい人間関係を作ることができる
保育業界は女性の職場なので、同僚保育士・先輩保育士との人間関係が大切です。人間関係が良ければ協力体制が作れて、連帯感がある楽しい職場になりますが、そうじゃなければ地獄です……。
人間関係の悩みを解決する、1番の方法は環境を変えることです。どんな業界でも、転職をして新しい人との良い出会いがあれば、確実に仕事のモチベーションは上がりますよね。
自分の人生観と仕事観を見つめ直すきっかけになる
転職をするのは、今の職場対して不満や問題点があるからです。ただ、100%理想通りの職場に転職できるわけじゃないので、譲れない条件と妥協する条件を考えておかないといけません。
転職条件を考えることは、自分の人生観や仕事観を見つめ直すきっかけになります。仕事に追われて何も考えずに人生を過ごすより、転職によって新しい方向性を考えることは良いことだと思います。
転職によって新しい価値観を知ることができる
転職で仕事の内容や職場の雰囲気、人間関係が変わると、それまでの価値観が変わります。価値観が変わって刺激を受けると、これまでよりも視野が広がります。
もちろん保育業界内の転職でも保育園の雰囲気、仕事のルール、人間関係が変われば視野は広がります。
転職のメリットとデメリットを挙げましたが、転職が成功すればメリット、失敗すればデメリットと考えて良いですね。転職で成功・失敗が何を指すのかも理解しておきましょう。
実際に不安解消できる保育士求人を探すには
給料、休み、働く時間、待遇、働きやすさ、人間関係などの情報を集めて理想の転職先が見つかれば、「転職したいなぁ。」が「転職しないと損!」に変わって不安や怖さはなくなります。
求人情報を集めて、不明点を転職エージェントに調べてもらうことは、どの業界の転職も同じです。あなたが希望する業種に合う転職エージェントを活用してください。
保育士以外の仕事に転職したい人は、異業種転職の流れを理解しましょう。以下で異業種転職の注意点や保育士以外でおすすめの仕事を紹介しています。
保育業界で転職したい人は、わたしが使っていたマイナビ保育士と保育士バンクがおすすめです。
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保育士バンクは担当者に元保育士が多く相談しやすいことが特徴です。またWEB面接や転職フェアなどサポートの質が高く、非公開求人も多くて使いやすいです。
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保育士バンク[公式]
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転職するメリットが勝れば転職活動を始めよう
今の環境を変えるために転職した方が良いとわかっていても不安や怖さを感じる人は、現状維持バイアスのせいで動けなくなっています。
現状維持バイアスに陥るのは、転職で不満や悩みが解消できるかわからないことが原因です。
そのため現状の不満や悩みを理解して、客観的に転職のメリット・デメリットを比較して、転職で不満が解消できる求人情報を集めるという流れが大切です。
個人的には保育士は保育業界での転職がおすすめです。保育業界ならどこでも保育経験や保育スキルを活かせます。せっかく取得した保育士資格や幼稚園教諭免許を活かさないのはもったいないです。
一方、他業界に転職するとゼロスタートですし、他業界の現実を知ると「あれ?保育業界の方が良かった?」と思う人も多いと思います。保育士資格は思ってるより価値がある資格です。
保育士以外にも子供と関わる仕事はたくさんあるので、興味がある人は以下を参考にしてください。